スタートトゥデイは、GMO-PGが受託するZOZOTOWNのツケ払いの利用者数が、100万人を突破したと発表しました。
■ZOZOTOWN、決済サービス「ツケ払い」の利用者数が100万人を突破!「ツケ払い」の利用者属性を初公開
https://www.starttoday.jp/news/20170818-2508/
利用者100万人突破を記念して「ツケ払い手数料無料キャンペーン」を実施、利用手数料は1注文につき324円が無料となるとのことです。キャンペーン終了は未定とのことですが、しばらくはツケ払いが現金購入と同額で利用できるということですね。
推測ですが、このキャンペーンはスタートトゥデイからGMO-PGに払われるべき手数料相当額を、プロモーション費用としてスタートトゥデイが負担していると考えられます。新たな利用者の獲得に1人324円なら、安いものですw。
スタートトゥデイの1Q決算は絶好調でしたが、決算説明会ではその原因のひとつがツケ払いであると説明がありました。スタートトゥデイとしても、ツケ払いを重要な戦略と考えているようですね。
○ツケ払い(後払い)はZOZOTOWNのオリジナルではない
ZOZOTOWNのツケ払いは、GMO-PGの100%子会社GMOペイメントサービス(GMO-PS)が3年ほど前に始めた"後払い"サービスと同様のもので、ZOZOTOWNのオリジナルではありません。そもそも、後払いもGMO-PSだけのサービスでもありません。
例えば、コンビニ後払いで急成長しているネットプロテクションズという会社がありますが、ホームページを見ると「成長率30%超、年間ユーザー数3,000万人超」とあり、後払い(未回収リスク保証型の後払い決済サービス)という決済手段が急成長していることがわかります。
https://www.netprotections.com/service/
これはZOZOTOWNに限らず、後払い自体に大きなニーズがあるということを意味します。
(ネットプロテクションズは2002年から後払い決済を開始していることから、後払い自体、新しいサービスでないこともわかります。ちなみにネットプロテクションズはGMO-PGが2006年に出資した(増資に応じた)会社。1年ほど前に株を売却して2億円弱の売却益を計上しています。)
○後払いのビジネスモデル
貸付の審査を甘くして貸付相手・金額を増やすようなことをすれば当然、支払えなくなる人が増えて利益は出なくなります。従って「騙してでも貸し付けて、厳しく取り立てる」なんてことは、ビジネスとしてありえません。いちいち取り立てなんてしていたら、人件費が嵩み、絶対にペイしませんから(個人の少額融資では尚更です)。
ZOZOTOWNでも同様で、審査をパスしなければツケ払いは利用できない仕組みです。返せなさそうな人には貸さないのは、金融ビジネスの基本。「ヤクザに激しく取り立てさせる」なんていう状況は、まともなビジネスではありえません(漫画の読みすぎですw)。
後払いビジネスの成長モデルは、全体の延滞率を低く抑えつつ、貸付を増やしていくもの。貸付条件を厳しくしすぎれば、貸付は増えず、ビジネスは成り立ちません。そのために、貸付相手の属性(性別、家族構成、年収、持ち家・借家、居住地域 等々)をできるだけ把握し、統計的なデータ活用も含めて、延滞率を抑えつつ貸付を増やせるような審査のシステム(与信モデル)を構築、運用しながら調整をしていくビジネスモデルです。
GMO-PGの決算説明会資料を見ると、ZOZOTOWNのツケ払いによる影響で2Qの金融関連事業の損失がいったん膨らみましたが、3Qではかなり改善しました。与信モデルのチューニングをして改善したということです。GMO-PSの後払いはビジネス開始当初に比べて延滞率が三分の一程度に下がり、ようやく利益が出せるようになったと以前の決算説明会で説明がありましたが、GMO-PSで蓄積してきたノウハウがツケ払いにも活かされるということです。
与信モデルの調整により、お金を返せそうな人にできるだけ利用してもらい、返せなさそうな人はできるだけ利用させない仕組みを作り上げていくわけですが、決算説明会では「審査を厳しくしているにも拘らず、利用者が微増しているのは非常に良い傾向。」「引き続き(スタートトゥデイとの協調体制を取っていきたい」との説明がありました。
○ツケ払いに対する非難
相変わらず、インターネット上では、ツケ払いを手厳しく非難する人たちがいます。「クレジットカードもないのに後払いで洋服を買うのはおかしい」「スタートトゥデイは、クレジットカードを持てない人を騙して借金させている」「払えなくなった人は厳しい取り立てに遭うのではないか」といったことを問題にしています。上述の通り、最大54,000円のローンに厳しい取り立てなんかありえませんが、まだまだ誤解されている面も多いようです。
一昔前には、マルイのカードが「若者を借金漬けにしている」「若者が安易にクレジットカードを持つのはダメだ」とマスコミにかなり非難されましたが、今となっては若者のクレジットカード決済なんて当たり前です。もう一昔は「クレジットカードを使うということは安易に借金してモノを買うのことであり、不健全」だと言われていたそうです。現金決済以外を否定する人達がいるのは、今も昔も変わらないですね。
ツケ払い(後払い)は現在、急速に拡大している決済手段です。クレジットカードを持てない人だけが使っているわけではなく、持っていてもクレジットカード番号をインターネット経由で入力したくないとか、クレジットカードに利用履歴を残したくないとか、いろんな理由で使われているといわれています。
このまま順調にツケ払いが成長して決済手段の一つとして認識されることになれば、こうした非難も減っていくでしょうね。
ZOZOTOWNで後払いのノウハウを高めることは、GMO-PSにとっても大きなメリットです。急成長する後払いビジネスでプレゼンスが高まれば、他社のECでも同様の後払いの採用につながるでしょう。また、ECには興味があるものの、クレジットカードを使いたがらない層の顧客データの収集もできるわけで、GMO-PGの今後のビジネスにもメリットは大きいですね。
ZOZOTOWNのツケ払いについて以下のエントリにも書きました。
(スタートトゥデイに分類してありますので、リンクを貼っておきます。)
■ZOZOTOWNのツケ払い、手数料無料キャンペーン【スタートトゥデイ】
https://ameblo.jp/2sc372/entry-12303269368.html

