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投資は自己責任で

〜 中長期保有前提で成長株中心の”ゆるい投資”を行っています。
  目先の株価を予測したり占ったりすることには、興味がありません。

GMO-PGの2017年9月期 2Qの決算発表がありました。既存事業は絶好調です。
(カッコ内は対前年同四半期比)
売上高  9,992百万円(+74.4%)
営業利益 2,536百万円(+35.0%)
経常利益 2,370百万円(+23.5%)
当期利益* 1,084百万円(△5.9%)
*親会社株主に帰属する四半期純利益
□決算短信
https://corp.gmo-pg.com/newsroom/pdf/170501_gmo_pg_ir_tanshin.pdf
□決算説明資料
https://corp.gmo-pg.com/newsroom/pdf/170501_gmo_pg_kessan.pdf

GMO-PGは営業利益ベースで25%成長をコミットしていますが、営業利益が+35%と好調維持。期初業績予想(2Q累計)の営業利益は2,499百万円だったので、この業績予想も上回っています。

経常利益については、持分法による投資損失193百万円の影響のため+23.5%。期初業績予想(2Q累計)が2,351百万円だったことから、当初から予想に織り込んでいたものと考えられます。GMO-PGは国内外のベンチャー等に幅広く投資しており、こうした投資損失が出るのは、ある程度仕方のないことです。

親会社株主に帰属する四半期については、前年を下回っていますが、これは情報漏洩問題にかかるコスト(情報セキュリティ対策費270百万円-受取保険金160百万円=110百万円)に加え、後払い子会社GMOペイメントサービス(GMO-PS)の業績急拡大のため、繰延税金資産を2Qで計上しないこととしたことで、法人税の負担率が上昇した影響とのこと。
情報漏洩問題にかかるコストは実質、110百万円。決算説明会資料によれば今後、カードの再発行や不正利用の費用が生じたとしても、保険でカバーされるので影響は軽微とのことです。セキュリティ強化のため、売上原価・販管費の増があったとしても、大した額にはならなさそうです。
野村證券のアナリストレポートでは、「お詫び金による費用が3.6~7.2億円で、保険金でカバーされるから全額負担はなく、影響は軽微」とのことでしたが、それ以上に少なかった模様です。

また、GMO-PSの繰延税金資産未計上の影響は、通年では解消される(年度末には繰延税金資産を計上)見込みとしており、2Q決算だけの一時的なもの。特に問題なさそうです。
GMO-PSは2013年に設立され昨年から単月黒字が出るレベルの会社となったところ。累積損失がある状態で黒字化しても当面は税金が発生しない程度の利益見込みだったのが、ZOZOTOWNのツケ払いで予想以上に利益が出そうな状況になったことが原因、ということなのかな?後述しますが、与信審査モデルの調整が落ち着き、収益性がある程度見えてきて、将来の収益の合理的な見積もりが立てられるようになった時点で税効果を適用する、ということかな? 詳細不明ですが、一時的な特殊要因によるもので問題ないでしょう。

通期業績予想の修正がありましたが、売上高以外は据え置きです。決算説明資料によれば、業績予想にZOZOTOWNのツケ払いは含めていないとのことです(期初業績予想でもツケ払いは含まれていません)。

情報漏洩問題に加えて、ZOZOTOWNのツケ払いでもなにかと批判を受けている状況ですから、現時点でヘタに増益予想など出せば、イチャモンをつけて叩く連中が出てくるのは明らか。控えめにしておくのが得策だと、個人的には思いますw。

さて、ZOZOTOWNのツケ払いですが、決算説明資料(P11)を見ると、売上計画の上ブレ16億円の約四分の三が金融関連事業によるとのことで、この約12億円のほとんどがZOZOTOWNのツケ払いの手数料収入だと思われます(ZOZOTOWNは予算に入っていないので)。B/Sを見ても未収入金、未払金がそれぞれ124億円、112億円と、前年同期の数倍規模に膨らんでおり、急激に増えているのがわかります。一方、決算短信のセグメントの業績を見ると、後払いの含まれる「金融関連事業」のセグメント利益は△61百万円と損失を計上しています。

決算説明資料(P16)をみると、金融関連事業の営業損失は「GMO後払いにおける合理的な会計処理が要因(通年での黒字化にむけ対応中)」「後払いの与信審査モデルを調整中」との記述があります。
ZOZOTOWNのツケ払いは、GMO-PGにとっても未知の部分があるビジネス。期限後の連絡で気づき慌てて払う人の割合や属性、督促状が届くと支払う人の割合や属性、全く払わない人の割合や属性等々、そういったデータを蓄積しながらビジネスを行っている状況だと思われます。
こういった経験則が適用できないビジネスの場合の会計処理は、保守的に行うのが一般的であり、その結果、営業損失が出た、ということだと推測します。(例えば、期限内に支払わなくても遅れて支払う人がかなりいるはずですが、保守的に延滞発生後直ちに全額を貸し倒れ引当金計上してしまう、というような会計処理が行われているのかもしれません。)

