I J さん73歳

慢性心不全( 高血圧性心臓病)  陳旧性肺結核  気管支拡張 胸膜癒着 右慢性膿胸

大腸ポリープ  下壁心筋梗塞   両下肢静脈瘤  巨大前立腺肥大にて尿閉 出血性膀胱炎

 

がこの人の病名。

 

住まいは〇〇荘。

もはや 誰も住んでないと思える寿町の古い簡易宿泊所。

エレベータはない。

エアコンは設置されてるが、つかない。

 

廊下の天井に蛍光灯もない。

ここに住む理由は 本人

「人がいないから、静かでいい」

 

この人が徐々に状態が悪くなって、

心不全のために陰嚢が腫れ、

尿が出なくなってしまった。

 

半年ほど前にも

膿胸のために呼吸が苦しくなり、入院。

 

退院後、

「入院は二度としない」

理由は

「となりの患者がウザイ」

 

入院が必要な状態になったら?

「ぜったいにしない」

死にそうになったら?

「個室だったら考える」

個室は差額が高いよ・

「じゃムリだ。死んでもいい」

 

この人が その後も

外来に通ってくれてる。

が、状態悪化のため

初めて往診した。

(窓)

近年にみる

最悪環境。

よくここで生きてたものだ。

(部屋の隅。畳は見えない)

(この左下にボンボンベッドを置いて

 素っ裸で寝ている)

TVはあるが明かりは裸電球1個)

 

膀胱に留置カテを入れたが

血尿のために直ぐ閉塞してしまう。

バルンカテでは尿路確保不能。

導尿したら1000mlの排尿

とともに血圧低下!!!

ショック状態。

呼吸停止寸前に。

 

「いまだ!」

このタイミングで

救急車を呼んだ。

 

本日で入院5日目。

脱走する元気もなく

おとなしく入院しているらしい。

 

退院までに

環境整備が必要。

 

ケアマネさんが、

「両隣に住人のいないEVのあるドヤみつけました」

 

無事に退院後は

そこへ転居させて訪問診療の予定である。

 

コトブキには

この手の 

手のかかる人は

多い。