HTさん

は単身独居の寿町簡易宿泊所で二年前に脳出血。

急性期をのりこえて、リハビリ病院へ。

 

2022年7月の退院時にポーラのクリニックへ紹介されての外来受診。

要介護4にて車いすでの受診ではあったが、実際はトイレに歩ける位の回復を見せていた。

 

以後、順調であったが 昨年8月にコロナに感染。

これを契機に体力も気力も低下。

調子の良いときは外来受診、そうでないときは訪問診療の受診になった。

 

10月からは元々の陳旧性の肺結核の病変により、破壊された肺に細菌がはびこり、

抗生剤に反応して改善を繰り返した。

毎月同じ肺炎を反復するので、

結核の再燃を懸念し、喀痰検査をしたかったが、上手く喀出できない。

このため、仕方なく経鼻でのチューブを胃まで入れて胃液採取し、

活動性肺結核による排菌を否定した。

これをしないと、介護士や看護師が安心して支援に入れない旨説明したら、快く検査を受け入れてくれた。

結果は「結核菌陰性」

 

一同、ひとまず安心。

「これで強制的入院をさせなくても大丈夫」

の下、

訪問診療、訪問看護、介護のチームで新年を迎えた。

 

抗生剤の最終点滴は1月4日。

1月19日の訪問診察では、お粥も食べて安定していた。

が、 昨日の日曜日のこと。

朝の訪問ヘルパー訪室時はいつもどうりで、食事もとれてお話もできていた。

ところが、お昼の訪問時に心肺停止状態。

 

私の携帯に報告があったが、

至急を要する状態だったので、

救急車にて直近の救命センターへ。

そこのドクターから、事務的な口調で、

「かかりつけとのことで電話しました。」

「心肺蘇生は希望ですか?」

→「書面上の意志確認はしていませんが、希望しません」

 

これにて警察への案件となった。

 

人の一生はこのように、意外なように、シンプルにできている。

事務的といえば、事務的。

しかし、生きてる間はしっかりとチームで支える。

 

やるべきことやって、できることならピンピンころりにて死を恐れない。

今朝診療前に、担当のケアマネさんが昨日のお礼のご挨拶にみえた。

今年もたんたんとこのようなチーム医療で、また一年です。

 

HSさんのご冥福を祈ります。