また以前にも書きましたが、もし最終的に支払われないようなケースが想定以上に多く収支が悪いならば、与信審査を厳しくすれば、取扱高は減ったとしても収支改善は可能で、赤字が膨らみ続けることはありえません。決算説明資料に「年度決算での黒字化に向けて対応中」「バランスを考慮したリスクテイク」とあるのは、こういったことでしょう。

GMO-PGはおそらく当初から、ツケ払いは、運営してデータを蓄積しながら与信審査モデルの最適化(与信審査の厳しさ加減と取扱高の増減のバランスを取るということ)を図り、利益を極大化することを目指すビジネスモデルと考えていたと推測します。調整にはデータの蓄積が必須ですから、現時点で一時的な営業損失が出るのはやむを得ないでしょう。

ということで、2Qの金融関連事業の営業損失をみて、ZOZOTOWNのツケ払いが失敗だというのは勘違いです。スタートトゥデイの決算説明会でも「ツケ払いは4Qの増益ファクターのひとつてであり、今後も継続する。GMO-PGとは良好な関係を築いており、問題があれば協力して対処する。」みたいな話がありました。ツケ払いに本当に問題がある(あるいは、しつこくメディアが問題視してネガキャンを張られる)のであれば、やめればいいだけの話です。やめたところでスタートトゥデイにもGMO-PGにも業績に与える影響は軽微ですからw。

ネガキャン対応のためだけに中止するといった、便利と感じて利用している大半の利用者の利便性を削ぐようなことは、スタートトゥデイもGMO-PGも、利用者も望まないとは思いますが。

 

現在の株価水準(4,900円台)になったのは、ZOZOTOWNのツケ払いで騒がれた後の下落によるところが大きいと思います。今回の決算発表は絶好調だと個人的には解釈していますが、当期利益レベルで後払いに関する特殊要因から対前年同期比較で減益、セグメント利益もマイナスとなっています。

当期利益の減益要因が少々わかりづらいので、個人の中には「ZOZOTOWNのツケ払いビジネスでトラブって、減益となった」と誤った解釈をしている人もいそう。慌てて投げる人が増えて株価が急落してくれれば絶好の買い場なんですが、これは希望的観測かな?ww

 


さて本日、「不正アクセスによる情報流出に関する報告書」も公開されました。

問題のApache Struts 2は、GMO-PGでは脆弱性リスクを考慮して1年ほど前から新規のシステム開発に利用していないものの、それ以前のシステムについては切り替えが困難な状況から使い続けざるをえず、今回は1年以上前に開発したシステムが攻撃された模様です。
また、セキュリティコードが抜かれたのは、コードレビュー後の検証が不十分だったことに起因するとのこと。要はプログラムのチェックが甘くて、セキュリティコードが出力されるバグが残っていたということのようですね。

報告書にはいろいろな問題点が書かれていますが、ひととおり目を通した印象では、GMO-PG自体に組織的な、重大な過失があったわけではなさそうです。報告書には理想的な環境と比較しての問題点が書かれていますが、人的資源の問題とか現実的に対応困難な、システム開発・運営を行う会社ならどこも抱えている問題の指摘も多いような印象を持ちました。

エムスリーの2017年3月期決算が発表されました。売上高781億円(前年比+21%)、営業利益250億円(前年比+25%)、純利益169億円(前年比+26%)と連続増収増益を維持、好調です。

今期(2018年9月期)の業績予想は、売上高900億円(前年比+15%)、営業利益290億円(前年比+16%)、純利益195億円(前年比+15%)。いわゆる「二桁成長」であるものの、2017年3月期決算数値(前期比)と比べ、伸びが鈍化していると勘違いしそうな、控えめな前年比の予想です。
しかしながら、前年も前々年も、エムスリーの期初業績予想の前年比は同程度。特に懸念することではないでしょう。
エムスリーは保守的な業績予想を作成する会社で、未確定な事業やM&Aは業績予想に織り込みません。そのため、前期決算発表時の期初の業績予想は、いつも成長速度が鈍るかに見えるような数字がとなる、ということですから、問題ありません。

以下、決算短信、決算説明資料で印象的だった点。

□Vidal(昨秋に116億円で買収した、医薬品情報のデータベース関連事業を行う企業)
決算説明資料によると「買収が完了したVidalの営業利益(4ヶ月間)は379百万円(無形固定資産償却後)」とのこと。Vidal関連の無形資産は、のれんが0.7億円、商標権が84億円、カスタマーリレーションシップが14億円で、商標権については非償却、カスタマーリレーションシップは16年で償却のようですから、4ヶ月分の「無形固定資産償却」額は2千万円程度といったところかな。ちなみにVidal Groupの2015年営業利益は8.8百万ユーロ。エムスリーとのシナジー効果が出てくるのが楽しみですね。
エムスリーはIFRSを採用しているから商標権84億円は償却しません。「のれんを償却していかないと将来の減損が怖い」などという人もいますが、ナンセンスですねw。東芝や日本郵政を見れば明らかですが、ダメな買収の場合、すぐにメッキが剥げます。減損に追い込まれれば、2,3年償却していたところで大きな減損損失が出ることに変わりありません。IFRSを採用していなければ、日本の会計規則に従い償却していくことになるので償却自体は否定しませんが、「償却で減損リスクを低減する」なんて考えは幻想ですw。

