アミューズの株主総会、今期の業績予想が増収減益となった点について、畠中さんから「(営業利益については)多少、保守的に見込んでいる」というような説明がありました。
アミューズは前々期、前期と2期連続の減益。
アーティストの活動状況に業績が左右されるので仕方ない面もありますが、前々期は減損処理の発生、前期は2月に入ってからの下方修正と、結果が出ない状況が続いており、「40周年となる今期は業績予想を下回る結果を絶対に出したくない」という思いの表れ、ということではないかと推察しています。
今期の年間配当予想は記念配当15円を加えて40円(前期は25円)としているし、業績不振という状況でもなさそうですしね。
アミューズの収入の大半は、ライブチケットとファン向けのグッズ販売。
どちらも定価はないし、直接的な競合は存在しない商品です。ライブチケットは、二次流通での高額転売が問題視されるほどの人気だし、グッズ類は「すぐに売り切れて買えない」という不満がファンから出ているような状況です。
チケット価格は公演ごとにバラバラだし、少し価格を上げても誰も文句を言わない(というか、気づかない)。これはグッズにも同じことが言えます。
つまり、アミューズは人件費等の上昇を価格転嫁するのは比較的容易、ということです。
(Tシャツがすぐに売り切れるという株主の不満に対して、売れ残りのリスク云々と説明がありましたが、売れ残りの損失分を販売価格に転嫁すれば良いだけの話で、コンビニの弁当と同じこと。スーパーの弁当のように値引き販売はできないけどw。)
アミューズの場合、株主と所属アーティストのファンが重なっているし何かと注目されているから、たとえ株主総会であっても「チケット価格やグッズの価格を値上げて、会社の利益を確保します」とは決して言わないでしょうけど。株主として値上げはウェルカムだし、利潤追求は企業として当たり前のことですが、値上げと聞けば何かとイチャモンつける人も多いですから。まぁ、しれっと値上げすればいいだけの話ですけどねw。
JASRACへのコンサート使用料の関係でチケットの価格を細かく設定できないという問題も、遅かれ早かれ解消に向かうでしょうし、そもそもライブチケットの価格は、欧米なんかと比べてずいぶん安い。チケット価格の値上げ余地は大きいように思います。