予定通り垂直尾翼の加工をおこないました。

 

 垂直尾翼はオールフライング式に変更されています。

 また、図面で比較すると少し高くなっています。

 しかし、方向舵のパネル分割ラインはそのままなので、

試作の段階で方向舵方式に変更になったのかもしれません。

 大きな主翼では、着陸などの引起こし時に垂直尾翼が主翼の

気流に入ってしまうため、効きが悪くなります。

 特に三角翼は離着陸時の迎角を大きくとらなければならない

ので、結構深刻な問題になります。

 このため、垂直尾翼を大きくしたり高くしたり左右二枚に

して対応している例を見ます。

 F-16XLは、元々三角翼ではなかったものを三角翼に

したため、高さの増量とオールフライング式で対応したのだと

思います。

 他の対策として、胴体下に追加する場合もありますが、

離着陸時に地面にぶつかるため、折りたたむ機構を設けています。

 なお、垂直尾翼基部後部には、ノルウェー仕様のドラッグ

シュート収容部が延長されていますが、これは着陸用ではなく

スピン回避のためのパラシュートの収容部なので、若干小さい

ようです。

 

 という訳なので、高さ延長とパラシュート収容部追加の

改造をおこないます。

 改造は、強度的な理由で垂直尾翼基部にプラ板を貼り足して

整形して、垂直尾翼の嵩上げと後部延長・ドラッグシュート

収容部を作っていくことにします。

 因みに図面から計算した垂直尾翼の高さ延長量は、1mm弱

でした。

 

 まずは、垂直尾翼基部を削って薄くして、0.3mmプラ板を

貼り付けます。

 プラ板は、垂直尾翼基部に高さ延長分を追加した幅と、

ドラッグシュート収容部を追加した長さと、胴体接着のボスを

付けた形状に切抜いたものを接着します。

 接着位置は、胴体接着のボスがずれないようにします。

 次に、垂直尾翼パーツの中央部の下・後の延長分と取付ボスの

先を継ぎ足して延長します。

 先に取付けた延長部と形状・長さを合わせます。

 そして、最初と逆側の垂直尾翼基部を削って薄くして、同様に

0.3mmプラ板を貼り付けます。

 

 

 十分硬化させてから、細かい整形をおこないます。

 本来あった垂直尾翼基部のドーサルフィンの上部は、垂直尾翼

下部として延長され、その下に垂直尾翼基部が来るように整形し、

スジボリも修正します。

 ドラッグシュート基部も図面を参考に形状を合わせます。

 ドラッグシュート収容穴は資料写真がないため、つるんつるん

のままです。

 

 

 F-15などドラッグシュートを標準装備しない機体は、

試作時にはドラッグシュート収容の筒をパイプなどで機体後端に

取付けて飛行している写真を見ますが、F-16XLは最初から

ドラッグシュート収容部を一体で製作しています。

 しかし、写真で見る限り着陸時に使用しているものはありません

でした。

 量産がされていたならどのようになっていたか、興味があります。

 

 ここまで加工が済んだら、塗装に取掛かります。

 垂直尾翼は、「F-16XL」のロゴを入れなければならないので、

塗装・ロゴ入れ後に接着することにします。

 オールフライングならば、基部の取付隙間が見えても言い訳が

できるでしょう。

 予め、キャノピーを接着して、取付隙間はパテで埋めておきます。

 塗装は、F-16の時と違って、グレーベースに赤と青と細い

白帯で、地味な仕上がりになっています。

 試作機は一般に機体の確認をしやすくするため、派手な塗装を

しています。

 F-15も試作時は白地に翼の外側を赤やオレンジで塗装して

いる写真を見ます。

 コンテンダーのF-15Eは、主に機内装備の変更だったので、

機体塗装は通常のままでした。

 これに対抗してロービジ化したのでしょうか?

 

 とりあえず、作業に取り掛かります。

 まずは、塗装パターンの基準になる機体上部の白帯を塗装します。

 下地に灰色9号を塗ってから、マスキングテープで白を塗ります。

 次に中央部の青を塗ります。

 そして、周りの2色グレー塗装をおこないます。

 指定通りのFSカラーを塗ったのですが、どうもグレーの明暗の

差が大きいようです。

 F-16の2色グレー塗装は共通のはずなのですが、写真に

よってはかなり色調が違って見えます。

 フィリピン空軍のものなどはかなり明るいトーンになっていますし、

グレーの明暗の差は少ないものが多いです。

 実機写真と比べると、明るいグレーはやや暗くした方が近いように

見えたので、塗りなおしました。

 こちらは機体下面すべてなので、影響が大きかったでした。

 

 

 画像、下側が指定色、上側が修正色のニュートラルグレーです。

 機体後部のノズル近くの白帯が左右でかなり違ってしまい

ましたが、垂直尾翼に隠れて同時に見えることは少ないので、

このまま済ませることにしました。

 下側の塗装修正を行った時点でタイムオーバーです。

 

 次回は垂直尾翼の塗装と、脚部・武装に取り掛かります。

 脚部と武装は、機体本体にかかりきりだったので、これから

考えることになります。

 相変わらず泥縄な進行ですが、どうかお付き合いのほどを。