 

日本の企業の海外M&Aは9割がた失敗すると、最近話題ですが、一方で日本電産は50社以上買収しても減損したことがないそうです。減損していないというのは結果に過ぎませんが、高確率で買収を成功させているという点では、エムスリーも日本電産に引けを取りませんね。

□アスクドクターズ(有料会員制で医師に相談できるポータルサイト)
「法整備が進み、ビジネスチャンスが見込めた段階で、アスクドクターズを基盤として一気に遠隔医療の事業化を進める」とあります。アスクドクターズについては最近、決算説明会であまり説明がないし、そもそも医療従事者向けのビジネスでもないので、これまで多少違和感がありました。
将来の遠隔医療事業につながることを期待しているとのことで、戦略的なビジネスだということがわかりました。

□M&Aの推進チームについて
M&Aの推進チームの紹介が、決算説明資料にあります。ひょっとすると求人関係でメディアに出たことはあるのかもしれませんが、決算説明などで投資家に対して紹介されたのは初めてかもしれません(自分の記憶にはないです)。
エムスリーのM&Aは、比較的短期間で業績を改善し、エムスリーとのシナジー効果を発揮できるようにすることに定評があります。日本の企業は総じてM&Aがヘタクソですが、そんななかエムスリーは、しっかり結果を出しています。

M&Aの推進チームは、投資銀行やVC等、金融ビジネス出身者が在籍する約10名のプロフェッショナルチームで、発足以来10年間、退職者ゼロとのことです。多くの日本企業が、高確率でM&Aに失敗するなかで、エムスリーのM&Aの成功確率の高さは非常に興味深いところです。

「都税サイトの情報漏洩問題」と「ZOZOTOWN(スタートトゥデイ)のツケ払い批判」について、GMO-PGの業績や成長性への影響を整理してみます。

 

まず、情報漏洩問題については、根本的な対処が非常に難しい問題です。GMO-PGはカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSに完全準拠という十分なセキュリティ対策を取り、いち早く対応したにも関わらず発生した事象です。たまたまGMO-PGで発生しましたが、個人情報などを扱うすべてのサイトで起こりえる、ある意味限界的な問題でもあります。(保持していないはずのセキュリティコードが何故漏れたのかについては、いずれ説明があろうかとは思いますが、セキュリティの問題なので細かい手の内までは明かさないかもしれません)

 

問題の発生を受けGMO-PGは何らかの対策を講じているはずで、その分費用が増えるとは思います。ただ、いくらお金をかけても抜本的な対策をとることは不可能ですし、費用対効果の低い対策で無駄にお金を使うこともないでしょうから、セキュリティ対策費の増加による影響は限定的だと思われます。

 

次に、都税サイト閉鎖による利益への影響ですが、2014年9月期株主総会後の事業説明会の質疑応答で「公金決済業務の利益貢献度は7~8%程度」との話がありました。
□2014年9月期 株主総会、事業説明会の質疑応答
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12023106198.html

公金事業は成長していますがECビジネスのほうが相対的に伸びていますから、現在はもう少し低くなっているかもしれません。さらに、GMO-PGの公金決済全体に占める都税の割合はせいぜい数%程度でしょうから、サイト閉鎖による利益への影響は軽微だと思われます。

 

今回の問題で、東京都から賠償金とかサイト閉鎖に対する保証金的なものが請求される可能性がありますが、契約の内容はわからないのでどの程度になるのかはまったく不明です。ただ、都税のインターネット決済は支払い方法のひとつであり、他の方法での納金は可能で、徴税業務への実質的なダメージはさほど大きくないはずですから、さほど大きな額にはならないのではと推察します。重大な過失があったわけでもないようだし、そもそも懲戒的損害賠償みたいな考えは日本にはないですからね。アナリストレポートによればGMO-PGは不正アクセスに関して保険に入っているようなので、今後万が一、不正利用による実害が発生したとしてもカバーされるでしょう。

 

次に「ZOZOTOWNのツケ払い」ですが、これは今年度の業績予想には含めていないと、昨年11月の2016年9月期決算説明会で説明がありましたから、大赤字にでもならない限り、負の影響はないでしょう。

ツケ払いはGMO-PGの後払い決済の子会社であるGMOペイメントサービス(GMO-PS)が行っています。当然ですが、利用には審査があり、信用が低いと判断された場合は利用できません。ツケ払いを運用していて延滞率が想定以上となったとしたら、その場合は審査基準を厳しくすれば抑制できるので、大赤字になることも赤字の垂れ流しみたいなことになることもないでしょう。
 

