っていうのは、

戦後のベビーブーマーとして生まれたいわゆる団塊の世代の人達が、

いよいよ終焉を迎える始まりの年

 

として以前からいわれつづけたきた問題。

 

“多死社会”問題ともいえる。

 

ここのブログに毎回紹介するように、

人間が死に至るプロセスは百人百色。

ではあるが、

必ず決まっているのは

「死」

というゴール。

 

そこに至るまでの過程として、

社会とのかかわりを失ったカタチの「死」

 

これを、私は「孤独死」

と定義し、

寿町にて孤独死を減らすことをライフワークに決めて、

20年前にこの仕事を始めた。

 

仲間を募り、同意者のスタッフ達を集め、NPO「さなぎ達」を運営、

当初はTVや新聞や雑誌などのマスコミの力を借りて

ようやく、当初めざしたかたちの

みまもり、みとりのチームが簡易宿泊所に暮らす人々の日々に寄り添い、

そして彼らの最期にかかわる、

ことがあたりまえのようにできるチームができあがった。

 

できあがってみると、

実はこれが2025年問題の解決策としての

SOLUTION MODELとなっていることを思い知るに至った。

 

今、

寿町よりもむしろ、

一般社会の方が

2025年問題の危機に直面しつつあることを

最近まざまざと見せつけられる。

 

家族みんなが働きに出てて、

あるいは

別に住んでいるために

独居状態になっている

老人。

持ち家やマンションがあり、

年金が中途半端に少なく、

生活保護の適用を受けられない。

 

このような人たちは今の日本にごまんといる。

そして、病気になる、入院する、時期が来ると退院となる。

 

そして帰り場所が無くなる。

 

一般的には特別養護老人ホーム(特養)や老健に入所。

となる流れがあるが、

 

特養は要介護3以上で無いと入れない。

要介護度を上げるためには区分変更申請が必要で、認定審査に1ヶ月かかる。

その間の居場所がない。

 

老健は、入居者の医療費薬剤費までもが介護保険の中での施設負担となるので、

高額な内服薬を飲んでいると、入所審査ではねられる。

脳梗塞予防薬やリウマチ薬や抗癌剤など高齢者が飲まなきゃならない薬には、

漢方薬も含めて高額なモノが多い。

そういう場合には、経営のため安い薬、少ない薬の老人が選ばれし民となる。

つまり、重症・高額老人は老健には入れない。

よしんば、入れても重要薬剤をカットされる可能性もある。

 

かくて、

特養や老健という、施設介護の王道は満杯。

岸田自民党の考えていることは、

「新たなハコモノを作ればカネがかかる」

「つくってもあと20年経てば2025年問題は片付いてしまってる」

「ここは10年間『異次元の検討をします』と言い続ければ、自然解決する」

である。

 

従って、在宅医療・看護・介護に優遇人参をぶら下げる。

 

そこでニッチ産業として出て来たのが

「お泊まり型デイサービス」

 

その特徴や機能に関しては、ご興味ある方はご自分で調べてください。

https://www.cocofump.co.jp/articles/kaigo/51/

 

最近、ポーラのクリニックの外来には

この「お泊まり型デイサービス」

から車いすにて、

「退院直後です」

と紹介状付きで運ばれてくるご老人が多い。

 

制度上、

往診/訪問診療/訪問看護は、

「自宅」

へ訪問することで成立するので、

「デイ・サービス」施設への「訪問」は

医療保険上成立しない。

つまり

その場に患者さんを見に行っても

無報酬

になる。

 

多疾患、重症疾患、 インスリン注射や高額薬剤など、

いわゆる“手のかかる”

事実上独居高齢者が

受け皿のない

ニッチ産業の

お泊まり型デイサービスに

収容されていくのである。

 

ここで、もし死亡患者が出たとしたら、

死亡確認に出向いて

診断書を書くことは

いったいどうなるんやろ??

 

タテマエ的には

デイサービス利用中の老人が、お泊まりに延長され、

自宅ではないそこで亡くなっちゃった。

ことになる。

 

こんないびつなプロセスで

多死社会を片付けよう

としているのが、

現状政府の高齢者対策である。

 

生活保護で

ことぶきのマンションのような個室で

われわれチームに訪問を受けて

きちんと看取られてていく。

 

これが、

合法的王道の

看取りである。