押せおせブームな中学受験に、

警鐘を鳴らす図書がいくつか見られるようになりました。

 

 

まずこちら。

 

 

どれも参考になる本を出版されていらっしゃる矢野先生。

 

ジェントリーな矢野先生はあたり柔らかな表現ですが、

プロを蔑ろにする中受専門家気取りの保護者に苦言を呈する発言があちらこちら。

 

また、中受ブームの危険性も語られていて、

私のような浮かれた親には、とても良い戒めになる本でした。

 

もちろん、オススメ!

 

 

 

 

こちらは未読ですがこういった本が出ること自体、

小学校卒業後の進路は、

公立にするか中高一貫にするか考える家庭が増えたということですね。

 

 

 

 

 

最後にご紹介するこちらの本が一番オススメです。

中受家庭みんなに読んで欲しい!

 

タイトル通り、

10年前に中受された方へのインタビューで構成されています。

 

 

読めば読むほど、

 

「中学受験が合格不合格問わず、親の関わり方次第で不登校になるよ」

 

ってタイトルでも良かったのでは?!

と思わせられる内容でした。

 

 

教育ジャーナリストである著者のインタビュー経験や、

高卒認定会理事の方からの肌感覚では、

中受を経ているお子さん、難関私立中出身のお子さんが不登校生に多いとのことです。

 

(中受と不登校に明確な因果関係があるとは言い切れず、

統計データがあるわけでないので、あくまで感覚の話です。)

 

 

インタビューを読んでいて私が感じたことは、

「大人が思っているよりも子どもは自己表現が出来ない。」

ということでした。

 

 

こちらは不登校になった当時中1生。

 

「オレはずっと、英語なんてやりたくなかったんだ! ゲームだってやりたかったのに、ずっ とやらせてくれなかったじゃないか! ずっと我慢させられてたんだ! オレの時間を返 してくれ! 英語なんか大嫌いだ!」

 「あんたがオレの最大のストレスだから! しゃべるな! あんたが何を言おうと、オレ はもう動かない! 自分の意志でしか動かないから!」 

 

 

以下、10年前に中受した元不登校生。

 

「何かをやめたいと言うと、『じゃあ、その代わりに○○をやろうか』と言ってきて、何 もやらないという選択肢がないんです。 塾は野外体験もあって楽しかったんですけど、『簡単で楽勝』と言うと、『じゃあ、もっ と鍛えてもらえるように、中学受験コースに変えましょう』と、小4の冬から受験コース に変えさせられました。 本当は何もやりたくなくて、ただ遊んでいたかったのに、小さいときは自分の気持ちを うまく言えません。そういうのが積み重なって、学校へ行けなくなった一つの原因になっ たんだと思います」 

 

「母親が嫌いだったわけじゃないんです。ただ、小学生でいい中学に行きたいと本気で思っ て勉強している子はいないと思います。親に言われて受験をやったんだから、それで嫌なことがあったら親のせい、と思っていたのです」

 

 

 

大人になった今だからこそ、当時の感情を言葉に出来る。

 

では不登校当時は?

自分の気持ちを言葉に出来ない、親の気持ちを忖度して言えない、

親が子どもの気持ちを本気で受け止めてくれない、、、

 

不登校にも学校に馴染めない、朝起きられないと理由は様々ですが、

親子関係が原因の場合、不登校というアクションまで取らなければ親が子どもの気持ちを理解してくれなかったように思います。

 

 

不登校は子ども意思表明の最終手段。

 

そう考えると日々の小さな反抗(反抗期)は子どもにとって、

ちょうど良いガス抜きになっているのでしょう。

 

もし、溜め込んだものが爆発してしまったら、、、?

 

 

 

我が子に振り返ると、

「親に遠慮して本音が言えないのでは?」という不安が付き纏っています。

 

娘の家庭学習に1番苦慮しているのは、

本人の体力とマストな課題のバランスです。

 

「コレもアレも解かせたい、でもやり過ぎて本人を潰したら元も子もない。

ここまでは大丈夫か!?いや、やめとく?」

みたいな逡巡を日々繰り返しています。

 

 

娘にその辺り尋ねると、毎回、

「え?大丈夫だよ?」と返事をもらいますが、本当に〜?

これぐらい出来ちゃうワタシを気取ってない〜?と疑いの目。

 

ママだから遠慮してる?

ヨシ!パパの出番!2人きりで無理していないか訊いてみて!

 

結果、夫にも私に対してと同じような返事でした。

 

 

ここで、気がついた!

 

娘からの言葉に私が安心を得たいだけだ。

娘が本当に大丈夫なのかどうかは、

娘の声音、表情、動作、などなどから私が慮らなければダメだ!

 

と考えるようになった今日この頃です。

 

私の場合、過分にまるみ母なところがあるので、

思っているよりも娘はタフなのかもしれないですしね。

(まさかトップレベル講座に申し込むとは思いもしなかった。)

 

 

 

 

さて、本の話題に戻ります。

 

上述にある「朝起きられないから不登校になる。」については、

小児科医で眠活を推奨される三池先生による詳しい解説があります。

 

(三池先生は以前ご紹介したこちらの本でも参照されていました。)

 

 

 

 

三池先生のお話からは、、、

 

 

◯不登校は人間関係がもたらす心の問題だけではない。

慢性的な睡眠不足かもたらす睡眠障害より、ホルモンバランスの分泌がずれてしまい、朝起きられなくなって学校へ通えなくなる。

(つまり、深夜に及ぶ受験勉強は有益ではない。)

 

◯不登校生の脳の画像検査を行うと、明らかに脳代謝異常があり、脳の血流量も少ない。大幅に認知機能や記憶力が落ちている。(IQで言えば15〜20ぐらい下がる。)

 

◯睡眠不足は脳の海馬の成長も阻害する。

 

◯睡眠不足ゆえの睡眠障害が起こるかいなかは、乳幼児から分かる。

夜泣きが酷かった場合、睡眠障害の確率が高い。

 

◯乳幼児から良い睡眠が取れるかは、

胎児の頃に母親が規則正しい十分な睡眠や食事を取っていたかにかかっている。

 

(だいぶ割愛していますが、インタビューではもっと専門的なお話が伺えます!)


 

夜中まで勉強する中受生、

更に早朝に家を出ないと間に合わない私立中生。

 

どちらも睡眠不足になる危険性をはらんでいますね。

「朝早くて大変。」ぐらいにしか思っていなかった通学時間ですが、

もっと重要度を上げて考慮しなければと身につまされました。

 

 

 

最後に。

 

ジュクコ先生が仰られる、

「親に強制されて中受した子は伸びない。勉強しなくなることもある。」

ということの具体例をまざまざと教えて頂ける本でした。

 

中受なんて、ホント人生の通過点。

その後の子どもの人生、親子関係を踏み潰してまで手に入れるものではない。

 

 

佐藤ママの過去問20年やりました!といったような、

最難関に受かることを目指して親が子どものお尻を叩くことが絶対正義のような風潮はそろそろ収まればと切に願います。