ツケ払いに限らず、金融ビジネスはちゃんと返済できそうな人を相手にするビジネス。基本的にはほとんどの人が期限内に払うはずです。利用客増はウェルカムでしょうけど、無理に間口を広げて返せそうもない人に利用させるメリットは、GMO-PGにもスタートトゥデイにも全くありません。
費用対効果を考えれば、たかだか54,000円のために、無理な資金回収なんかできないのは明らか。誤解を恐れずに言えば、踏み倒しても取り立ての人が家まで来ることはないでしょう。ただし、踏み倒せばその後は他サイトも含めて後払いはいっさい使えなくなるだろうし、将来的にクレカが作れないとかローンが組めないといった、大きなペナルティを喰らうリスクが高くなるでしょうけどw。
しかし、後払いみたいな仕組みと反社会的勢力絡みの闇金とを混同している人が多いですね。「闇金ウシジマくん」とかみて、ヘンな知恵がついている人が騒いでいる(あるいは、そういった連中を煽るような記事を雑誌が書いている)ように感じますww。


ということで結論としては、一時的に少し費用が増えることはありえますが、「都税サイトの情報漏洩問題」も「ZOZOTOWNのツケ払い批判」も直接的にGMO-PGの業績に大きな影響はないと考えます。

 

間接的な影響、例えばセキュリティの懸念から決済代行会社を切り替える動きが増えるというようなことも、あまり起きないように思います。ある程度の規模のECサイトであれば、決済代行会社を切り替えようと思うと、会社のシステムレベルにまで手を入れる必要があり、簡単には変更できません。
そもそも、今回はGMO-PGで漏洩問題が発生しましたが、前述したようにGMO-PGと同レベルのセキュリティ対策を採っている会社も少なく、あったとしても完璧な対策は講じようがなく、セキュリティ向上の観点では切り替え自体にあまり意味がないです。
「ツケ払いのような不健全なことに手を貸している会社とは縁を切る」みたいなことを言い出す経営者はほとんどいないでしょうし、「ZOZOTOWNのツケ払いをやっているGMO-PGが決済代行をやっているECサイトは使わない」なんてことを言うEC利用者も、おそらくいないでしょう。

ということで、中長期的な成長性についても、今回の問題が大きな影響を及ぼすことはないと考えます。

 

以上、現在知りうる情報に基づく、私的な見解でした。
一応断っておきますが、中長期スタンスで投資しており、短期的な株価がどうなるのかなんて難しいこと、自分にはわかりませんので、悪しからず。

最近は、情報漏洩やらツケ払いやらで、個人が嫌気して売りを入れたところに、上述したようなロジックで考えている人たちが、下値でしっかり買いを入れている、といったところでしょうか。地合いも悪く、慌てて買い上がらなくても売りものがパラパラと出てくる状況が続いていますからww。

さて、どうなることやら。

スタートトゥデイは11月に始めたZOZOTOWNのツケ払いが好調で、テレビなどにさかんに広告を展開しています。このツケ払いは、GMO-PGの後払いの子会社、GMOペイメントサービス(GMO-PS)が受託しています。

ツケ払いはテレビなどで派手に宣伝しているせいか、ネット上にはネガティブなコメントも見られます。昨日(4/9)、「つけ払いで破産する」とか「ツケ払いで借金地獄」とか「"ツケ払い"という安易な言葉で若者を騙している」とか「トラブったことがないのに審査に落ちた」とかいったツイッターコメントが増えているという、ツケ払いを問題視したブログが、カドカワ系?のファッション情報系サイトにあがり、ツイッターでバズっています。

ZOZOTOWNのツケ払いは一種の後払いで、商品到着後2ヶ月以内に支払う方法。その延滞リスクはGMO-PSが負っています。GMO-PSは3年ほど前に設立され、順調に業績を伸ばしており、昨年度は決済処理金額が一昨年度の1.7倍となっています。昨年8月の28年9月期3Q決算説明会では「GMO-PSは単月黒字化しており、29年9月期は黒字予算を組む予定」との説明がありました。
http://www.irwebcasting.com/20160801/5/a2caa9c654/mov/main/index.html
(この時点ではZOZOTOWNの話はなく、後の説明会ではZOZOTOWNで導入されて成長が大きく加速する、というような話がありました。)
GMO-PSは、漫然と後払いビジネスをやってきているわけではなく、利用者の情報を分析、ノウハウを蓄積することで延滞の低減に努めた結果、延滞率は開始当初の3分の一となり、そのことが黒字化に貢献したとのことでした。

違法なサラ金のイメージが強いせいか、こういったビジネスは「安易に貸し付け、厳しく取り立てる」ようなビジネスモデルだと勘違いしている人もいますが、お金のない人や返すつもりがない人に貸すのはリスクが高く非効率的で、ビジネスとして成り立ちえません。トラブルメーカーからお金を無理やり取り立てても、儲かりません。かつてのサラ金だって、厳しい取り立てで利益を上げていたわけじゃないですw。
後払いはあくまでも手数料で利益をあげるビジネスで、決済額を増やすことと、ノウハウの蓄積で延滞率を低減することで利益成長をしていくビジネスモデルです。

