こんなことがあったんだけど。 -10ページ目

「影踏み」

 

2019年11月公開

出演者  *   山崎まさよし、北村匠海、尾野真千子、滝藤賢一

監 督 * 篠原哲雄

 

 

 

この映画、タイトルが地味なのと出演俳優さんたちがベテラン揃いすぎてキラキラな青春を求めている私は完全にスルーしていた作品。

食わず嫌いでなんかごめんなさい。

 

今月からまたWOWOWに再加入したので映画観まくる予定。

その第一弾がこれでした。

きっかけは北村匠海くんです。

彼がボーカルを務めるDISH//というバンドが最近ようやくTV進出してきて見かける機会が多くなったのと、気が付けば結構な割合で俳優としての北村くんも見ていたと気づいたのでチョイスしてみた。

 

この映画の原作って、テレビドラマにもなったけど「64(ロクヨン)」とか御巣鷹山のJAL事故を扱った「クライマーズハイ」の作者横山秀夫さんだったらしい。

なら見ないというのはもったいない。64もクライマーズハイもものすごく面白かったから。

 

出演者の中で唯一キラキラ若者の北村君ですが、主演ではないのでどうせちょろっと出るくらいだろうと思っていたら、結構二番手くらいの感じで出ずっぱりの役でした。

刑期を終えてムショから出てきた山崎まさよしさんを出迎える若者役。

2人の関係性は全く分からないのだけど、とにかく山崎さんのいるところ北村君あり。

常に二人は一緒にいます。

特に違和感もなく話は進み、なぜ山崎さんが刑務所に入ったかという事件の回想とその事件の元になる真相を調べていくという話と、片方では山崎さんの長らくの恋人である尾野真千子さんとの話が並行で進みます。

尾野さんは幼稚園で務める先生で、そこに納品業者としている滝藤賢一さんが想いを寄せています。

滝藤さんにプロポーズをされるも尾野さんは山崎さんのことを忘れられず断ります。

 

**********以下、ネタバレ注意*****************

 

 

途中から「??」となりだすのは、尾野さんを好きだと言っていた滝藤さんが実は双子だということが判明してから。

なんかこんなおっさんで瓜二つの双子ってきついなー。なんて(ごめんなさい、ごめんなさい、本当にごめんなさい)

まあ双子でも年は取っていくものだから偏見すぎなんだけど。

一卵性双生児が年を取った時もこんなに見た目がそっくりなままなんだろうか?

幼いころに似ていても年月とともに生活が分かれてくるあたりから若干違ってくるのではないのかなー?と勝手な想像。

まあ、映画では同じ俳優さんが演じているわけだからそれは仕方ないんだけど。

 

そしてまさかの山崎さんまで一卵性双生児であることが判明。

はあ?

今までの映像で実は知らぬうちに双子の片割れのほう出てたのか!?と思っていたらそうではなく(いや実際には出てたんだけど、山崎さんが二役をやっていたわけではなくて)

 

その弟こそが北村君でした。

 

 

ええええええええ! 

 

北村君、一体何歳の役よ! いや、むしろ山崎さんが若い役なのか? 

と私の頭の中で瞬時にいろいろめぐったのですが、北村君役の弟がかなり昔20年くらい前に死んでいるということで納得。

いや、納得できない!

前に君の膵臓を食べたいの時も北村君が大きくなって小栗旬さんになるんだけど、いや違うでしょ。違います。全然違う!と言ったばかりじゃない。映画業界全然視聴者意見聞いてない。 

 

 

20年経って北村君は山崎さんになるの?

20年後を想像しなくても、山崎さんの20年前って北村君じゃなかったよね?

 

そこ、かなり無理じゃない?

お茶の間の視聴者は若手キラキラ俳優に敏感すぎる。そして手厳しいのだ。

 

話しを元に戻します。

滝藤さんも一卵性双生児、山崎さんも一卵性双生児。

同じ双子でもこの一卵性双生児というのは特別な存在なんだろうなあ。

そして、この2人がかかえる一卵性双生児ならではの葛藤。

 

滝藤さんは弟、山崎さんは兄として生まれ育つ。

お互い一卵性双生児という境遇は同じだけど立場は逆。

弟である滝藤さんは兄を羨みやがて恨みへと変わっていった人生を、山崎さんは自分の弟から羨まれ恨まれる対象となる人生を歩んできた。

 

滝藤さんが長年嘆き苦しんだ果てにでた言葉

滝藤「金、この家、初恋、幸せ・・・。   必死に手に入れようとしたもの全部。  自分と瓜二つのやつに目の前の物を全部奪われていく。」

 

それに対して、まるで自分の弟の言葉のように感じた山崎さんが

山崎「奪ったわけじゃない。欲しかったものが同じだっただけだ。  自分が双子の片割れじゃなくて、一人の人間として証明するためにあんたと闘ったんだ。  心のありようまで同じ人間がいることを呪ったよ。  いっそ消えてなくなれってな。俺がお前を殺したんだ」

 

あ~、こういうのって一卵性双生児でなくても兄弟だと少なからずあることだな~なんて思った。

でもそれが自分と全く同じ見た目の人間だったら。

なんとも言えない感情が湧き上がってくるのも想像できる。

 

この滝藤さんと山崎さんの掛け合いはやがて山崎さんと北村君になり、現実にもどって北村君は滝藤さんになります。

 

山崎「どっかであんたを理解している俺がきらいだった」

滝藤さんも山崎さんもお互いの兄弟に向かって今までためていた思いを吐き出す。この映像での表現がとても良かった。

 

この吐き出しで山崎さんは過去からの自分の呪縛から解放され、滝藤さんはますます沼にはまって自分を追い詰めていきと2人のその後は同じように苦しんだ一卵性双生児でも別々の方向に進んでいく。

というところでラストは締めくくられていました。

 

 

*********ネタバレ終了**********************

 

 

この話、横山秀夫さんの作品の中で映像化不可能と言われたものらしく、原作を読んでいないのですが本当にうまく表現されていた作品だなあと思いました。

タイトルだけで食わず嫌いしていた自分を叱りたい。

そして、本当にすごく良かったから珍しく録画を2回も見てしまった。

 

最後は、山崎さんと北村君が似ていない問題は気にならなくなっていました。