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投資は自己責任で

〜 中長期保有前提で成長株中心の”ゆるい投資”を行っています。
  目先の株価を予測したり占ったりすることには、興味がありません。

マネーフォワード社のクラウド型請求書管理ソフト『MFクラウド請求書』とクラウド型会計ソフト『MFクラウド会計・確定申告』の両方を利用する法人・個人事業者向けに、レンディングサービス(短期資金を融資する事業)を、2016年11月より開始するという発表がありました。

■マネーフォワードと提携し、請求書・会計データを用いた与信モデルでの中小企業向けレンディングを提供
~マネーフォワードの請求書・会計ソフトを利用する企業・個人事業者向けに展開~ (GMO-PGの発表)
■資金調達サービス『MFクラウドファイナンス』第一弾 ~マネーフォワードとGMOペイメントゲートウェイ・GMOイプシロンが提携~ (マネーフォワードの発表)

■請求書データを基に融資、GMOペイメントゲートウェイとマネーフォワード(ITProの記事)

マネーフォワードの財務会計ソフトを使うのは主に中小企業とか個人事業主なので、GMO-PGの連結子会社で中小企業向けのビジネスを展開するGMOイプシロン(GMO-EP)がこのビジネスの中心となる模様です。

このビジネスでは請求書と会計のデータを軸に与信を行い、金額や利率などの条件を決めて融資を行うとのことですが、すでにGMO-PGとGMO-EPは、自社の決済処理サービスの顧客(事業者)に対して、クレジットカードの利用状況で与信を行い、融資条件を決めるトランザクションレンディングを開始しています。
今回の「与信モデルでの中小企業向けレンディング」はこの応用。与信管理に利用可能な、信頼できるデータがあればいいわけですから、クレジットカードデータじゃなくても可能、ということですね。

また今回の事業は、GMO-PG及びGMO-EPの決済処理サービスの顧客でなくても利用可能です。これは、GMO-PG及びGMO-EPにとってはレンディングビジネスの裾野を既存顧客以外にも広げることができる点がメリット。

マネーフォワードの「MFクラウド請求書」でクレジットカード入金を利用している事業者は、代金を早めに入金してもらえる早期入金サービスが利用できますが、実はこのサービスはGMO-PGが手がけています。
□マネーフォワードのクレジットカード決済
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12079586813.html

■マネーフォワード、企業間決済に参入 請求書にカード払い機能(日本経済新聞 2015/9/30)
このことはマネーフォワードでクレジットカード入金を利用する事業者はすでに、GMO-PGの顧客であるということを意味します。
こうしたクレジットカード入金利用者については、クレジットカード利用状況+請求書及び会計データで与信管理ができるわけですから、より精度の高い与信管理が可能。顧客サイドからは見るとより有利な条件の資金融通が可能となるということです。クレジットカード入金利用者(GMO-PGからみればBtoB市場)の拡大にもつながりそうですね。

GMO-PGは以前から「トランザクションレンディングは早期入金サービスの延長線上にある」というような説明をしています。こうしたレンディングサービスがマネーフォワードで利用できるようになることは、理にかなっていますね。
ひふみ投信の9月6日発行の2016年8月月次運用報告では、8月末のGMO-PGの組入比率が2.02%(*)。純資産総額1187.98億円と月末株価4,770円から計算すると、ひふみ投信(マザーファンド)は8月末現在、GMO-PG株を約50.3万株を保有、7月末から+11.3万株と、大きく買い増しています。

最近のひふみ投信の保有数、株価の推移は以下のとおり。
年月______月末株価_______月末保有株数______________組入比率
15年04月__3,105円___________37.0万株___________________2.43%
15年07月__4,065円( +960円)__35.4万株(△1.6万株)____2.03%
16年02月__6,360円( +160円)__34.5万株(+2.1万株)___2.25%
16年03月__7,620円(+1260円)__26.1万株以下
16年04月__7,050円(▲470円)__27.9万株以下
16年05月__6,950円(▲100円)__28.1万株以下
16年06月__5,800円(▲1150円)_35.1万株_______________1.8%
16年07月__5,900円( +100円)__38.1万株(+3.0万株)____1.88%
16年08月__4,770円(▲1130円)_50.3万株(+12.2万株)___2.02%
※3~5月の月末保有数は運用報告書の純資産額、GMO-PGの月末株価、10位銘柄の保有比率を利用して推計。
(*)運用報告書は小数点以下1桁の表示で「2.0%」ですが、動画の運用報告では2.02%となっていたので、こちらを採用。7月末も1.9%ではなく1.88%だったことが判明したので修正。

ひふみ投信のGMO-PG株の保有状況の推移(最新版)は以下。

8月はGMO-PG株は終値ベースで▲1130円と大きく下げました。他の中小型成長株でも同様に大きく下げたところもあり、(中東系?)大型ファンドの解消に伴う処分の影響、高PER株が買われていた状況のリターンリバーサル等、いろんな説が囁かれています。

そんな中、ひふみ投信は11.3万株を買い増し。ちなみに50.3万株の保有は過去最大です。6月から買い始めていますが、下げ相場の中、ひふみ投信は一貫して買い向かっていたみたいです。(ファンド自体が大きくなっているので、保有比率的には過去最高ではありません。)

GMO-PGは4/11の高値8060円から40%以上も下落しました。業績等に何か問題が生じたわけでもなく絶好調、成長率は加速してきていますから、成長株投資に重きを置いているひふみ投信が、こうした株を買い向かうのは不思議ではありません。

