今日も個別相談でした。
50代、60代で何をやっても痩せない人の共通点があるなー。
それは隠れた怒り。通称イライラとも言う。
中川調べですけれど。
「どうして、みんなきちんとできないの?」
「私ばかり頑張っている」
「夫も職場の人も、もっとちゃんとしてほしい」
そんなイライラを抱えていませんか?
今回ご紹介するのは、50代女性の事例です。
※年齢・職業・家族構成・状況などを変更しています。
この方は、とても責任感が強く、仕事にも一生懸命。
ところが、周囲の人がルールを守らなかったり、
思うように動いてくれなかったりすると、ものすごく腹が立つそうです。
家に帰ってもイライラが収まらず、
「今日も大変だったから」
と、お酒を飲む。
お酒を飲むと気持ちが緩み、食欲も大きくなります。
本当は痩せたいのに、食べることも飲むことも止められない。
翌朝、体重を見て後悔し、
「またダイエットできなかった」
と自分を責めてしまいます。
では、なぜこの状態が繰り返されるのでしょうか?
問題は、食べることだけではありません
この方は、
「周りにできない人が多いから、私はイライラさせられる」
と思っていました。
もちろん、実際に約束やルールを守らない人もいるでしょう。
相手に改善してもらう必要がある問題まで、「全部あなたの受け取り方です」と片づけるつもりはありません。
ただ、ここで大切なのは、
なぜ、その人の行動が、これほどまでに許せないのか?
ということです。
同じ出来事が起きても、
「困ったな。どう伝えようか」
と考えられる人もいれば、一日中思い出して怒り続ける人もいます。
その反応の違いに、潜在意識を読み解くヒントがあります。
「中途半端ではいけない」という心のルール
この方の心の中には、
「きちんとしなければならない」
「失敗してはいけない」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「休んだり、怠けたりしてはいけない」
という、とても厳しいルールがありました。
そのため、自分が少し休んだだけでも罪悪感を覚えます。
まだできることがあるのに休んでいると、
「私は怠けている」
と自分を責めます。
そんな人の目の前に、のんびりしている人や、ルールを守らない人が現れたらどうでしょう。
「私はこんなに我慢して頑張っているのに、どうしてあなたは許されるの?」
と腹が立つのは、ある意味当然なのです。
相手の中途半端さが許せないのは、自分自身に「中途半端でいること」を許していないからかもしれません。
これは、ずっと重い荷物を持って歩いてきた人が、手ぶらで歩いている人を見て、
「どうしてあなただけ楽をしているの?」
と怒っているようなものです。
本当に下ろしたいのは、相手の荷物ではありません。
自分が握りしめている、重い荷物なのです。
そして、その荷物は下ろしたければ下ろしていいのです。
自分の怒りが、外側から返ってくるプロセス
心理学では、自分の内側にある思考や感情が、周囲の人や出来事に映し出されることを「投影」といいます。
「人を思いどおりに動かしたい」
「私のやり方に従ってほしい」
「私はこんなに頑張っているのだから、もっと大切にしてほしい」
その要求がかなわないと、怒りが生まれます。
しかし、自分の怒りや支配したい気持ちには気づかず、
「相手が私を怒らせる」
「周りが私にストレスを与えてくる」
と感じます。
自分の内側にある攻撃性が見えず、外側から攻撃されているように感じる。
これが「知覚の反転」です。
これは「相手は悪くない」「全部あなたのせい」という意味ではありません。
相手に問題があったとしても、
そこに自分の厳しいルールや怒りが重なることで、
苦しみが何倍にも大きくなるということです。
なぜ、お酒や食べ物がやめられないの?
自分を一日中厳しく管理し、周囲にも気を張っていると、心と脳は休めません。
そこで夜になると、お酒や食べ物を使って、張りつめた心を緩めたくなります。
食べることは、この方にとって、
「誰にも指図されず、好きなものを選べる時間」
でもありました。
そのため、ダイエットで食事を制限されると、
「これ以上、私から自由を奪わないで!」
と潜在意識(チャイルド)が反発します。
意志が弱いから食べてしまうのではありません。
昼間に自分を縛りすぎているから、夜になると心が自由を取り戻そうとしているのかもしれないのです。
アクセルを踏み続けた車は、どこかで急ブレーキをかけます。
必要なのは、さらに厳しい食事制限ではなく、昼間から少しずつアクセルを緩めることです。
現実と食欲を変える3つの質問
イライラして食べたくなったときは、すぐに自分を責めず、次の3つを問いかけてみてください。
1.相手の何が、これほど許せないの?
「時間を守らない」
「責任を果たさない」
「努力しない」
何に反応しているのかを、具体的にします。
2.もし私が同じことをしたら、自分に何と言う?
「だらしない」
「価値がない」
「もっと頑張りなさい」
ここに、自分を苦しめている心のルールが隠れています。
3.私は本当は、どうしてほしかったの?
「手伝ってほしかった」
「頑張りを認めてほしかった」
「少し休ませてほしかった」
「大切に扱ってほしかった」
本当の望みが分かったら、怒りや不調で相手を動かそうとするのではなく、適切な言葉で伝えることができます。
そして、人に期待することなく、自分で自分に休息や承認を与えることもできます。
完璧を捨てる必要はありません
完璧を求める力は、決して悪いものではありません。
責任を持って仕事をし、よりよいものを生み出せる素晴らしい力です。
ただ、その力を常に自分や周囲へ向けていると、鋭い刃物のように、自分まで傷つけてしまいます。
完璧さを捨てるのではなく、必要な場所で使える力に変えていく。
「ちゃんとしなければ愛されない」から、
「完璧でない私にも価値がある」へ。
「周りが変わらなければ幸せになれない」他者基準から、
「私は自分の選択と行動で、心地よい現実をつくれる」自分基準へ。
この心の前提が変わると、同じ相手が急に別人にならなくても、必要以上にイライラしなくなります。
抱え込まずに頼む。
冷静に伝える。
できないことは断る。
必要なら距離を取る。
自分の反応が変わると、選ぶ行動が変わります。
行動が変わるから、人間関係も食べ方も、少しずつ変わっていくのです。
ダイエットで本当に変えるものは、食事の量だけではありません。
「なぜ私は、こんなに頑張り続けているのだろう?」
「なぜ私は、食べることでしか自由になれないのだろう?」
その答えに気づいたとき、食べることと戦わなくても、体は変わり始めます。
もう、自分を厳しく追い立てなくても大丈夫。
自分を大切にする新しい方法を、今から覚えていけばよいのです。
周りの人に問題があることと、自分の人生に責任を持つことは、別の話です。
相手が悪いと証明しても、あなたの苦しさや体重が変わるとは限りません。
大切なのは、「誰のせいか」を決めることではなく、「私はここから何を変えられるか」を考えることです。
自分の反応、食べ方、伝え方、距離の取り方は、自分で選び直せます。
責任を持つとは、自分を責めることではありません。
自分の人生を変える力を、相手から自分へ取り戻すことです。
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