旅の記憶から。



先日、ある観光地の道はずれにある、廃墟!に紛れ込んでしまった。

そこから雪崩のように様々な出来事が偶発したので、記しておく。

旅の仕事の帰り道、ある町へ立ち寄った際、いつもの様に道を誤って、それこそ、つげ義晴さんの漫画に出てきそうな、しなびた、というか、廃墟!の町並みを歩くこととなった。

見知らぬ町の廃墟!、探検!をしているようで、私の心の99パーセントを占める幼心🤍が100%に戻り!心躍らせ、もうちょこっと、さらにもう少し!廃れている道へ裏道へおっかなびっくり入ってみた。
もの哀しすきる風景に、いや、ここは危険だよ!少年の私の足が竦んだ。もう帰ろうよ!と伝えたが、
うるせえ!てめーろくなもんにならねえぞ!!少女の私が制し、つきすすんだ。


分け入っても分け入っても廃墟!!


なかなかの勇ましい足つきであったが、

放っておかれたままの おいなりさまに遭遇した時は、速攻に撤退を図った。一目散に逃げた。

たすかった!?とほっとしたのもつかの間、
落語界だけでなく、全方面に於いて右も左もわからぬ私である。👧
おお、わたくしの方位磁石(生き物の本能としての🧭)はここでも作用せず、、夜もまた、宿から町の中心地へご飯を食べに行こうとして、再度道を誤り、廃墟が連なる通りへと出てしまう。。👠
まるで導かれたかのように。🏰

と、昔々、落語会を開いていた廃墟!にも遭遇した。これはおもろい!ので、仲間に見せようと写真を撮りまくった。
破れ果て、色褪せたポスター。。

(あと、ベルサイユのばら、という看板の掛かった廃墟もあって写真を撮ってしまった。
これは宝塚✨とかではない!というのは、一瞬でわかった。宝塚記念🐎を宝塚歌劇の番組🎠だと間違えて録画したことはあるが、今回は明らかに違った。違いすぎておもろいので、写真を撮って、周りに一通りラインした後、すぐに私の携帯からは消去した。)
宿へ戻って調べたら、ベルサイユのばらの辺りは、昔、色町だったようである。
ユーチューブにも上がっており、廃墟を巡る番組を続けざまにみてしまう。。心なしか、まわりの空気が体がひんやりとする。

落語の会場だった廃墟等は、たくさん写真をとったはずなのに、全体に斜線がはいった様に写っていた、殆ど撮れていなかった。
そして、夜、超小心者の私は、だんだんこわくなって眠れなくなった、、誰のせいでこうなった。
むむ朝日がまぶしい。

朝、目的地の美術館へ向かう途中、また、別の廃墟が並んでいる道を通ってしまう!が、そちらには目もくれず、いや、見ないようにして歩を進めた。
 乙女なので、竹久夢二にまつわる美術館へまいりました。(昔からデザイン画が好き。)
はじめて見る作品にも出会えてうれしかった。

(しかし、何故でしょう。。!夢二目的の旅を思い出すと🌼🌿今も瞼にのこるのは、廃墟ばかりなり。。)

記念館の隣のカフェは閉鎖されていて、
隣接するおうどん屋さんへ入る。そこで、昼食をとり、長距離バスの到着時間まで時間をやり過ごすことにした。
🌙
店内に〝 宵待草〟の歌が流れている。
この歌は、小中学生の頃か、宝塚のレビューで羽根知里さんが歌っていたのが素敵で覚えた、勿論歌のレッスンでもお稽古した♪
と、又、宵待草の歌が流れる。
夢二と交流のあった、淡谷のり子さんの音源でも聴いてみたいな♪
と思ったら、また、宵待草が流れる。。
夢二作詞の名曲は他に沢山あるのになあ、、
かなしい予感的中、また🎼流れる。流れる。
消えたと思ったら、また、生き返って流れる宵待草。
もはや、この歌からは、儚い女性でなく、凄まじい生命力の女性を感じる。
あたし、この女性に食べられてしまうのではないか。。!!
💥

歌は続くよ、どこまでも。
呆然と画集をひらき、うどんをすする。
🍜
生気を奪われてしまった私の 心もとない、とろい食べっぷり に合わせる様なリズムで、宵待草が、ゆるりと流れていく。。

永久に。。 

🎼
1分にも満たない、何十秒かで終わる歌。
〝 マーテードクーラセード、コーヌヒートヲ、、 〟
だんだん恨み節にも聴こえてくるからふしぎである。
そういえば、夢二は今の言葉を用いるならばdv男性で、妻たまきと東郷青児の仲を疑い、たまきの腕を刺した、そんなことを思い出す。📘
 
名曲すぎる名曲だが、つづけて聴くと、くらくらと眩暈をおぼえた。
太陽が眩しい!?
道だけでなく人生も誤りそうで、(もう充分誤ってるって? 🥊  )外へと逃げた。( 注  ちゃんとおうどん代は払った! 偉い💪)

📕「宵待草さつじんじけん」。
ミステリー作家だったら、さささと執筆し、
令和の名作、ベストセラー(角川文庫)を世に送り出せちゃうような出来事であった。
むろん私は、らくご家二つ目なので、そんなアイデアは一切浮かばないし、友達に面白おかしく話す自信もない。

そんなこんなで、東京へ戻るのに、
又なにか奇怪な事が起きたと思うだろうが、なんと!何事もなかった!何事もなく物事がスムーズに進むと!あれっ!?と違和感を感じるくらい色々なことが過去に起こった気がするが、それが何だったのかは勿論忘れた。
問題は東京へ戻ってから、自宅へ帰るまでの道中であった。

 🎼 つづく。→