昨日はお盆休みの前の訪問診療。

計13人と忙しい中のひとりに

〇〇さん83歳が。

 

①    アルコール依存、肺気腫 

②    →下痢・脱水・低カリウムで腰抜けてねたきり褥瘡

③    →転倒・大腿骨転子部骨折

④    救急入院 全身状態不良にて骨折は手術不能。輸血のみ施行。

⑤    →のため簡易宿泊所へ帰室

 

初めての出会いは

2013年.

当院に勤務していた看護師が、寿の街から

「路上にねころがってやせてたんで」

と車いすに乗せて連れてきた。

 

「あのな、 ことぶきの路上には一杯寝転がってるからな。

だいたいみんなアルコール依存だからな」

と笑って釘刺しつつ。

でも一期一会で。

以来11年。

 

①    にて外来に通ってくれたが、来院時は飲んでない。

訪問看護は②に導入し、少し元気になったら③が起きてしまった。

⑤にて訪問診療を開始。

毎日点滴してずいぶんと元気になった。

 

そして昨日。

目はきらきらと輝き、透明感のあるステキな目。

栄養状態貧血確認のための採血を看護師-が施行。

予定量のために2回採血を余儀なくされたが、

2回の針刺しにも、

「イイヨ~」とニコニコ。

 

とても優しい対応をしてくれた。

 

ことぶきのおじさん達は一般に、

亡くなる前に、とてもイイ人になることが多い。

 

本能的に「感謝」を感じるのだろうと勝手に思っている。

 

〇〇さんも昨日はいつにも増して

イイ人だった。

 

本能的に死を感知していたのかもしれない。

 

残念ながら私達には予見できなかったが、

長時間苦しんだ死ではないし、孤独死でもない。

それでヨシとするしかない。

 

ご冥福をお祈りします。