事業説明会では最近の株価動向、事業展望、海外展開などについて、説明がありました。非常に中身の濃い説明でしたが、ポイントとなる部分を整理して要約します。*は自分のコメントです。
【事業説明会の質疑応答】
Q.仮想通貨は今後増加してくる。仮想通貨は東南アジアなど銀行口座がなくても決済できるようだが、今後の仮想通貨のGMO-PGへの影響、対応は?
A.仮想通貨の日本のメジャープレーヤー4社のうち、bitFlyerには既に、3年前に投資しており、研究を進めている。また、GMO-PGはbitFlyerと相互接続しており、要望があれば利用できる。
仮想通貨には、それを支えるブロックチェーンという基幹技術があり、個人的には仮想通貨よりブロックチェーンに注力している。日本の大きなコングロマリットの場合、グループ内取引だけで年間10~20兆円もある。そういったグループ内でブロックチェーンを使った決済を行うことでマネタイズできないか、昨年から研究を始めている。
我々は株式会社であり、マネタイズできなければ意味がない。グローバルではなく企業グループ内であっても、大きな金額が動くならば、利益率は大きくなるはず。仮想通貨、ブロックチェーンは当社にとって非常に優先順位が高い関心事である。
東南アジアでは国ごとに規制が違い、タイはブロックチェーンはNGだし、フィリピンは盛り上がり始めている。フィリピンの投資先は全フィリピンに15000箇所の収納スポットを持ち送金等ができるが、そこでビットコインが買えるようになっている。東南アジアにおける仮想通貨の動向には注意を払っている。
*代表的仮想通貨であるBitCoinは最近、急騰しましたが、BitCoin取引は大半が中国での取引。中国で外貨規制が厳しくなっていること(及びそれに絡んだ投機)に起因するもので、BitCoin自体の存在価値が世界的規模で急速に高まっているというわけではなさそう。そもそも急騰急落しているうちは通貨としての価値は高まりませんから、本格的普及には時間がかかりそうです。
ブロックチェーンは仮想通貨以外にも応用が効く技術で、大規模な企業グループ内の業務効率化に繋げられそうですが、今のところわざわざブロックチェーンにしなくても現行のシステムで十分機能していると考える企業も多いから、すぐに普及して現行のシステムが駆逐されるようなことはないでしょう。
Q.国税のクレジット納付を受託し1月から開始する。法人による納付も可能となるようだが、BtoBではないにせよクレカの法人利用につながっていくのか?また、法人カードはリボ払いや分割払いがほとんどできないが、国税のクレカ納付スタートにあたり、カード会社は将来的になにか考えているのか?
A.国税は法人も利用できるようになるが、1000万円未満というのが課題。GMO-PGは数億~数十億円単位の取引を行っているが、この1000万円の上限が上がれば活性化につながると考える。法人のリボ払いについては、法律が絡むので、GMO-PGが研究する領域ではないと考えている。
*大手企業は国税の支払いが億円単位になるので、1000万円の制限がネックになるということです。
国税クレジットカードお支払サイトは1/4に開始されました。
国税クレジットカードお支払サイトは、納付受託業者として指定されたトヨタファイナンスが運営している旨、最初のページに説明がありますが、「このサイトについて」など詳細の説明があるページにGMO-PGの名前が記載されています。国税庁自身の保有するページではなく、納付受託業者(トヨタファイナンスとGMO-PG)が開設したHP、ということですね。この国税のクレカ納付が軌道に乗ってくれば新規参入してくる事業者も現れるかもしれませんが、今のところ、他の納付受託業者はいないようです。すぐに広く普及する性格のものではないんでしょうが、どの程度、利用者が増えるのか、楽しみですね。以前にも書きましたが、GMO-PGの出資先であるタイの決済会社2C2Pもタイの国税のクレカ納付を受託したのは、興味深いところです。
□クレジットカードで納税、タイ国税局がシステム導入(2016/11/29)
Q.SMBCゲートウェイペイメントの現状が知りたい。村上社長から「医療」「不動産」という話が出たが、具体例のようなものがあれば知りたい。
A.具体例としては、慈恵医大病院といろんな取り組みをしている。医療機関などはGMOグループがリーチできていなかった部分。SMBCゲートウェイペイメントでは医療機関や不動産など、銀行との関係が深いビジネスの開拓をSMBCと一緒に取り組んでいる。3年で黒字化する予定だが、概ね順調に進んでいる。
*不動産関連については、後の質問に対する回答で説明がありました。
Q.B/Sで破産更生債権が600万円増加した理由は?