ただ以前にも書いたとおり、ひふみ投信は追加型投信であり、常に成果を求めらます。動画の報告でも「今後、成長株よりバリュー株のパフォーマンスが上回る状況になりそうであれば、バリュー株の比率を高める」といったような説明もありました。
「一時的な需給悪化に起因する下落で長期的にみれば上昇する可能性が高い」と考えていても、調整が長引けばいったん外さざるを得なくなるのは、追加型投信の宿命で苦しいところ。
ひふみ投信は取得したばかりの株を早々に売ることはなさそうですが、今回はどうなるんでしょう。我慢比べ、といったところでしょうかw。

GMO-PGはフィンテックで囃されて買われた面があり、需給悪化とフィンテック関連銘柄全般の調整が重なり大きく下げましたが、そもそも年率25%の成長企業。継続的に安定した利益を出していて利益率も高く、他の新興フィンテック関連企業とは一線を画します。また、GMO-PGの手がけているフィンテックはすでに収益が出始める段階です。
フィンテックは大きなトレンドであり、まだまだこれから。その関連株は全面的な調整から峻別される段階に移っていくはずで、その過程でGMO-PGが改めて注目されてくると考えます。


感覚的にみても「買われ過ぎた反動にせよ、この下げはいくらなんでも売られ過ぎ」というところまで株価は下げていますしね。
最近は、個人投資家の売買代金の半数以上が信用取引だそうです。
信用売買を行う人は、行わない人に比べると売買回数が多いですから、個人投資家の全数に占める信用取引を行っている人数の割合はもっと少ないはずですが、それにしても多いですね。
自分は現物取引のみで中小型株、成長株を中心に投資を行っていますが、最近、自分の投資しているような株でも信用売買をする個人が増えているように感じます。

中小型株、特に出来高の多くない株は、値動きが激しく値が飛びやすいので、初心者の人ほど、簡単に大きく儲けられそうだと考えて売買をしたがります。投資経験の長い人は、こうした株での信用取引(特に空売り)は非常にリスクが高いことを知っているので、まず、やりたがりません。
掲示板で売り煽りをしている人の投稿内容を見ると、用語の使い方等から判断するに初心者っぽい感じの人がほとんどw。

証券会社と投資家の距離が近かった時代(インターネット取引以前)なら、投資家がこういった株で信用取引をやりたいと言っても、営業マンが引き止めていたんでしょうけど、今は止める人が誰もいないで信用取引をやっている人がほとんどだから、傍から見ていてかなり怖い状況ですね。

証券会社のホームページをみると一応、初心者向けに信用取引のリスクについては解説されています。ただ中小型株、特に出来高の少ない株で信用取引を行うリスクについて書かれているのは、ほとんど見たことがありません。
出来高の少ない株はいったん動意づくと、場合によってはストップ高が続いて買い戻せなくなり、損失が青天井になる、ということを理解せずに、空売りをしている人たちが多そうです。
出来高が多い株なら反対売買も活発なので、せいぜい1日のストップ高で済みますが、出来高が少ない株が仕掛け的な買いに巻き込まれると、ストップ高が1日で終わらず、まったく買い戻すことができなくなり、とんでもないことになります。
これは出来高の少ない株だけではなく、小型の成長株でも起こりうることです。小型の成長株は、上にも下にも大きく動くので調整も起こりやすいけど、急成長している会社の株で、少し売り込まれたことに乗っかって空売りをするのは正気の沙汰とは思えません。たとえ何度か成功して少し利益を積み重ねられたとしても、いつか大火傷するのは目に見えています。業績不安がない会社の株で、需給バランスが崩れたことにベットして空売りするのは非常に危険です。高PER株はずっと高PERだし、低PER株はずっとPER。PERや雑誌に載っている理論株価を拠り所とするのも危険。パチンコや競馬みたいにギャンブルとして楽しむ分には面白いのかもしれませんがw

特に初心者の人はリスク管理が甘くなりがち。ギャンブル全般で共通する話ですが、最初に儲かると少しずつ"掛け金"が増えていって、コントロールが効かなくなります。結果的に少し儲かった後でやられる方が、最初に負けるより損失がうんと大きくなってしまいます。

自分は数年前に、アドウェイズ株で5連続ストップ高を経験したことがあります。
この時は確か、LINE関連のちょっとしたニュースがキッカケとなり、12万円台で推移していた株が一気に45万円となりました(500分割以前の話です)。利益が何倍にもなる可能性があるような大きなニュースではなく、完全に仕掛けっぽい動きで、こんな値動きになることを予測できた投資家は皆無でしょう。
自分は現物投資だったので大きく利益が出ましたが、空売りをしていた人たちは悲惨。今ほど空売りをする人は多くはなかったんでしょうけど、それでもYAHOO!掲示板で、あることないことをしつこく売り煽っていた人たちが何人かいたけど、中には破産した人も出たんでしょうね。
そういえば、45万円をつけたその日にいったん、30万円台に急落しましたが、空売りしていた人の中で、ここで(売値の3倍)で大損して損切りできた人なんてほとんどいないでしょう。一時的な急騰と高をくくってこの辺で空売りを仕掛けた人や、損を取り戻そうとさらに空売りした人もいたと思います。
その後、数ヶ月で120万円
(500分割前換算)ぐらいまで騰がりましたから、売り方は完全にアウトでした。よく知りませんが、証拠金として差し入れている株の強制売買で損失補填ができない場合は、差額を別途、請求されるんでしょうね。株価は現実、仕掛けた連中を恨んでみても仕方ありません。

