SAさん 享年76歳

 

が近くの病院から紹介されて来たのは

3年前の6月のこと。

 

2014 大腸癌手術

2018 十二指腸GIST(消化管間質腫瘍)の手術

2021 転移性肝臓GIST手術

 

2021に 再度肝臓GISTの摘出、4度目の

腹部手術をすすめられたが

「もういい」

と、断り緩和医療を求めて

ケアマネさんとポーラのクリニックへ。

 

穏やかな性格の患者さん。

 

訪問診療にて併存の糖尿病と足の重度皮膚炎の治療を開始、

初発したパーキンソン病の治療は

残された人生のQOLを豊かなものにするため

知人の神経内科医に訪問診療・薬の調整をお願いした。

 

食べたいものを節度にたべて、手術侵襲苦痛のない、

自由な簡易宿泊所生活が始まった。

 

ところが、

2022 コロナに。

間質性肺炎を併発し、イヤだった入院を余儀なくされた。

よほどイヤだったのだろう。

入院中せん妄状態になり 安定剤を飲まされた。

 

退院後はまたGISTとのおつきあい。

病院は

「経過をみますので半年ごと定期的にCTを」

と 放してくれない。

 

ドライな私としては

「OPEしないって決心してんだから、CTとっても意味ないじゃん」

と思い、

本人に

「まだ行くの?」て聞いたら

意外な答えが。

「どのくらいのスピードで悪くなるのか?知りたいから行く」

 

なるほどね。

 

そういう考え方の

緩和医療もあるんだ・・・。

 

1ヶ月前くらいに初めて

「もう病院はいかない」

「ここでみんなにみとってもらいたい」

 

そして、

体力が低下したための

初めての訪問入浴の

直前のお昼に息をひきとった。

 

枕元には

何通かの北海道の兄弟からの封書があった。

 

兄が迎えに来る

今朝ケアマネに連絡があった。

 

無縁仏にはならなかった。

 

とても緩やかな

ゆっくりとした

緩和看取りであった。

 

GISTという緩やかな悪性疾患

には緩やかな医療が大切だと

教えられた。

 

ご冥福をお祈りします。