熟成品 自分のだけとは 限らない 字余り。

 ARII製、超時空要塞マクロス 1/20000 ブリタイ艦、

学生時代の先輩の熟成品です。

 

 

 先輩方が卒業されるときに、後輩達に様々な置き土産が渡されます。

 本やノート・レポートだったりバイクや家電・衣類など、これは

塗料やジャンクパーツなどと一緒に先輩から譲り受けたものです。

 私も卒業時は乗っていた原付(これも元々は先輩から譲られたもの)

などを後輩に譲りました。

 当時は金なしの学生の身分、こんなに積みプラが増えるなど

予想だにしていなかったので、喜んで渡されるがままに全部頂いた

ものです。

 当時は、「もうやらないから。」と言っていて寂しく思いましたが、

同窓会で、「ヨット作った。」などと話してくれて嬉しかったです。

 頂いたプラモデルなどを返そうかと提案したら、苦い顔をして

断られました。

 という訳で、先輩の尻ぬぐい、もとい、引継ぎで完成させたいと

思います。

 

 デカールなし、パーツは一部欠品はあるものの、オマケの

マクロス要塞艦も付いていました。

 

 

 改めて設定資料と見比べると、こんなものよく買ったなーと

思えるくらいの出来です。

 設計図の完成写真と資料イラストを比べても違うのが丸わかり

です。

 人気があったので、作り手側も多少難があっても出せば

売れると思ったのでしょう。

 私も当時バルキリーなど他のプラモデルを作りましたが、

ヤスリで削りまくった思い出があります。

 ここで修正点を上げ連ねるのは大変なので、作製時に都度指摘

していきたいと思います。

 

 まずは艦首から。

 とにかく平ぺったいです。

 資料でも画像でも縦長、せいぜい正方形ですが、こんなに

横長では別物としか思えません。

 しかも角ばっていて先端も切り落としたように平たいです。

 実物はもっと丸みがかっています。

 艦船は艦首が命です。

 波動砲口のないヤマトはヤマトじゃないくらい、艦首は重要だと

自負しています。

 他はそこそこらしく見えるので、ここは絶対手を入れるべきと

思いました。

 

 

 通常ならば、さっさと中央から真っ二つにして幅を詰めてやる

ところですが、細かいディテールやスジボリがあり、これを全部削り

落とすのはまずいです。

 他の未加工の部分とバランスが取れなくなるので、スジボリなどを

したり、ディテールを復元しなければなりませんが、細かすぎて無理です。

 という訳で、モールドを極力保護する形でプロポーションの修正を

おこなっていくことにしました。

 幸い、艦体上部と下部は簡単に分解できたので、上下別々に

おこなっていくことにしました。

 

 まずは艦首上半身から。

 モールドを調べて、切断・幅詰め位置を検討した結果、2か所で

切断してそれぞれを3分割して、スジボリ・モールドのない余白部分を

削って幅詰めができそうなことがわかりました。

 それもエッチングソーがあってこそ、やっぱりこいつは頼りになる。

 

 まず、決めた分割位置で艦首を2か所切断します。

 そして、本体側を前後方向に2か所切断して3分割します。

 切断個所はモールドのないところで、ここを削って幅を詰めます。

 本体側は幅を変えないので、艦首に向かって三角形に削っていきます。

 左右の削り量が偏らないよう、都度確認しながら削ります。

 あまり削りすぎるとシルエットが不連続になってしまうので、最大で

2mm弱程度にしました。

 それでも左右2か所で3mm程度は幅がすぼまっていく勘定です。

 整形が終わったら、パーツを元通りに接着します。

 接着時は、艦体と段差が出ないように、現物合わせをしながら、中に

詰め物をして形がずれないように恐る恐るやっています。

 硬化後、裏にプラ板を貼って補強したら、艦体部分に接着する部分を

平らに整形して、艦体に接着します。

 接着は、平面をキープするために、平らなところにパラフィン紙(

シールの裏紙)を敷いて下にくっつかないようにして、そこでおこなって

います。

 硬化後、本体との接着部分の裏にもプラ板で補強をしておきます。

 多分、今後ヤスリ掛け修正があるはずなので。

 

 

 画像右、艦体と切継ぎ部の下面がツライチになるように、輪ゴムで

固定して接着しています。

 切り継ぎ部分は少しカクっとしていますが、角をちょっと削れば気に

ならない程度になるはずです。

 

 艦首部分も、同様にモールドを避けて3分割します。

 幅詰めのヤスリ掛けが済んだら、今度は中央パーツを先に艦体に

接着します。

 接着後も艦首先端が支えになるので、容易に平面が出せるためです。

 本体の接着部分にツライチのガイド代わりにプラ板の裏打ちしてから

同様に平面を使って接着し、硬化後に左右パーツを接着して、補強の

プラ板を裏打ちします。

 

 

 モールドの関係で、艦首の幅詰めは思うようにできなかったですが、

この後、両側面を削って幅をつめていくことにしました。

 型整形の関係らしく、側面のモールドがほとんどなく、パーツの厚みも

かなりあるので、裏打ちしなくても十分イケると判断しました。

 

 昔のプラモデルは、作り手が加工することを考慮しているのか、

肉厚のパーツが多かったように思えます。

 もしかしたら、これも改造病の原因の1つだったのかもしれませんね。