信用取引に経験豊富な人が、出来高の少ない株で信用取引をやらないのは、こういうことが起きるからです。さすがに5連続ストップ高というのは滅多に起こることではないですが、もし空売りをやっている株で起こってしまったら、一発退場どころか、大きな借金まで抱えることとなってしまうわけです。

証券会社は「信用取引ではリスクコントロールが重要」と言いますが、証券会社は手数料商売。顧客の取引が減るようなことは言いたくないから、こういう具体的な注意喚起はしないんでしょうね。通り一遍な注意喚起をしておけば、自分たちのリスクヘッジは完了、後でクレームを付けられても「注意事項に書いてある」と言えばよい、ということでしょうかw。
ちょっと前に起きたスイスフランショックで、強制ロスカットが機能しないことがあることを後から知り、大損したFx初心者が多くいましたが、ちょっと似ていますね。
BABYMETALのマネージャー兼プロデューサーのKOBAMETAL(他3名)のインタビューが、YAHOO!ニュースに配信されました。
デジタル時代にリアルの魅力―― 音楽の未来と価値とは

KOBAMETALのパートのタイトルは、「<人間のアナログ的な欲求は普遍的だ>」。
「今はデジタル全盛の時代ですが、その一方で興味があるものに対して『もっと生で見てみたい』『本当にすごいのかどうか自分の目で確かめたい』という人間のアナログ的な欲求は普遍的で変わらないと思います。」
と語っています。

「人間のアナログ的な欲求は普遍的」というのは、KOBAMETALの考えというより、アミューズという会社の考え方です。

以下、今から14年前、2002年上場時の大里会長のインタビューの一節です。
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・・・(インターネットなどの新しい)メディアに対応していくだけの進化と進歩がアミューズにはなくちゃいけないと思います。それを圧倒的にやりきれた時には、少なくとも最低アジアは完璧な共通マーケットになっていくだろうと思います。あとは欧米諸国のものすごく進んだエンターテインメントに、どこまで我々が肉迫して、一矢報いることができるかということと、逆に、やっぱりいつまでも生のエンターテインメントの原点を忘れちゃいけないと思うんです。例えば三宅裕司がやっているSET(劇団スーパーエキセントリックシアター)とか、岸谷五朗&寺脇康文の「地球ゴージャス」とか、伊東四郎さんと三宅(裕司)がやっているコントライブ、それにサザンオールスターズや福山雅治のコンサートとか、そういう生の魅力がアナログの原点だと思います。
・・・
音楽でもアートでも、表現者が歌やギターや芝居という形で表現する。お客さんがそこにいて、生でそれを見る。汗をかいている姿もぜったい同じものじゃないし、コピーじゃない。毎日違うんです。コンサートの曲目は一緒でも、歌い方もノリで違うし、お客さんの反応も違えば、トークの内容も変わるんです。この生でアナログで本当の、平安時代や江戸時代から続いているエンターテインメントの原点の仕事と、今言ったデジタルの仕事の両方をうまくバランスを取りながらやっていく。アミューズの原点はそこですそれがうまく融合したものが、陽の目を見るときこそ、アミューズが本当に僕がやりたかった会社になっていくのかもしれないと思います。
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2002年、まだYouTube(2005年開始)も音楽配信(着うたフルは2004年、日本でのiTunesは2005年の開始もない時代のインタビューですが、大里会長は先見の明がありますね。
「生でアナログで本当の、平安時代や江戸時代から続いているエンターテインメントの原点」というのは、KOBAMETALの言う「『生で見たい』というアナログ的(で普遍的)な欲求」と基本的には同じです。

BABYMETALはYouTube等によるバイラル(口コミ)で世界に拡散しました。最初はギミチョコなどのオフィシャルのミュージックビデオで話題となり、その後、ライブやフェスのファンカム映像(ファンが勝手に撮ったビデオ映像)でライブバンドとしての知名度を上げ、国内外での観客動員につなげてきました。
YouTube等にアップされたファンカム映像をアミューズは徹底的に削除せず、敢えて一部を残してバイラル展開されるようにしていることが戦略的です。
BABYMETALはミュージックビデオだけでは、メタラーだとライブにまで足を運ぶのに二の足を踏みそうだけど、ファンカム映像で筋金入りのメタラーらが異様に盛り上がってクラウドサーフィンまでしているのをYouTubeで見たら、ライブやフェスに行ってみたくなるはず。「十代の東洋人の女の子3人ダンスしながらメタル」というのを音楽雑誌で読んだだけなら「へぇ」となるだけの人がほとんどだろうけど、今は他のメタラー連中の反応も含めてYouTubeですぐにチェックできますから。

これは、十数年前に大里会長が語った、アナログ(ライブ)とデジタル(インターネットの活用)のバランスを取りながらやっていくという「アミューズの原点」にほかなりません。BABYMETALは、アミューズが昔から考えていたことを実現した存在、ということです。
真偽は定かではありませんが、2014年の夏、BABYMETALの海外進出の転機となったメタルフェス、Sonisphere出演後のBABYMETALのロスアンゼルス公演を大里会長が観ていたという噂がありましたね。


また、上記の部分の前段に以下の件もあります。
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音楽と映像とはますます密接になってきますので、そういうことをもっとどんどんやるべきだと思っています。今までもプロモーションビデオがありましたが、ああいうものか、もっと進化したものかはわからないですが「映像と音」もしくは「映像と音とプラスアルファ」が合わさったもので、エンターテインメントにまた一つ大きな流れが出てくると思うんです。そういう流れに対応できるだけの映像技術をアミューズの中に取り込んでいかなきゃいけないと思っています。

