文藝春秋の今月号
いろいろと 医療関係の 情報が多くて
まじめに読んでみた。
特に、
「認知症介護 6つのヒント」
ノンフィクション作家の奥野修司氏がかいておられる
内容を 現場医師として私なりに解説しようと思う。
6つのヒント
① 「優しく接して自尊心を傷つけない」
② 「介護する側も心と体に余裕を」
③ 「困ったフリをして頼ってみる」
④ 「安心できる居場所と役割をつくる」
⑤ 「体調管理で排便時間を一定に保つ」
⑥ 「同じ問に何十回でも答える」
ポーラのクリニックに通ってくる 寿町 の単身独居の
人達にも認知症は少なくない。
20年来その人達を診ていて一番感じるのは
薬(アリセプト)が治療の主役ではない。
経験的にこのタグイの薬剤が効いたという記憶はない。
DATA上は「進行防止に有効」らしいが・・・・
ほんとうにそうだろうか??
プラセボ効果として、
「大丈夫! お薬飲んでいるんだから」“
という
医師からの言葉による安心感
が肯定感→悪化防止につながっている
ことは ひょっとしてあるかもしれない。
私がポーラのクリニックで経験する 一番の特効薬は
単身独居者の患者さんの
〇簡易宿泊所の転居(安心できる 明るい 人付き合いのあるところ)
〇信頼できるケアマネの設置
〇親身に動く介護スタッフとの信頼関係
この三つで 劇的に改善がみられることが多い。
つまりは、
ここでいつも私がご案内する
“人生の最大重要三要素”
=居場所+生きがい+自己肯定感
が、満たされた時に認知症は進行が緩くなるか 改善するか
と期待できることになる。
決定的改善薬の出現は
内服としては まだない。
だから、認知症と言われた患者さんやそのご家族が
日常生活において留意されることは、
本人が
「自分がここに生きていてイイ
受けとめてくれる家族がいるから生きていたい
毎日たべられて排泄できている自分はシアワセ」
と感じられるよう
家族が
6つのヒントを参考に
伴走していく。
これに尽きます。