過換気症候群:通常は何らかの精神的,肉体的ストレスを契機として激しい呼吸困難発作をきたし,患者は深く速く,努力性の呼吸運動を行う。
テタニー様手位:おもに四肢遠位筋に強い拘縮を起こして,手足の屈曲位を呈するのが特徴的である。過換気発作の場合にもみられる症状。
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最初は調子が良かったんだ。自分が生まれ変わった気がした。求めていた新鮮な空気をやっと吸えた気がした。
今や何処にでも飛んで行ける翼を得た気分だった。
生まれてこのかたずっと苛まれてきた恐怖は幻想。
そんなものに実体はなかった。すべてはマヤカシ。
『今までのは全部ウソでした‼』『ドッキリカメラでしたー‼ジャンジャン‼‼』なんて。
それはテレビの世界だから許されるんだよ。
『俺の人生って何だったんだろ?』
架空の物語を生身の体で生きてしまった。
みんなこの空虚の予感をうすうす気づいてるのかな。だから明確な結論なんて要らないと思うのかな。
俺はバカだからやっちまったんだよな、自分の空虚を自分で証明しちまった。
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明くる年の母の日の出来事。
久しぶりに会った友人と近況を語り合った。この友人も放蕩息子。
ほんとに久しぶりでこの十年まともに話ししたことがなかった。
ひとしきりエホバよもやま話に花を咲かせた。ドス黒い思いはビールの泡のように次から次へと弾け、苦味はいつまでもくちに残った。
「今日、母の日でしょ?結婚して今までは母の日祝いなんてやってたけど。もうこれからはしない!
母の日なんて祝ってもらえる資格なんてうちの母親にはないんだ‼こっちは誕生日だってクリスマスだってなかったじゃね~か⁉」僕はろれつの回らない舌でいきまいた。
千鳥足で家路につく。「ちょっと飲み過ぎた…」ようやく家にたどり着いた頃には充分気分が悪くなっていて、トイレにへばりついた。「ワダカマリも暗い思いも全部こうやって流れていけばいいのに…」
…しかしその日にかぎって吐いても吐いてもいっこうに気分が良くならない。「ヤケ酒飲み過ぎた…」
それどころか意識はさらに混沌とし、呼吸まで苦しくなってくるありさま。そのうち手が痺れてきた。
「なんかヤバイかも…」呼吸はさらに苦しくなり手が激しくつり、自由がきかなくなった。
言葉にならない声で妻に助けを求めた。
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生まれて初めての救急車。
過換気症候群…いわゆる過呼吸ってやつですね。
















僕は自分では鈍感なほうじゃないと思っているから。『最後の集会』に行くのだってかなり勇気が必要だった。
「もう離れて10年以上も経っているのに、今さら波風立てなくたっていいじゃないか!」なんて意見も聞こえてきたり。
『やってやる‼』と意気込んだ次の瞬間、気持ちが萎えて『どのツラさげてあそこに行くんだ?』『怖いよ』と弱気になったり…。
気持ちは行きつ戻りつし、時間が流れた。
それでもケリをつける勇気が出たのは、『責任』を自覚したからだろう。
『自分の家族、そして何より子供に闇を引き継がせたくない。闇を断ち切ることができるのは自分以外誰もいない』その思いだけで突き進んだ。
決戦の朝、「頑張ってきて‼」と見送ってくれた妻。
カーステレオでは繰り返しこの曲を聴いて気持ちを奮い立たせた。
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ヤミを食べて巨大化した カナシミを今ぶん殴れ
ウソで理論武装した明日に 唾を吐いて笑い飛ばそう
忘れてしまいたいことは ユメよりも多いけど
死んでしまった奴より 生きたいと願え

ぼくは今日 歌おうと思う
かれてしまっても叫びたいんだ
ベッドの中で 耳をふさいで 逃げてる場合じゃない
昔よりはちょっと マシなことも言えるかな…
これからの君とぼくの 歌になればいい

誰かが君を笑う声を 真空パックして忘れるな
優しかったあの彼女の笑顔 明日 とり戻せ
左と右の耳で 聞こえ方ちがうだろ?
ぼくらの真実なんて きっとそんなもんさ
明日 ぼくは歌うよ
ギターの弦がちぎれるまで
カーテンしめて じっと待ってても やり過ごせやしない
昔よりはちょっと マシな歌うたえるかな…
なにも決まっていない明日へ 右からHopStepDive

(HopStepDive/スガシカオ)
『最後の集会』のアレコレを書きとどめようと思っていたけれど(鍵を締め切った第二会場でのやり取りは面白かったので)ネット上での匿名性は無担保だし。書くのはやめにする。自分だけの話題じゃなくなるし。誰にどんな影響が及ぶかわからないし。
そんなわけで『彼等』にこの歌を贈ろう。


僕らが昔 ツバを吐いて嫌った いやらしい大人の匂い
このまえ君の 自慢のそのシャツから そんな匂いがしていたけど…
大人じゃないフリしているのは 都合がいいから?

いつの日からか 君は望んだんだろう “汚れてしまわないこと”
こびりついてしまう 汚らしいもの全部 ムリヤリ消毒してきたんだろう?
君がもし少年のままで 輝いていたいのなら

伝説の島に住む人魚の肉で のぞみどおりの永遠を手にしたらいい

君は僕をどんな風に思う? 許せないくらい醜いのかな…
僕は君のとぼけた夢なんか 聞きたいと思わないけれど…
僕はもう決めてしまったんだ 歩き続けていこうと

伝説の海に舞う 人魚の肉は ものすごいニオイで 僕なんかじゃ近づけないと思う

君がもし少年のままで 輝いていたいのなら

伝説の波の向こう 人魚の群れは 荒れ狂った海でまだ誰もたどり着けないらしい

深い霧と風の彼方闇を抜けて 伝説を永遠を手に入れたらいい

遠い海の 虹の彼方 はるか遠く

(マーメイド/スガシカオ)