・・・映像分野のクリエーターと、ミュージシャンやプロデューサーをいろいろコラボレーションさせて何か作っていくっていうことをやっていきたいです。・・・
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この部分はまさに、Perfumeがやってきたこと。Perfumeのライブでは、アミューズ所属でBABYMETALも手掛ける振付演出家のMIKIKOやメディアアーティストの真鍋大度らが重要な存在となっています。Perfumeのライブは音楽を聞くだけのものではなく、いろんな才能を持ったクリエイターとのコラボレーションによって作られる「映像と音とプラスアルファ」の総合エンターテインメント。

先日のリオ・オリンピック閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニーのパフォーマンスは大きな話題となりましたが、Perfume等の音楽を手掛ける中田ヤスタカが音楽、振付・演出をMIKIKO、AR(拡張現実)を真鍋大度が担当しています。このパフォーマンスも「映像と音とプラスアルファ」のエンターテインメントです。こういうエンターテインメントが、メジャーになりつつあるということでしょう。

この記事の最後に「あなたはここ数年で、音源を聞いたりライブに行ったりするなど、音楽を楽しむ機会が増えましたか?」というアンケートがあり、現時点で約4割以上の人が「増えた」と回答しているのは興味深いですね。ライブ・コンサート市場がここ数年急成長している事実と、この結果は合致しています。
CDは買わなくなったけど、YouTubeの影響で音楽に接する機会が増えたことが刺激となり、ライブを見る人が増えていると言われています。BABYMETALファンに、若いころにライブ・フェス通いをしていた中高年層が多いのも明らかにYouTubeの影響です。

GMO-PGの売りが続いています。特にネガティブなニュースもない中で、ずいぶん下げました。

ここのところGMO-PGに限らず、他の中小型株、成長株もずいぶん売られていますが、こういった株を多く持つファンドの解約に伴う売りとか、日銀、GPIFの株式取得の思惑にからんだ、中小型株を売って大型株を買う流れの影響とか、いろんな説明?がなされているようです。リバウンド狙いの短期勝負の個人が日々、高いところで買って安値で売らされるパターンを繰り返していそうですしw。

GMO-PGはフィンテック関連の本命とずいぶん囃されたし、開示が良いから投資に対する説明責任が求められるファンドマネージャなんかも買いやすそうで、ファンド等の機関投資家の保有が多そうな株です。
ファンドマネージャは厳格な損切りルールを持って運用しているから、株価が予め定めた基準以下まで下がれば淡々と損切りしてきます。急落が引き金となり複数のファンドが同時に損切りを始め、更に株価が下がる悪循環が起こっているのかもしれません。
GMO-PG株はいったん売らやすい状況になると、大量に売られて株価が大きく下落するリスクのある株ということなのかもしれません。高PER株はファンドマネージャーも売る理由を説明しやすいですから。以前から、GMO-PG株は、昔からクセの強い値動きをしますが、ファンドが売買しやすいこともその一因なのかもしれませんね。

さて、GMO-PGは過去にも、原因が良くわからない中で急落したことがあります。2014年3月から5月にかけて、株価2014/3/11の高値2950円から急落し、2014/5/19には最安値1540円をつけています(分割前の終値ベース)。
この時の"主犯?"wはどうやら、ひふみ投信だったことが運用報告書に記載された保有残高の推移から判明しています。ひふみ投信が2014/3~2014/5にわたり時間をかけて売ったのか、3月に大量に処分した(その後の急落は、他のファンドの処分による)のかは不明です。
ちなみに2014年春に、ひふみ投信が処分したGMO-PG株は、2013/8頃に1200円前後で仕込んだ株で株価は倍以上となっており、どうやって売っても十分に利が乗っている状況でした。

ひふみ投信の月末の保有状況(6月末まで)はこちら。

最近のひふみ投信のGMO-PG株の保有状況ですが、2014年10月から半年ほどかけて仕込んだ40万株弱の一部?をいったん、今年の3月にはずし、6月から再び買い始めているようです。
ひふみ投信の状況(6月末)
ひふみ投信の状況(7月末)

ひふみ投信が3月以降にどれだけ処分し、いつ、どれだけ買い戻したのかは不明です。ただ、少なくとも買い始めた6月の株価水準と比べると、現在の株価(4700円前後)というのは、かなりの下落。
ひふみ投信はボトムアップ型の中長期投資が基本で、目先の株価動向を予測し、売買を繰り返して利益を積み上げていくタイプのファンドじゃありません。経営内容等を判断して中長期成長が見込まれる会社に投資しているわけですから、需給バランスの崩れで大きく株価が下げただけなのであれば、原則的には売却の理由にはならないはずです。
しかしながら、そうはいってもひふみ投信は追加型投信。顧客募集の観点からは、基準価格(パフォーマンス)に大きな悪影響が出るのは、たとえ短期的だとしても、できれば避けたいところでしょう。間もなく、ひふみ投信の8月末の運用報告書が出ると思いますが、GMO-PG株の一部処分に動いたのか、はたまた安いところで買い増しているのか、保有状況に注目です。(注)

これだけ下げが続くと、投資家心理としては非常に買いづらい状況です。
ただ、需給の悪化による株価下落であれば、そのうち売りものが減ってくるはず。GMO-PGは以前から、値動きにクセがあり、上げ下げの幅も大きい株です。中長期スタンスの個人投資家は、需給が締まって、株価が上昇に転じるのを気長に待つしかないのかもしれません。個人投資家の強みは、投信のように日々の値動きを気にしなくてもいいことですから。すぐに使う予定があるお金を使って、利殖目的で買っている人には厳しいでしょうけど。
当たり前の話ですが、株価の下落は、会社の経営や業績には影響しないですからね。

