マクロスのディスプレー台に取付ける大型LSTです。

 これも先輩の熟成品です。

 他にカムジン艦も買ったようですが、なかったので先輩が

完成させたのでしょう。

 こいつはカムジンやラプラミスの乗艦と違って、艦隊の

賑やかしでちょっと出る程度ですが、なぜかキット化されて

いました。

 出す方も出す方ですが、先輩のように買う方も買う方です。

 当時は私の認識以上に流行していたのかもしれません。

 

 発掘時の状態です。

 上下パーツをくっつけて、エンジン部のふくらみパーツを

付けた初期の段階で止まっています。

 ブリタイ艦と違って、紛失パーツはありませんでした。

 このキットにはあのめんどくさい形状のアンテナが6本も

あります。

 全部残してくれた先輩に感謝です。

 

 しかし、ブリタイ艦同様突っ込みどころは満載です。

 まず、艦体が単調すぎます。

 元々そんなにくびれや起伏は少ない艦ですが、定規で引いた

ような側面と、ソーセージの頭のようなつるんとした丸い艦首、

切り落としてふくらみを付けただけのようなエンジン後部は、

これがゼントラーディー軍艦か?と思えるようなシルエットです。

 そして、無駄に大きく張り出した側面のタンク。

 単調なシルエットをごまかすためにわざと太く作ったとしか

思えません。

 設定資料の図では半分以上艦体に埋もれています。

 なんか弱そうな部分なので、必要以上に外部にはみ出すのは

まずいと判断してデザインされたのかもしれません。

 幸い40年程度経過して接着が弱まったのか、上下パーツ

などがこじって引っぺがせたので、手を入れてやろうと思います。

 

 

 まずは艦首と艦尾の改造のための下ごしらえから。

 艦首は、上部が前にせり出しており、下部の左右がえぐれています。

 艦尾は胴体の切れ込みがもっと奥まできており、側面のふくらみと

なめらかにつながっています。

 また、舷側には、ブリタイ艦ほどではないけど強い段差が艦尾の

ふくらみから艦首近くにかけて伸びています。

 キットではスジボリの細い溝なので、もっと大げさにすべきと

考えました。

 これらの加工で単調な艦体にメリハリが付けばいいと思います。

 

 以上の修正をするため、以下の加工をおこないました。

 

 艦首下部の左右を削って大きくえぐります。

 メリハリをつけるために、多少多めにえぐってみました。

 当然、肉厚が足らずに穴が開きます。

 この部分に裏からランナーのタグなどの端材をくっつけて、パテで

盛っておいて、後の整形に備えます。

 また、艦首下部は顎のように少し突き出した部分があるので、

少しでもメリハリの足しになればとランナーを切ってくっつけて

います。

 

 側面の溝を掘る部分の裏にもランナーを貼り付けて、溝堀時に穴が

空いた時に後から塞げるようにしておきます。

 パーツ内側は湾曲しているので、プラ板でも隙間ができます。

 ランナーは最初から丸いので、削る手間が少し減ってプラ板も節約

できます。

 ランナーも太めのものをチョイスします。

 昔の舶来キットにはかなり太いものが多くて重宝しますが、あまり

買っていないので、残りが少なく心細いです。

 今更プラ丸棒を使うのはもったいないし。

 

 後部エンジン部は、内側がふくらみパーツと船尾に段差ができるので、

端材をくっつけてパテを盛って、ツライチに整形します。

 

 

 ついでに、ディスプレー台につけてみたらガタがおおきいので、取付穴

周囲にプラ板をつけてがたつきを抑えています。

 ブリタイ艦ではこれで失敗して、台の差し込む爪を嵩増しして落ちない

程度に修正しています。

 

 裏うち補強・硬化後に、ルーターで段差の部分をためしに彫り込んで

みました。

 補強部分とずれた箇所が出たので、追加でランナーをくっつけてパテを

盛っています。

 

 今度は艦体上部パーツです。

 艦首上部のせり出しを作るため、艦首をエッチングソーで切り離した後、

ランナーを付けて嵩増ししています。

 切断位置は、モールドのなくなる最前部で、それより前はまったくの

つるつるです。

 これはメーカーがユーザーに期待している表れか。

 「後は任せた、存分にやれ!」ってか?

 

 

 こうして、またもや一筋縄ではいかない予感たっぷりの製作が始まり

ました。

 こいつも完成までどのくらいかかるやら。