GMO-PSのノウハウの蓄積は当然、ZOZOTOWNにも生かされているはずです。
ZOZOTOWNのつけ払いは上限が54,000円。54,000円で(法律上の)破産なんかしませんからw。ツケ払いとはいえお金を借りているのと同じなんてことは、普通の人ならわかるでしょ。期限までに払わなければならないということは年齢や金融リテラシー以前の、いわば常識レベルの話。「"ツケ払い"なんて言葉についつい騙された」なんていうのも、払いたくない人のイチャモンの類です。「近所の飲み屋のツケと同じで踏み倒しても構わない」ぐらいのイメージで利用した人もいるかもしれませんがww。(近所の飲み屋だって踏み倒されたら怒りますww。)

また、問題がないはずなのに審査に落ちたというのも、ZOZOTOWNを過去に一度も利用したことがないとか、他のECサイトで延滞したことがあったりとか、延滞履歴のある家族や同棲しているボーイフレンドとかに勝手に名前を使われ支払時にトラブったことがあったりとか、いろんなケースが考えられます。クレジットカードと違い偽名で申し込むこともできてしまうから、同一住所の家族が過去にトラブっていれば審査が難しくなるのは、容易に想像できます。何も問題ない人を審査で落とすことに、なんのメリットもないですから。

後払い決済市場は2010年~2014年に年平均40.4%で成長、2020年には市場規模が5,500億円規模に達するとの予想がある成長市場。かつてGMO-PGも出資していた、後払いに強い決済会社のネットプロテクションズも業績を大きく伸ばしています。
以下、ツケ払いについて、以前に書いたエントリ。
■ZOZOTOWNのツケ払いについて
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12243337994.html
■2016年9月期3Q決算について(GMO-PG)
http://ameblo.jp/2sc372/entry-12187431097.html

ZOZOTOWNのツケ払いだけを見て「ツケ払い(後払い)が問題だ」「つけ払いは危険だ」と騒ぐというのは、なんだか変な話です。関係ない人がトラブった人に代わって騒ぐ(あるいはトラブルを妄想して騒ぐw)、いわゆる"マイノリティ憑依"。「こういうサービスを利用する人はクレカも持てなくて情弱」と決めつけて茶化している人たちは、マイノリティ憑依というよりマウンティングで優越感に浸りたいだけなのかww?
昔、マルイのクレジットが「若者を食い物にしている」とずいぶん叩いたメディアがいたけど、似たような話かも。ほとんどの利用者は便利だから使っているはずで、騙されたなんて思っていないでしょう。

ZOZOTOWNのツケ払いについて問題視しているブログは以下。書いているのはこの会社の代表で、ツイッターに投稿してバズったみたいです。
□SNSで「ZOZO ツケ払い」で検索すると阿鼻叫喚の嵐だった件
この会社、カドカワ(ドワンゴ)も絡んでいるみたいですが、カドカワという出版系の会社の関連する会社が、ツイッターのコメントだけを材料によく調べもしないで、一企業のビジネスを問題だと騒ぐというのは、どうなんでしょう。
カドカワはGMOとスタートトゥデイに喧嘩を売っているんでしょうか? 
それとも、あまり人気のあるサイトでもなさそうだし、カドカワも見てもいないのかなw。
4月4日、ひふみ投信の2017年3月月次運用報告がありました。

ひふみ投信は2017年3月21日付のレポートで、先日の情報漏えい問題を受けてGMO-PG株を一部売却し、様子を見ていると報告していました。
今回の2017年3月月次運用報告の組入比率上位には、GMO-PGは登場しません。GMO-PGの保有状況について、動画の運用報告で説明があり、保有数の約7割を売ったとのことでした。
ひふみ投信は2月末時点で、GMO-PG株を47.2万株を保有していたので、現在は14万株程度を保有しているということでしょうか。
ひふみ投信としてはもう少し下げると考えていたが、GMO-PGへの高い信頼やこれまでの株主との対話の実績を評価されたからか、思いの外下がらなかったとのこと。「この会社の成長力は、打撃は受けたが変わっていないとみている。今後の調査結果次第ではあるがこの先、さらに下げるなら、買い戻すこともあるかも。」というような内容の話もありました。

上述のエントリにも書きましたが、ひふみ投信と同様、「一部残して売却、様子見」というスタンスのファンドは多そうです。全部売却したファンドもあると思いますが、そういったファンドもすでに売却済みでしょうから、ファンドからの大きな売り圧力は現在はほとんどない状況でしょう。

現在下げているのは、地合いの悪いなか、先日の急落の安値5070円からのリバウンド狙いで買った短期勝負の個人の売りや、まだ下げると考える個人の新たな空売りなどで下げていると推察します。昨年12月の3,800円台から3ヶ月ちょっとで2倍近くに急騰した後なので、5000円台前半でも十分に利が乗っている人は多く、リバウンドが鈍いのを見て、見切り売りを出す人たちもいそう。
ファンドが様子見をしているなか、個人中心の細かな売りに押されてだらだらと下げているような感じです。地合いも悪いし、慌てて買わなくても売りものが出てきやすい状況ですから、買い始めた投資家でも下値を少しずつ拾いながら様子を見ている、といったところでしょうか。

