天気に恵まれどこも混雑のGWは今日で最終日。

旗日の月曜は外来仕事。

本来の目的は

寿のおじさん達の皮膚処置や定期注射のために、

創立以来開けている。

ところが最近はその目的よりも、最近はむしろ休日の皮膚科救急として、一般患者さんの

初診が多い。

その初診の間に サボってたブログ。

 

この間3人の患者さんが鬼籍に。

GWは二人。

 

ひとりは、HYさん80歳男性 南区簡易宿泊所住人。

高度認知症と老衰。

昨年秋に転倒。

その際の緊急CTでは急性硬膜下血腫なし。

今年に入ってからさらに認知症は進行。

食べ方も減って。

訪問看護にて週1-2回点滴をしていたが、

拒否するようになり。

「NATURAL COURSEで」

に方針変換。

つまり 何もしない 治療法。

その治療法で5ヶ月が過ぎた。

徐々に食べ方が減って

いつ何があっても・・・

 

この状態であったが、

主治医の私は、

「一応慢性硬膜下血腫のありなしを」

と血迷って判断。

「万一血腫なら手術すれば一命をとりとめることが

できるかも・・・」

と思ってしまい、

近くの病院へCTを予約。

民間救急に往復運んでもらって検査した。

 

結果は「血腫なし」

治療方針はこれまでどうりの NATURAL。

無駄な検査となった。

 

簡易宿泊所に戻ったHYサンは嘔吐。

そして翌朝息をひきとった。

 

やらないほうが良かった。

「ごめんね。判断ミス」

とご遺体に謝罪。

 

もう一人は

昨日夕。

ITさん86歳。

寿のレトロな簡易宿泊所にて。

大腸癌肺転移。

大腸癌にはステントを留置。

肺転移は「治療希望なし」

 

方針は明確。

迷うことはない。

NATURAL COURSEによるお看取り。

 

元は親分サンだったらしい。

時に事情を知らない知り合いが訪室していたので、

親分サンが救急車に乗せられないよう

大きく貼り紙。

本人に見えないドアに

「末期がん みとり  有事の連絡先電話として私の携帯#」

を貼っておいた。

一週間前から麻薬を増量。

GW前にさらに増量。

痛みは強くはなかったが麻薬はふんだんに使った。

親分サンは外はGWの混雑喧噪の中

居室でヘルパー女性ひとりに看取られて逝った。

 

なにもしない治療

を貫徹するのは

時に迷う場合もあるが

癌の末期で本人の意志決定が堅固である場合は

まったく迷う必要がない。

伴走者としては ありがたい。

 

お二人のご冥福を祈ります。