さて、どうなることやらw。

(注)
勘違いしている人もいるようですが、ひふみ投信の売り買いでGMO-PGの株価が大きく動いているわけではありません。
上述の保有状況の推移を見ても明らかですが、ひふみ投信は短期間で大量に取得し、(少しリバランスしながら)保有を続け、かなり上昇したところで売却するようなパターンで利益を上げるファンド。売買を繰り返して利益を積み上げるアクティブファンドではありません。昔からGMO-PGが下落すると、よく調べもしないで(あるいは、わざと?)「ひふみ投信が売っている」とか、解説する連中もいるみたいですがw。
2014年春の下落はひふみ投信が主導したようだと上述しましたが、この時はむしろ例外的です。
過去のエントリにも、この件について書きました。
□ひふみ投信のGMO-PG株への影響
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12182230899.html

ついでに書いておくと、ひふみ投信に注目しているのは、運用報告書を開示しているから(そして、機関投資家の動きの一部が垣間見えることから)であって、GMO-PGの株価形成に大きな影響を持っているからではありません。ひふみ投信の保有数はそこそこ大きいけど、このくらいの株数なら、他にも保有している投資家はいるはずですしね。

本日(8/31)の日本経済新聞に以下の記事が出ました。
■グーグルのスマホ決済、秋にも上陸  国内外で支払い、まず三菱UFJと提携 

Alphabet(グーグル)の決済システム、Android Payが秋にも日本に入ってくるとのことですが、いろいろ疑問点が残る記事です。

Android Pay、Apple Payのどちらにも言えることですが、日本では、店に置かれるNFC端末(かざして決済する端末)が普及していません。
記事には「グーグルはJR東日本やNTTドコモ、楽天、ジェーシービー(JCB)など他の電子マネー大手と、読み取り機などシステムへの相乗りを求めて協議を進めている。」とあり、なんだか協議が合意に達すれば使えそうな感じの書きぶりですが、そもそも現行のSuica等の読み取り機では物理的に読めません。「同じ端末でSuicaもAndroid Payも使えるタイプの共用の決済端末を導入することに対する協議」ということのように思います。

現行のクレカやSuicaに比べて手数料が安いというメリットがあるにせよ、1台数万円はすることになるであろうNFC端末を新たに導入しても、そう簡単にはペイしないでしょうw。

現行の決済(現金決済やクレカ決済)に特に不自由や不満を感じている人が多いわけでもないし、記事のとおり開始したとしても、かなり限定的なものにならざるを得ず、広く普及するにはかなり時間がかかりそうです。

以下、GMO-PGの2014年9月期決算説明会における、Apple Payに関するコメントです。
「Apple Payが日本に入ってきた時は、当社の一決済手段として提供させていただく。USの事例でも、コンシューマーにリーチできるのは、我々のような決済代行業者。Appleが直接、加盟店開拓をすることはなく、我々のような業者が代行して加盟店開拓を行っていくと思う。
しかしながら、対面の分野で入ってくるにしても、リーダーライター(決済端末)がNFCであって、簡単に加盟店に入ってくるかといえば、非常に難しいと思う。非対面分野でも、VisaNet直結じゃないと決済できないが、そういう環境を持っている業者はまだない。だから(日本に入ってくるのは)そんなに容易な話じゃない、ということは言えると思う。」

約2年前のコメントですが、この頃から決済ビジネスの事業環境はさほど変わっていませんから、GMO-PGの業績には当面、ほとんど影響しないでしょう。
決算端末を手掛ける子会社であるGMO フィナンシャルゲートに、
新型の決済端末の大量発注が入る可能性もなくはないんでしょうがw。

最近、日経の得意な"飛ばし記事"っぽいんですが、どうなんでしょうね?

以前にApple Pay、Android Payが発表された時に書いたエントリです。
□Apple Payについて(2014/9)
□Android Payについて(2015/5)
マレーシアでモバイル決済・認証・ノーティフィケーションを一括提供する世界最大級の企業、MacroKiosk(マクロキオスク)社をグループ化 ~東南アジアにおける事業範囲を拡大~
■MACRO KIOSK Berhadの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ 

GMO-PGの出資額は11.21億円(アドバイザリ等の諸経費を含む額なので概算額)、保有比率は70%。GMO-PGの資本金47億円の十分の一以上なので、MacroKioskは特定子会社となります。(今回の出資は特定子会社に該当しないようで、後から訂正が出ました。特定子会社となるか否かは多分、業績には関係ありません。)HPでも「適時開示・任意開示」として掲載されていますね。

GMO-PGはシンガポール、台湾、香港、タイ、マレーシアに海外拠点を持っており、直接出資に加えて、3年ほど前からGMO-PGとGMO VenturePartners、そしてクレディセゾンの出資する、決済特化型ファンドの「GMO Global Payment Fund」を通じて、東南アジア各国を代表する決済企業とアメリカ・シリコンバレーのフィンテックベンチャーに出資してきています。

1Qの決算説明会での説明では、東南アジアの9社に1,000万ドル、アメリカの3社に1,200万ドルの計2,200万ドルを出資(うちGMO Global Payment Fundからは630万ドルの出資)しているとのことでした。その後、4月にインドのMobiKwikに出資しているから、現在はもう少し増えているはずです。
今回はGMO-PG単独で11.21億円を直接出資、しかも70%のマジョリティー出資(これまでは10~15%のマイノリティ出資)とのことですから、GMO-PGの経営に影響するほどの額ではないけれど、過去に比べれると比較的大きな投資ですね。