ひふみ投信は、GMO-PGの成長性は不変と考えているとのことですが、これは問題発覚後の野村證券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券の見解と概ね一致しています。同様に考える投資家は多そうで、いわゆる"買いたい弱気"。きっかけ待ちといったところで、株価の下げ止まりが見えてくれば、また買い始めるでしょう。

さて、昨日(4月4日)の引け後、GMO-PGから続報がありました。
3/31にフォレンジック調査の報告(最終インシデント調査報告書)があり、これまでに発表されたもの以外への不正アクセスは確認されなかったとのこと。他のサイトへの問題の広がりはないみたいで、会社全体のセキュリティ管理の構造に起因するものではなかったようです。
今回の問題も少しずつ収束に向かい始めているようですね。

以前から書いていますが、GMO-PGのセキュリティはかなり厳格(PCI DSS完全準拠)であり、決済代行会社として特段の問題はないと考えられていた水準。開発用ソフトの脆弱性に起因する今回の問題は、想定上起こりうる事象ではあるものの、完全な対策を講じることは困難で、これは限界的なレベルの問題です。素人目で考えれば、JPCERTからの注意喚起情報が出る前でも、脆弱性の可能性の情報があれば調査・チェックを始めるようにする、といった程度の対策しかなさそうです(完璧にはなり得ないけどやらないよりはマシ、みたいな対策)。
費用対効果的には?の対策でも、GMO-PGは決済代行の粗利が85%もあることを考えれば、実施は十分可能でしょう。規模が大きい会社であるからこそ、お金のかかる対策でも可能ということ。
長い目でみれば今回のような問題は、GMO-PGのような大手の寡占化が進むことにつながっていくのかもしれません。

上述のひふみ投信の動画をみると、現預金保有比率が15%とキャッシュポジションがずいぶん膨らんでいるようです。ひふみ投信の「さらに下げたところで拾う」みたいな話は、ちょっとポジショントークっぽいですねw。

最近のひふみ投信の保有数、株価の推移は以下のとおり。
年月______月末株価_______月末保有株数______________組入比率
15年04月__3,105円___________37.0万株___________________2.43%
15年07月__4,065円( +960円)__35.4万株(△1.6万株)____2.03%

16年02月__6,360円( +160円)__34.5万株(+2.1万株)___2.25%
16年03月__7,620円(+1260円)__18.9万株(▲15.6万株)__1.3%
16年04月__7,050円(▲470円)__20.2万株以下
16年05月__6,950円(▲100円)__23.1万株以下
16年06月__5,800円(▲1150円)_35.1万株___________________1.8%
16年07月__5,900円( +100円)__38.1万株(+3.0万株)_____1.88%
16年08月__4,770円(▲1130円)_50.3万株(+12.2万株)____2.02%
16年09月__5,260円( +490円)__50.2万株(▲0.1万株)_____2.08%
16年10月__4,830円(▲430円)__50.3万株( +0.1万株)_____1.89%
16年11月__4,710円(▲120円)__47.2万株(▲3.1万株)_____1.77%
16年12月__5,200円( +490円)__47.2万株(   -          )_____1.99%
17年01月__5,620円( +420円)__47.2万株(   -          )_____2.15%
17年02月__6,410円( +790円)__47.1万株(▲0.1万株)_____2.13%
17年03月__5,550円(▲860円)__14万株?(▲34万株)?

※17年03月については、運用報告動画の「約3割残した」から推計。



GMO-PGのマネーサービスビジネス(MSB)のひとつに、ファイナンス・リース取引があります。ファイナンス・リースは昔からある、オーソドックスな金融手法ですが、2017年9月期の貸借対照表上のリース債権は73億円で、前年の23億円から50億円増と、順調に資産が積み上がっています。

有価証券報告書によれば、これは「所有権移転ファイナンス・リース取引(リース物件の所有権が最終的に借り手に移る取引)」ですが、相手先などの具体的な内容の記載はありません。昨年12月の事業説明会の質疑応答では「ファイナンス・リースは東証一部上場の財務体質が極めて盤石な企業との取引」との説明はありましたが、企業名の言及はありませんでした。
□2016年9月期 株主総会・事業説明会 ~その1

さて、ネクシィーズグループ(以下、ネクシィーズ)という一部上場企業の有価証券報告書の「生産、受注及び販売の状況」欄に、販売の相手先としてGMOペイメントゲートウェイの記載があります。2017年9月期の「販売高」が73億円、前年は29億円と、GMO-PGのリース債権の期末残高とほぼほぼ一致しており、リース取引の相手がこの企業である可能性が高いことがわかります。

ネクシィーズは、LED照明等の省エネ機器を企業にレンタルし、5年後にレンタルした機器をその企業に無償譲渡する「Nexyz. Zero」というビジネスが急成長している会社です。省エネ機器の導入で大幅に電気代が下がりますが、そのコストダウンの分の電気代の一部がネクシィーズに還元される(レンタル料金として支払われる)というビジネスモデルで、飲食店や旅館を中心に利用者が急増しているようです。
このネクシィーズという会社、もともと情報通信関連のビジネスを手がけていた会社で、ウェブマガジンとか、スマホゲームとか、いろんな事業を手がけてきたんですが、ここ1,2年はこのNexyz. Zeroが急成長、メインの事業となり会社の成長を牽引しています。決算説明会資料・説明動画によれば、LED照明の取扱は3000種以上にものぼり日本一の実績、まだまだ伸びるとのことです。飲食店等だけではなく、いろいろ応用できそうな、なかなか面白いビジネスですね。