A.MSB(マネーサービスビジネス)の貸し倒れによるもの。
*マネーサービスビジネスが拡大すれば当然、貸し倒れも増加していくはずですが、問題は増加することではなく、コントロールできているかどうか。今のところ問題なさそうですね。
Q.先日、改正割賦販売法が可決され、決済端末を磁気ストライプからIC対応とするようにという内容だったが、それに伴う営業を考えているか?
A.IOTについては、今は自販機中心だが券売機の市場にも入っていければ、と考えている。
*改正割賦販売法については以下
■「割賦販売法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました
■クレカ不正使用防止へ改正法成立 IC型対応を義務づけ (2016/12/2 日本経済新聞)
Q.株価が急落したが、誰が売ったのか把握しているか。
A.あくまでも推測になるが、海外の持株比率は現在、20%強。アメリカの大手ファンドが持っているが、彼らは過敏に動くので、金利が上がりハイグロース株の下落リスクを避けるためにこれらのファンドが売ったのでは、と思っている。
Q.マンションの管理費の決済代行はやらないのか?
A.ぜひ参入したいと考えているが、マンションは管理会社が3%ぐらい手数料を取っているので難しい。ただ、オーナーが持っている(管理会社が入っていない)マンションなら、管理費や家賃などで参入できる。銀行は不動産に強いが、SMBCにお力添えをいただき、SMBCゲートウェイペイメントで開拓していきたいと考えている。
Q.売上の海外比率は今年度、10%まで上昇するとの説明があったが、オリンピックの頃までにどの程度上昇するとみているか。目標があれば知りたい。
A.超長期的には2030年頃に、売上も利益も半々ぐらいに持っていきたい。ただ、この5年、10年は10%台から30%台ぐらいがいいところでは、と考えている。なぜなら、日本での成長が極めて早く、基盤となる日本国内にしっかり投資をしていかなければならない状況にあるから。無理に海外比率を上げる必要はなく、バランスを取りながらしっかり投資していくことが重要だと考えている。
海外展開を勧めている会社には、国内で停滞していたり衰退しているところも多いが、GMO-PGは国内で非常に高い成長をしているが、今出ていかないと出遅れると考えていることから、東南アジアに進出している。
Q.説明に「ドル円110円前提」とあった。ドルだけではないが、東南アジアへ展開するにあたり、為替をどう考えているか。
A.GMO-PGの海外投資は1ドル100円付近で行うことができた。最近、1ドル120円に近づいているが、円安に振れるほど利益(為替差益)は大きくなる状況にある。
Q.営業、投資、財務キャッシュフローがすべてマイナスとなっていることが、株価下落の原因だと考えている。投資キャッシュフローが▲27億円で、20億円は2つの会社(MacroKioskとGMO-FG)に投資しているとの説明だったが、残りは何に使ったのか?
A.今年は投資が嵩み、キャッシュフローがマイナスとなったが、この状況は継続するものではない。キャッシュフローマネジメントで重要なのは利益の絶対額をアップすること。財務キャッシュフローでいえば、これまで当社は借り入れをしてこなかったが、自己資金と借り入れを組み合わせていかに成長資金を担保していくのかが重要な課題と考えている。27億円投資したが、2社以外にも数社、投資している。
*株価が下落するとあれこれ分析っぽいことを言いたがる人がいますが、下落の原因を前期末のキャッシュフローがマイナスだったことに求めるのは、ちょっと無理筋ですねw。しっかりした理由があるのであれば、キャッシュフローが一時的にマイナスになることは問題ない、と考える投資家が多いと思います。
Q.中国の銀聯やAlipay、Wechatpay等は非常に伸びておりGMO-PGも対応しているが、中国についてはどのように考えているか?
A.中国のインバウンド需要について対面分野で取り込んでいきたいと考えており、GMOフィナンシャルゲートの端末はそれらにすべて対応しており、販売台数も非常に伸びている。
[以上]