Sサン

は御年78歳。いつも奥様と一緒に受診される

元会社員の年金生活GENTLEMAN。

 

軽度の認知症(紹介状にて大病院 専門医にて各種多数の検査検査後にアリセプト服用中)と肺がん。

 

肺癌の発見と経緯)

2022年3月に定期健診の胸X線にて

右上葉の異常陰影があり、CT検査にて専門医療センターへ紹介。

7月に胸腔鏡下右肺上葉切除+上縦隔リンパ節郭清

の手術。

 

術後病理組織結果などから

最終的には

右上葉原発性肺がん 組織:扁平上皮がん STAGE IA2

にて術後補助療法 無し。

と判断された。

 

ところが、上縦隔リンパ節の1個に 偶発的に「腺がん」のリンパ転移が見つかった。

 

肺がんは早期にてSTAGE1で理論的完治、ところが どっかから縦隔に飛んできたがんは「腺がん」

つまり転移性腺がんなので「進行がん」

という結末。

事態は全然 別個のものとなった。

 

どっから飛んできたんだ??

8月、検索のため胃や大腸の内視鏡や腹部CTや甲状腺などを、退院後に調べた。

が、なにも見つからなかった。

 

10月、その後の、専門医療センターでの経過観察のCT検査では

「リンパ節腫大 再発の疑い」

このときの血液検査では

CEA(腺がんマーカー)1.6 (正常値5以下) と 腺がんはシロ。

SCC(扁平上皮がんマーカ-)  0.8(正常値2.3以下) と シロ。

シフラ(扁平上皮がんマーカー) 2.39(正常値2.8以下)と シロ。

シアリルLex(腺がんマーカー)20.8(正常値38以下) とシロ。

 

12月、専門医からは

「化学療法」の提案があった。

 

が、 ご本人も奥様も

認知症とがん

の闘いでホトホト疲れ果て、

「もういいです。」「このままで。

 

の決心。で2023年を迎えた。

 

2023年、専門医の経過観察採血にて

シフラのみが2.1→2.5→2.4。

異常値レベルではないものの、術直後 0.9程度に比べると、

気持ちわるい動き。

 

がんの化学療法の選択肢は無かったので、

4月、おぼえたての

「高濃度ビタミンC」を提案。

 

金銭的なこと、リスク、予想される効果などを説明。

私にとっても初めての治療であることも説明。

家族会議を経て

「やってみます」

 

手順にのっとり

G6PDという酵素を採血、高濃度ビタミンCが可能であることを確認。

初回12.5gのマイラン社ビタミンCを

次回25g  その次50gとUP.

50gでのビタミンC血中濃度が3007MCG/mlで、

がん細胞死滅を期待できる血中濃度が確保できた。

 

毎週一回。約90分。

マイヤーズカクテルと呼ばれる多剤のビタミン類などに混ざった

高濃度ビタミンC50g点滴に通ってくれた。

副作用はまったく無い。

むしろ、認知症の進行は緩徐化、毛髪も体重も増加。

体調がいいので散歩も増えた。

 

その結果、

シフラは、2023/7月  0.91、 10月 1.47

2024/4月   2.50、 今月 2.14と

安定。

 

ご本人の希望で、

毎週を隔週に減らして、

これから経過をみていくことにしている。

 

がんの治療は

毛が抜けて吐きまくって苦しんで逝く 昔の化学療法に比べると

遺伝子治療や分子標的薬などずいぶん進歩した。

 

が、

患者さんは癌だけで苦しんでいるのではない。

高齢化に伴なう多くの不調を抱えたうえで、

それでも、

「もし、さほどに苦痛がなく、もう少し生きられるなら、試してみたい」

 

高濃度ビタミンC点滴)

 

はそういう人には有効な気がする。

 

標準的がん治療にかかる莫大な医療費に比べれば、

廉価な治療法であるにもかかわらず、

自費負担であるためにあきらめざるをえない人も多かろう。

 

保険適応になれば

十分に国家医療予算の低減に貢献するはずである。

 

ちなみに)

 

もうひとりの胃癌末期で癌性胸膜炎の患者さんに行った高濃度C

は全く効果が無かった。

 

一年間で、

わずか二人の経験であるが、

進みすぎたステージには焼け石に水なのだろうと思う。

 

比較的進行度が低い状態で

早めに

行えば

期待できる治療法。

 

ただし)

自費診療ですので、

クリニックによって値段が異なります。

 

ネットでよく調べて

ぼったくられないようにお気をつけください。