GMO-PGからネクシィーズがLED照明等の省エネ機器をリース(所有権移転ファイナンス・リース取引)し、ネクシィーズはそれらの機器を企業に転リースしている、ということなんでしょうか?
飲食店等は数年で潰れることも多いけど、転リースならGMO-PGには影響がないということなのか、また、ネクシィーズがNexyz. Zeroの契約を行う際に与信の部分とかでGMO-PGが絡んでいるのか、いろいろと興味深いですね。
ネクシィーズはGMO-PGの転リースなどをせず、自身で資金調達して機器をリースするほうがNexyz. Zeroの利益は厚くなるはず。にもかかわらず、Nexyz. ZeroにGMO-PGのファイナンス・リースを用いているのには、何か理由があるはずです。
GMO-PGはファイナンス・リース関連のB/S残高が急成長しているにもかかわらず、決算説明会で詳しい説明をしないことに少々違和感がありましたが、Nexyz. Zeroでは昔からあるオーソドックスなファイナンス・リースではなく、GMO-PGの何らかのノウハウ(与信とかフィンテック関連の何か)が入っていてるから、戦略的に詳細説明をしていないと考えるのは、穿ちすぎでしょうかw?

ネクシィーズの貸借対照表にこのリースに対応する記述が見つからないんですが、「(4) 重要な収益及び費用の計上基準 ファイナンス・リース取引に係る収益の計上基準」に、「リース取引開始日に売上高と売上原価を計上する方法によっております。」としていることによると思われます。

ネクシィーズはNexyz. Zeroの利用料金を「レンタル料金」としていることからも、リースという認識ではないのかもしれません。一般的に期間の定めがないものをレンタルと呼びますが、レンタルで設置された機器でも取り外しは容易ではないし、確か会計上はリースとレンタルの区別は曖昧だから、どっちでもいいのかもしれません。
(自分はリース会計の知識に疎く、まったく勘違いしているかもしれませんが)


さて、ネクシィーズの取締役にはGMO-PGの取締役でもあるGMOの熊谷さんが名を連ねています。この点について、アウトサーダーズレポートという怪しい?経済情報サイトが、ネクシィーズの有価証券報告書に関連当事者との取引の開示がないことに噛み付いていますw。
http://outsiders-report.com/archives/515

この情報で、奇しくもGMO-PGのリース取引の相手がネクシィーズであることがわかったんですが、このサイトが問題視している関連当事者との取引の開示の記載内容については、ネクシィーズの監査法人である新日本有限責任監査法人が有価証券報告書作成時にチェックしているはず。万が一、新日本のチェック漏れだとしても、個人的には騒ぐほどの重要なことなのかな?といった感じです。

しかし、IRに一方的に質問を投げて期限付きで回答を要求し、返事がないからといってネットで公開質問状だと騒ぐというのは、どうなんでしょうね。企業がこういった質問にいちいち答える必要がないことは、言うまでもありませんw。
先日のGMO-PGの情報漏えい問題で、以下のような意見を見かけます。
「GMO-PGはPCI DSSに完全に準拠しているはずなのに問題を起こした。PCI DSSに完全準拠というのは嘘だった。」
「PCI DSSは欠陥がある、お手盛りの基準だ。」
以前から何度も書いていますが、「システムがPCI DSSに完全準拠しておけば、情報漏えいは起きえない。」というのは誤解です。

日本カード情報セキュリティ協議会のHPには、以下の記述があります。
「PCI DSS遵守により、企業価値(信用、ブランド)の向上はもちろんのこと、これまでの個人情報保護制度と違い、より具体的にセキュリティポリシーを定義されることにより、現実的にハッカーやクラッカー等による 様々な不正アクセスからお客様のサイトを保護し、サイトの改ざんや悪用、情報盗用などのリスクを低減します。」

つまりPCI DSSは「リスクを低減」する基準であり、「遵守すれば絶対に安全」というものではありません。
これは、絶対の安全を保証するような基準は論理的にも存在しえないので、PCI DSS準拠が認定されているかどうかを、十分な安全確保がなされていることの基準としている、ということです。情報漏えいから被害が出たような場合に、PCI DSS準拠が認定されていれば、損害補償の義務が免責されるという、具体的なメリットもあります。

GMO-PG自身に問題があった可能性はあるけど、これまでの情報だけでGMO-PGのPCI DSS準拠が嘘だとか、PCI DSSに欠陥があるとか言っている人たちは、いろいろ勘違いしています(勘違いとか以前に、不安を煽ってなんとか株価を下落させたいだけの売り方が多そうですw)。

