Tさんのカンファレンスはご自身のお部屋にて行われた。
参加者は多数。
われわれクリニックから医師、ナース、事務職、ポーラの訪問看護師、介護のケアマネKさんとヘルパー責任者、デイケアの山〇さん、最後に問題の公務員K。
しきたり:カンファレンスまでの段取りは、ふつう言い出しっぺ が 仕切る。
今回はケアマネKさん。
彼女は長くTさんの今後についてずいぶんと心を砕いていた。
しつこいほどにこれまでポーラのクリニッククリニックや公務員Kに電話やFAXで連絡・報告をしていた。
今回、みなさんを集めた理由はこうだ。
「徘徊するし、状態は日替わりのように急に悪化するし・・。この環境では不安で見てられない」「役所のKは『急変したら救急車呼ぶしかないでしょ』と無責任」 とかで憤懣やるかたない様子。
カンファでは、 総勢9人が押し合いへし合い状態で玄関からベッドまでの狭い通路に立った。
「さてどうするんだろう・・・」 と 思う沈黙の時間の後、
やにわに口を開いたのが公務員K。
尿便失禁や脱水で死にかけた認知症の患者さんに向かって、
ご挨拶と的外れな説明が始まった。
「Tさん、はじめまして 役所のKです。「あのですね、今日皆さんがカンファレンスに集まってですね・・・」「家賃の上限があるんで、規則でね。ここから引っ越せないんです・・・」「方法は特養か老健に入るしか無くってですね・・・」「そのことを了解していただきたく・・・」
一同これを無言で聞いていたが、やば~い空気が流れてた。
続けるKを制するように、
山中が最初に切れた。
以下次号