著:ブレイディ・みかこ
出版:みすず書房
この作品は、
2017年に新潮ドキュメント賞、2018年に大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を獲った作品だ。
この書籍は、ノンフィクションの作品である。
作者であるみかこさんが英国の低所得や生活保護者向けの託児所に勤めていたときの出来事が時系列とともに綴られている。
タイトルにもあるように階級、底辺託児所という場を通した人々の姿が書かれている。貧困層の視点からみた政治のあり方、その場に生きる人々の尊厳のあり方などを考えさせられる。
ここまで聞くと、なんてシリアスで重い内容かと思うがそんなことはない。
むしろ、とても明るい文体で読みやすい。みかこさんの強くて明るくポップな人柄を通してみた底辺託児所は、とても面白い。
子供から大人までなんとキャラクターの濃いこと…非常に人間味のある彼らがとても魅力的である。
多様性の幅が増えている今、社会に対して一つの考えに固執することなく器を広げていくことが大切なのではないか、と考えさせられた。そんな一冊。