8/1の3Q決算説明会にて、副社長の村松さんから以下の様な説明がありました。

「東南アジアの投資を開始して3年経つが、これまでは日本と同じ加盟店の裏側の決済代行ビジネスと、現地に進出している日系企業の決済をやってきたが、3年間で5カ国のカバレッジはほぼ出来上がった。決済処理金額も伸びている。これは第一段階である。」
「更に成長を加速させるために、違う軸でのアプローチを考えつつある。加盟店サイドのビジネスではなく、利用者サイドのビジネス、つまり決済代行ではなく、決済手段を提供するビジネスを考えていきたい。」
「決済手段の提供は、日本国内では後払いぐらいしかやっていない。決済手段の提供をアジア地域で展開できれば、より早いスピードで、今後、爆発的に伸びるであろうローカルの需要を取り込める。先日、出資したインドのMobikwikも決済手段を提供する会社である。決済手段の提供を第2段階として、成長を加速させていきたい。」

MacroKioskは、モバイル決済・認証・ノーティフィケーションを一括提供する会社とのこと。MacroKioskは企業向けのモバイル決済ソリューションを提供する会社で、直接、消費者に決済手段を提供する会社ではないみたいだけど、「金融、航空、ホスピタリティ、レジャー産業まで、18業界・37カ国で利用されており、現在の顧客数は2,000社以上」と規模が大きいことを鑑みれば、今後、MacroKioskを核に、消費者にアプローチしていくような構想があるのかもしれませんね。

プレス資料には「シナジー効果を発揮し、東南アジアにおける事業を拡大する」とありますが、今回のMacroKioskはファンドへの出資ではなく子会社化であり、GMO-PGが直接的に経営に参画していくように思われます。これまでにファンドを通じてマイノリティ出資した会社からも現地の情報収集を積極的に行ってきましたから、ノウハウ蓄積も十分でしょう。

発表資料を見ると、MacroKioskの2015年度の売上高は23億円、経常利益は51百万円とのことです。2013年からの3年間を見ると増収減益を続けているし、また12月(前期末)時点の純資産は47百万円ですから、財務数値(≒現在の企業価値)だけみると、70%で11.21億円は高い買い物のようにも見えます。
利益より先行投資を優先させてきた結果の財務数値の悪化かもしれないし。株主は3人しかおらず、名前から察するにファミリーみたいだから、銀行融資等に問題がなければ、財務数値を綺麗にしておく必要はないでしょうし。
急速に伸びている市場で将来的に大きな利益が出せるポテンシャルを持つ企業としての評価を行い、出資額が決められたということなんでしょうね。

上述の通り、GMO-PGは3年前から東南アジアに進出(副社長の村松さんはシンガポールに4年前に引越)しており、現地の決済関連ビジネスには精通してるはず。そもそも村松さんはジャフコ出身で、ベンチャーキャピタルのプロ。この点からも、どんぶり勘定で出資額を決めることはありえないし、例え財務体質に問題があったとしても、解決できると判断しての出資でしょう。今後は村松さんのベンチャーキャピタリスト的な手腕が試されるところです。


昨年12月の株主総会後の事業説明会では、海外事業について以下の様な説明がありました。

「EC市場はアジアの規模が世界最大。いずれは北米と欧州を足した規模を抜くと言われており、先行投資をしている。ただし利益を出せるのは5~10年後で、まだ時間がかかる。
各国の1番いい会社に10~15%のマイノリティ投資を行っている。すべて未上場の会社で、これらの会社に足繁く通い、出資にこぎつけた。いったん出資すれば、他社が後から出資するのが難しくなる。欧米の決済企業はGMO-PGの数倍の規模があり、豊富な資金でアジアに雪崩れ込んでくる見込みであり、GMO-PGとしては東南アジアを簡単に渡さないように戦略的な出資活動を行ってきた(参入障壁を築いてきた)。」

この説明からもGMO-PGが現地企業との関係をしっかり構築し、戦略的に東南アジアの投資を進めてきたことがわかりますね。今回のMacroKioskへのマジョリティ出資も、十分に信頼関係を構築したうえでの判断ということで間違いないでしょう。


安直に海外進出を計画する日本企業が、M&Aコンサルの怪しい持ち込み案件にしょっちゅう引っかかっています。
こういう怪しい案件の会社ほど、財務諸表は金ピカ。「
いい会社」に見えるほうが海外ビジネスに疎い経営者ほど騙されやすいし、「財務上安全」を理由に高額を支払ってくれますからww。
今回のGMO-PGの出資は、そういったいかがわしい案件とは一線を画するものですね。

【追記】(2016/8/31)
The Bridgeの記事です。
MacroKioskサイドからのコメントがあります。

■GMO-PGが、マレーシアのモバイル決済企業MACROKIOSKに出資 (The Bridge 2016/8/31)
http://thebridge.jp/2016/08/japans-gmo-invests-in-malaysian-mobile-tech-company-macrokiosk-20160830


記事には出資額(MacroKioskからみた資金調達額)は非開示とありますが、アドバイザリ等の諸経費を含む支出総額は11.21億円ですね。
最後の部分に「GMO-PG は、MACROKIOSK に対して今後さらに出資することをコミットしている。」と記されている点に留意。GMO-PGがこの会社を単なる出資先ということでなく、東南アジアへの橋頭堡的な位置づけとして考えていることが伺えますね。
ファンドからの出資でも出資先と綿密なコミュニケーションを図っているとのことでしたが、今回はGMO-PGが経営に参画していくかたちです。GMO-PGだけではなく、
GMO Global Payment Fundから出資している東南アジアの各投資先との連携、シナジーも期待されるところです。
先日、以下の2つのエントリを書きました。
「BABYMETALの東京ドーム公演について」
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12193132214.html
「ライブエンタ市場の規模とか、2016年問題とか」
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12193694867.html
この2つのエントリにある、アミューズの将来性に関する重要なポイントについて、まとめて整理しておきます。


