「80's Rider」へようこそ!

 

前記事でレジの話を書いたのでもう一つ。

 

とある深夜営業を行っているスーパーマーケット。

 

夜中の2時ともなれば終電帰りの買い物客もひと段落し、深夜らしい静寂がぶり返す。

 

たった一台だけ稼働している有人レジに並ぶと、ちょうど先客のレジ打ちが終わろうとしていた。

 

「988円で御座います。」

おじいさんはプルプル震える手で財布を探し始めた。

明らかに財布を探している。

 

おいおい、レジ打ってる最中に財布くらい準備しておけねぇのかよ、ボケ。

要領の悪いジジィだなぁ。

そう思って聞こえないように小さく舌打ちした。

 

ようやく財布を見つけ、パチンとがま口を開いたかと思うと、100円、200円・・・一枚ずつ硬貨を声に出して置き始めた。

300円、400円、500円・・・。

 

店員さんは申し訳なさそうにこちらを気遣いながら小さく頭を下げた。

でも、店員さんが頭を下げる理由など、何処にも無い。

 

960円、970円、そろそろ終わりだねぇ、そう思った時、おじいさんの声が止まった。

「あ、足らないや」

 

え?

おじいさんは何事も無かったかのように硬貨をゆっくりとしまい、そして小さく折りたたんだ1000円札を出した。何事も無かったかのように・・・。

 

店員さんと僕は互いに肩を揺らせて苦笑い(爆)アハハハ。

不思議な親近感と同時に、笑いがこみあげてきてしまった。

まぁ、お年寄りだからあるよねぇ、こういう事。(笑)

 

おじいさんはもういなくなったので、店員さんに小さく話かける。

「まさか970円まで出しといて、足りません、は無いよねぇ。」

 

「結構よくあるんですよ、ああいうのwwwホント、すみません」

 

「いえいえ、こんな時間ですし、急いでませんから。」

そう言って店を後にした。

 

でも、よくよく考えて見ると、少し先の自分もああなっているかもしれない。

988円の買い物で1000円出すか、硬貨を数えて出すか、そんな判断さえもまともにできないようになってしまうんだな、と思ったら何だか憂鬱な気持ちになってしまった。

 

お年寄りには親切にしてあげなきゃな。