PCI DSSについて、少し整理しておきます。
■PCIデータセキュリティスタンダード(wikipedia)
■5分で絶対に分かるPCI DSS

PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)は、VISAやMastercardなど、クレジットカード会社がクレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準で、PCI SSCという管理団体が管理しています。このPCI SSCが認定した監査機関(QSA、ASV)がPCI DSSに準拠しているかどうかの審査・認定を行っています。

PCI DSSの認定には12の要件がありますが、要件の具体的なチェック項目は400以上あるとのことで、GMO-PGが標榜する"完全準拠"は容易ではありません。またPCI DSS認定を維持するためには毎年、QSAによる実地監査を受けなければなりません。ちなみに、PCI DSSは取得には最低1,000万円以上、維持に毎月100万円以上要するとのこと。金銭的な点に加えて、専門性の高い人的資源の投入や業務手順の変更等も必要となり、PCI DSSは取得企業にかなりの負担がかかることになります。
このようにPCI DSSはかなり厳格なもので、お金を払って箔付けしてもらうためのものでも、一回取得して放ったらかしにしておけるものでもありません。
PCI DSSは決済代行業者のみならず、カード情報を扱うすべての会社の安全基準なんですが、システムをPCI DSS準拠とするのは負担が大きく、EC事業者の場合、一部の大手以外は不可能です。

経済産業省および日本クレジット協会が2016年2月23日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」では、カード決済を行う事業者に、2018年3月末までにこのPCI DSSの準拠または、カード情報の非保持化に対応することを求めています。上述のような理由から多くのEC事業者は後者、つまりカード情報の非保持化を選択せざるを得ません。

「カード情報の非保持化」とは、ECサイトで商品を注文する際に顧客のクレジットカード情報を入力する際に、カード情報をそのECサイトに保持しないということです。実際は保持しないだけではなく、ECサイトにカード
情報を通過させないで決済代行会社に渡す(非通過型決済)ということです。

自社でいったんカード情報を保持して決済代行会社に渡す仕組みのECサイトは、2018年までに、カード情報の非保持化実現のため、GMO-PGのようなカード情報の非保持化、非通過型決済に対応した決済代行業者を利用するかたちにせざるを得なくなるということですから、こういう流れは大手の決済代行事業者には有利ですね。
2016年3月24日に経済産業省から、GMO-PGに報告を求めたというニュースリリースが出ました。
■GMOペイメントゲートウェイ株式会社に対して個人情報保護法に基づく報告を求めました

報告を求めたというニュースリリースですが、多分これは形式的な報告でしょう。
GMO-PGは問題発生直後に経産省にも報告しているはず。決済の電子化推進等でGMO-PGと経済産業省はつながっており、関係が悪いわけでもないですから、これまで非公式な報告もしていないということは、ちょっと常識的には考えられません。
もし発生直後にGMO-PGから報告がなかったとしても、経産省の担当者はGMO-PGに状況説明を求めているでしょう。問題発生後から担当者への状況報告は随時行われ、担当者レベルでは最新の状況を把握していると考えるのが自然です。

今回の報告要請についてもおそらく、経産省の担当者が事前に「いつなら報告が可能となるか」をGMO-PGに問い合わせて調整を図り、報告期限を決めてから正式な報告の要請を行った、ということなんでしょうね。
2017年3月21日付のひふみ投信の最新のレポートに、GMO-PGの情報漏えい問題を受けて「~(GMO-PGの)株式は一部売却をし、今後の状況を見守ってまいります。」とありました。

投資信託は顧客から資産を預かり、運用を行っているので、ファンドの資産価格の下落リスクを回避するため、不祥事や事件が発生した場合に、こういう行動をとるのは合理的です。おそらく、他の多くのファンドも一斉に同様のリスク回避行動に出た結果、狼狽売りや損切りの個人を巻き込んで3/13,14の急落に繋がったということでしょう。
ファンドはリスク回避のためなら、売値を気にせずに短期間で処分してきます。保有し続けて更に悪いニュースが出た場合、ファンドマネージャは持ち続けたことに対する説明責任が求められることになりかねませんからw。

GMO-PGのHPを見ると3/17以降、この件についての発表はなく、他の運営受託先で同様の問題が発生したというプレスリリースもありません。その他大きな問題があれば、真っ先にプレスしているはずですから、会社全体の問題にはなっていなさそうです。また、メディアでGMO-PGをバッシングするような動きもないし、今回の事象に絡めてインターネットを介した電子決済が危険だと煽るようなニュースなども出ていません。フォレンジック調査は継続中ですが、緊急を要するような発表がないことから察すれば、今のところ、さほど広がりはなさそうな感じです。

こういった不祥事は経験上、一過性のことが多。GMO-PGをしっかりリサーチして投資しているのであれば、問題が収束に向かうようなら、安いところで拾っておきたいと考えるファンドマネージャも多いでしょう。
ひふみ投信は「一部売却」とのことだけど、他のファンドもいくらか残して処分し、様子見しているところが多そう。3/13,14の急落で大方の売りものは出尽くしているような状況ですから、フォレンジック調査の結果でよほど悪い結果が出ない限り、ある程度は買い戻しが入りそうです。

本日(3/23)は少し上げていますが、少しずつ打診買いが入り始めているのかもしれませんね。