日本経済新聞の情報サイト、Nikkei Style に以下の記事が掲載されました。(日経エンタテインメント!2016年8月号の記事の再構成)

□5000億円超えのライブエンタ市場 急成長の舞台裏
ぴあ総研が毎年まとめているライブ・エンタテイメント白書によると、音楽と舞台を合わせた2015年のライブエンタ市場の規模は5000億円、2016年はさらに拡大するとのこと。

記事の中に、
「パッケージ売り上げ(CD/DVD/BD)が不振だが、ライブが音楽産業の中心的ビジネスモデルへと移行しつつある」
「アーティストにもライブに重点を置く動きが見られることから、音楽市場はさらなる発展が見込まれる」
とあります。

パッケージ売り上げの不振を以って、音楽産業が縮小しているように早合点する人も多いんですが、「ライブが音楽産業の中心的ビジネスモデルへと移行しつつ」あるということで、音楽産業全体がダメということではありません。

日本レコード協会による白書「日本のレコード産業2016」によれば、2015年の音楽ソフトと有料音楽配信の売上は3015億円。ピークの2007年は4666億円でしたから10年足らずで、3割近く縮小しています。
一方、コンサートプロモーターズ協会によれば、2015年のライブ・コンサート売上(会員のみ)は3186億円と、音楽ソフトと有料音楽配信を逆転しています。2007年は1040億円でしたから、こちらは10年足らずで3倍に急成長しています。
更にコンサート会場でのグッズ類の販売や、協会会員以外の主催する規模の小さいコンサートを合算すれば、ライブ・コンサート市場はすでに、音楽ソフトと有料音楽配信をはるかに凌ぐ大きなマーケットに急成長していると思います。

パッケージはレコード会社に、ライブは所属事務所に実入りが多いですから、「ライブが音楽産業の中心的ビジネスモデルへと移行」することは、音楽産業の収益がレコード会社から所属事務所へと移行することを意味します。芸能事務所であるアミューズにとって、この流れは強い追い風です。


ところで、一昔前の音楽業界は、CD(昔はレコード)などのパッケージをどれだけ売るかが勝負でした。パッケージ売り上げがライブやコンサートの売上を遥かに上回っていた時代ですが、「ライブのチケットが即完売した」としてミュージシャンに箔をつけ(というか話題作りをして)、テレビとかメディアに取り上げてもらい、パッケージの宣伝を行う、というプロモーション方法がありました。(「チケット即完売商法」といったところでしょうかw)
パッケージセールスにつながればレコード会社も所属事務所も儲かった時代でしたから、「ライブはミュージシャンのプロモーションの一貫」と位置付けられ、ちょっと軽視されていたように思います。

長い間「チケットが即完売」「チケットが入手困難」という宣伝文句をマスメディアから聞かされてきたせいか、「チケットが完売しないとライブは失敗」みたいに考える人が多くいますが、これはちょっと変な話です。

一般的に「即完売」という状況は本来、需要予測の失敗を意味します。需要予測を的確に行い、もっとたくさん供給できていれば、もっと儲けられたということです。

商品の販売戦術に「品薄商法(品切れ商法)」というのがあります。意図的に出荷を絞って品切れ状態を作り、人気があるように見せかける、一種の宣伝手法ですが、商品の場合、「品薄」「売り切れ」が話題となった後、大量に供給して売上につながれば利益が出るわけです(ちょっと前のサントリーみたいに露骨に品薄商法を連発すると、消費者に見抜かれますがw)。

一方、ライブは1回きりのもの。ライブがパッケージセールスの宣伝的な位置付けではなく、主力の収益源となった現在、チケットがすぐに完売してしまうのは、収益チャンスを逸していることにほかなりません。公演当日にちょうど売り切れるぐらいの規模の会場でライブを行うのが、売り上げ的にも理想でしょう。
空席だらけでは収支の問題に加えて、ライブのクオリティに影響するから問題ですが、少し大きめのハコで企画し、直前でもチケットが手に入るぐらいのほうが、ファンベースの拡大にもつながるし、明らかにメリットが大きいはずです。

欧米では日本以上にパッケージ販売が落ち込んでいるようですが、BABYMETALのワールドツアーのチケット販売状況を見ていると、販売開始後すぐには完売していないようです。これは現地プロモーターが人気を見誤って、大きめのハコを取ってしまったためではないでしょう。
現地のプロモーターは(そしてアミューズも)おそらく、チケットの即完売なんか望んでおらず、公演日までに売り切れるようなライブをイメージして会場を決め、現地のプロモーションを行っているはずです。もしチケットが即完売となれば、プロモーターは「会場の大きさを見誤り、収益チャンスを逃してしまった」という低い評価にしかならないでしょう。
すぐに完売してチケットが手に入らないということは、ファンを拡大するチャンスもないってこと。既に有名な大物アーティストならともかく、ファン層拡大が続いているアーティスト、BABYMETALの国内外のライブやPerfumeの海外ライブで"チケット即完売"はダメでしょう。

