BABYMETALの東京ドーム公演が9/19(月・祝),9/20(火)の2日間行われます。もともと9/19だけでしたが「相当数の応募があり、急遽(9/20に)追加公演を実施することとなった」と、株主総会でも説明がありました。http://ameblo.jp/2sc372/entry-12176825773.html
一般的に、ドームのコンサートは費用が嵩み利益が出づらいと言われていますが、追加公演の9/20は火曜日(平日)。BABYMETALの知名度を考えるとかなり強気に思えます。「初めてのドーム公演で、無理に2daysにしなくてもいいのでは?」とか「平日にドームで追加公演なんて意味不明。」というような声も聞かれます。アミューズの株価もパッとしないし、あれこれ気を揉んでいる投資家も少なからずいるのかもしれませんw。
東京ドーム公演のチケットについては、The One(ファンクラブ)メンバー限定シートの抽選販売を皮切りに、抽選プリセール(先行販売)が何度か繰り返され、現在は先着順プリセールが始まっています。
ネットの投稿とかを見ていると、現在先着順で購入できることを以って「BABYMETALのチケットが売れ残っている」と揶揄する連中や、チケットが完売するかどうか不安で仕方がないファンもいるようです。芸能界通?の人たちは、チケットがすぐに完売しないとダメ、と条件反射的に考えてしまうみたいですねw。
これは何だか変な話です。
一般的に「商品が販売開始後すぐに完売する」というのは、需要予測の失敗を意味します。つまり、もっとたくさん販売できた可能性があったのに、ニーズを見誤って商品が供給できなかった状況です。商品の販売なら、十分に売れて少し在庫が残るぐらい、という状況が理想的。チケット販売やホテルの宿泊なら、直前まで空きがあり、最後の最後で完売するというのが理想です。
BABYMETALのコンサートで「グッズがすぐに売り切れるのは問題」と怒っている人が、「チケットが早く完売しないのは問題」と騒いでいたりするのは、何だか可笑しいですねw。
一昔前の音楽業界は、CD(もっと昔はレコード)をどれだけ売るかが勝負でした。そんな中、「ライブチケットが即完売」としてミュージシャンに箔をつけ(というか話題作りをして)、テレビとかメディアに取り上げてもらいCDセールスにつなげる、というようなプロモーションがあったように思います。
ライブの売上を多少犠牲にしても。即完売という話題作りをしてCDセールスにつなげたほうが儲かった時代。このころの力関係は、ライブの興行主やミュージシャンの所属事務所より、レコード会社の方がはるかに上。ライブの動員数も今より全然少なかったから、チケットの売れゆきが良くても意図的に小さめのハコでライブをやる、なんてこともあったでしょう。
このような背景から「チケット完売」という状況が、やたら重要視(神聖視?w)されるようになったのではないでしょうか。加えて大相撲等、動員数が増やせない会場の興行で「満員御礼」を出す文化があることも、こういった「完売しないとダメ」みたいな考え方に影響しているのかもしれません。
ところで、日本レコード協会による白書「日本のレコード産業2016」によれば、2015年の音楽ソフトと有料音楽配信の売上は3015億円。ピークの2007年は4666億円でしたから10年足らずで、3割近く縮小しています。
一方、コンサートプロモーターズ協会によれば、2015年のライブ・コンサート売上(会員のみ)は3186億円と、音楽ソフトと有料音楽配信を逆転しています。2007年は1040億円でしたから、こちらは10年足らずで3倍に急成長しています。
更にコンサート会場でのグッズ販売や会員以外の主催するコンサートを合算すれば、音楽ソフトと有料音楽配信をはるかに凌ぐ大きなマーケットに急成長しています。(急成長するライブ・コンサート市場で、アミューズがリーディングカンパニーであることが、自分が投資している大きな理由のひとつです)
今となっては、チケット完売で話題作りをしてCDをたくさん売るというビジネスモデルは、一部のアイドルとかを除けば、とっくの昔に成り立たなくなっているということです。
つまり現在は、十分な利益が見込めるのであれば、必ずしもチケットを完売しなければいけないわけではない、ということです。
さて、BABYMETALです。
BABYMETALのライブの場合、チケット以外のグッズ売上が非常に大きいという特徴があります。先のロンドン、ウェンブリー・アリーナでのライブでは、日本人参加は数%程度だったにもかかわらず、ウェンブリー・アリーナのグッズ売上額の記録(単日のライブでの売上)を塗り替えた、という情報もありました。もともとメタルには、Tシャツなどのグッズを集めたりお気に入りのTシャツでライブに行く文化があるし、BABYMETALのファンには中高年層も多く金銭的に余裕があることも、Tシャツをはじめとするグッズ売上が大きくなる一因でしょう。
このように考えると今回、東京ドーム2daysとしたのは十分なグッズ売上が見込めることで、例え9/20のチケットが多少余っても十分にペイすると、アミューズは判断したということではないでしょうか? ちなみに今回のドーム公演のThe One会員向けの数種類のTシャツは既にネットで予約販売済み。今回の東京ドームではグッズ販売も効率的に行われていますw。会場でのグッズ販売も、ちょっと前と比べると大幅に改善されています。
ちなみに、アミューズ全体の「ファンクラブ商品売上(ファンクラブ会員収入とアスマート等やライブ会場でのグッズ販売収入の合計)」は154億円(前期比+33.5%)と非常に大きいものです。チケット販売等のイベント収入が193億円ですから、ファンクラブ商品売上はイベント収入に迫る金額で、アミューズ全体の売上の約3割を占めています。
アミューズが、採算割れのリスクが高いのに2daysにしたとは思えないし、増してBABYMETALに箔をつけるためだけに採算度外視で2daysにしたというのも、上述したように考えづらいです。(東京ドームなら休日に満員札止めの公演を1日やるだけでも十分に箔はつきますからw。)
9/20の会場に空席が目立つのを心配する向きもあるけど、仮に9/20のチケットが十分に捌けなかったとしても、BABYMETALのコンサートが見てみたい人は業界関係者に限らず五万といるから、アミューズが会場を埋めようと思えばいくらでも埋められるでしょう(つまり、アミューズが実際にやるかどうかはともかく、やろうと思えば満員御礼状態にするのはそんなに難しいことじゃないのでは、ということですw。そもそも、チケットが完売したかどうかなんて誰にも分からないわけだし、アミューズが「完売」といえば「完売」ですからww)。
チケットが完売となったかどうかなんてことより、クオリティの高いコンサートをできるだけ新規のファンも楽しめるようにして、ファンベースを広げていくことのほうが重要だと考えます。無論、空席だらけは問題だし収益があがることが前提ですがw。
BABYMETALは東京ドーム2daysを控えているにも関わらず、これまでメディア露出は控えめだった印象。国内4大フェス参加で新規のファンは増えたはずだけど、新規ファンに東京ドームに来てもらうためにも、これからメディア露出が増えてくるのかもしれませんね。
さて、どうなることやら。
以上、自分の見解ですので外れても悪しからずw。