チケットが完売したかどうかでアーティストを評価する傾向は、日本ではいまだに根強いけど今後、こういう考え方は徐々に薄れていくと思われます。「チケット即完売」礼賛は、ライブ・エンタテイメント市場全体にとってメリットはありません。多分、ライブを重視するアーティストにとっても「チケット即完売」はありがた迷惑でありファンの自己満足以外の意味はないですから。

さて、BABYMETALですが、9/19,9/20の東京ドーム公演の一般発売が始まりました。9/19は2,3時間で売り切れ、平日開催の9/20は現時点(8/28夜)でチケットぴあは完売、ローチケとe-plusは購入可能ですが残りわずかのようで、販売好調のようです。
チケット転売サイトのチケットキャンプには現在、約1600件の出品(複数枚出品もあるけど重複出品もあるだろうし、実際の出品枚数は不明)がありますが、2daysで総数11万席ですからほんの一部。他のチケットと比べてこの数が多いか少ないかは不明ですが、少なくとも「転売屋が大量に買ったから売り切れた」ということではなさそうですね。
会場は東京ドームで東京にはこれ以上の大きさのハコはないし、現時点で追加公演分のチケットが少し残っている状況なら、追加公演の意思決定は正解だったのではないでしょうかw。
投資の判断基準は以下のとおり。

1.成長市場でビジネスを展開していること。

2.業界のリーディングカンパニーであり、展開している市場と同等以上の伸び率で成長を継続していること。

3.新規参入が困難、または新規参入が容易であっても簡単に追いつけないこと。

4..継続的な成長のために、新規分野に積極的に先行投資をしていること。(投資額が過度でないこと。投資先が本業とかけはなれていないこと。)

5.ビジネスの内容や業界動向をある程度、理解できること。

これら条件を完全に満たす会社はありませんが、このような基準で「株価が数年で倍程度となることが期待できる株」に投資しています。

株価は、ファンドの処分などによる需給の悪化に市場全体の地合い悪化などが重なれば、業績に関係なく、1、2割ぐらい急落することも間々あります。投資対象である成長株、とくに高PERの株や出来高の少ない株では、それ以上に大きく下げることもありますが、短期の株価は需給で決まるもので、会社の業績とは関係ありません。
業績の成長を拠り所に投資をしている以上、短期の株価変動はあまり気にしません。というか、経験上、株価が大きく変動しているときに焦って売り買いすると、ロクなことになりませんw。

株価が急落すると、いろんな後講釈や、空売りをしている人たちのポジショントークが出てきます。そのほとんどは、織り込み済みの内容の蒸し返しだったり、事実誤認や根拠薄弱な妄想?だったりしますが、事業環境や経営スタンスが変わる兆候のようなものが生じていないかどうか、冷静にチェックします。(投資をしていると、その会社への思い入れが強くなり、ネガティブな事実も自分のいいように解釈しがちですから要注意。)

これらの基準に加えて「割安であること」は理想的ですが、情報が誰でも簡単に手に入れられる昨今、投資の教科書に書かれているように割安な株を見つけて投資することは、なかなか難しいのが現実です。そもそも割安割高の判断は難しいし、割安と考えられる株があっても、何らかの理由があっての割安なわけです。構造不況業種だったり、業績が不安定だったりすると、万年割安株になることがあります。
もし割安である理由が推測でき、将来的にその理由の部分が解消されることが見込めるのであれば、最も魅力的な投資対象なんですがw。

日本経済新聞の情報サイト、Nikkei Style に以下の記事が掲載されました。(日経エンタテインメント!2016年8月号の記事の再構成)

□5000億円超えのライブエンタ市場 急成長の舞台裏
ぴあ総研が毎年まとめているライブ・エンタテイメント白書によると、音楽と舞台を合わせた2015年のライブエンタ市場の規模は5000億円、2016年はさらに拡大するとのことです。

ちなみに、コンサートプロモーターズ協会で集計しているのは音楽のみですが、こちらでは2015年のライブ・コンサート売上は3186億円。急成長しているという見解も含め、音楽についてはぴあ総研とほぼほぼ一致しているようです。

記事によれば、最近のライブエンタ市場は、
・大きな会場での開催が増え、チケット単価も上がり、1公演あたりの売り上げや動員が拡大している
・ツアーの規模も大きくなり、そこにファンが付いてきている
・パッケージ売り上げ(CD/DVD/BD)が不振だが、ライブが音楽産業の中心的ビジネスモデルへと移行しつつある
・アーティストにもライブに重点を置く動きが見られることから、音楽市場はさらなる発展が見込まれる
とのこと。
福山雅治やPerfume、BABYMETAL等の大型のライブを見ていて感じる印象と、ほぼ一致していますね。


また、最近まで、メディアやらネットやらで騒がれていた、2016年問題(2016年頃から、老朽化したホールの取り壊しや改修による一時閉鎖のため、首都圏のライブ会場が少なくなる問題)については、以下の様な記述がありました。
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近年ささやかれる首都圏の会場不足については、意外な見解が。「会場問題は先手を打っていたので、動員に関しては懸念されていたほどの影響はなさそう」とのこと。公演が集中する休日以外の開催や、東京都郊外の立川、多摩近辺の会場、東京都新木場の若洲公園、いきものがかりがライブをする神奈川県厚木の荻野運動公園など、これまで使われていなかったホールや土地を活用することで、数千人~数万人規模の動員をカバーできているという。
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2016年問題は個人的にはさほど心配していませんでしたが、実際に2016年になって実情をヒアリングしてみたら、「2016年問題は特に問題ではなかった」ということなんでしょうねw。

以下、2016年問題に関する、昨年の投稿です。ご参考まで。