胴体下部の加工の続きの予定が翼の加工に変更です。

 切抜いたままのプラ板の翼の端の厚みがどうしようもなく気に

なったもので。

 まあ、一応の補強は済んでいるので大丈夫でしょう。

 

 プラ板はかなり前に買ったもので、表面が黄変していました。

 これを利用して、翼を削っていきます。

 ヤスリの傾きをほぼ一定にして、削り残りの黄色の部分が翼の

端と平行になるように削っていきます。

 削るのは、段階的におこなっていき、削り部分を段階的に広げて

いきます。

 ヤスリの傾きも削る段階に応じて変えていきます。

 翼前縁は、傾きは最初は大きく、だんだん小さくしていきます。

 翼後縁は、傾きは小さいまま一定に保ちます。  

 翼端が薄くなりきったところで削りは終了、仕上げのペーパーを

かけます。

 これを左右の翼におこなうため、実際のところ、これだけでも

かなり日数が食われています。

 1/72だったらこんなもんじゃ済まなかったろうなあ。

 そして、翼中央やや前の胴体付け根付近にヤスリ掛け無しの黄色が

残ったので、そこはパテを盛って胴体と繋がるように整形しました。

 翼下面も緩やかなキャンバーがかかっているはずですが、凹面の

ヤスリ掛けはルーターに頼るしかなく、広い面積を均一に行うのは

困難なので、平らなままにしておきました。

 そして、前縁と後縁の動翼部をスジボリしておきます。

 F-16XLは三角翼で、着陸時は揚力を得るため内翼・外翼

共に前縁スラットを採用しています。

 

 

 胴体延長部分も翼のついでにパテを盛って整形・隙間埋めをして

います。

 

 そして、翼中間の涙滴型フェアリングを作ります。

 タミヤのミニプレーンシリーズに付いている爆弾を流用します。

 A-4やF-4などは翼に付けきれないほどの武装が付いて

きており、結構余っていました。

 大きさも丁度良かったので、これを使うことにしました。

 ただし、フィンは削り落として前後逆にして取付けることに

なります。

 整形した後、パイロン接着用の穴を塞いで、糸鋸で切れ込みを

入れます。

 フェアリングの前半から翼の前縁にかけて境界層流板が付いて

いるためです。

 プラ板を立てるだけでは接着がすぐ取れてしまう恐れがあるので、

こちら側に切れ込みを入れて差し込むことで、取付角度と強度を

確保します。

 

 

 糸鋸は、折れたものをエポキシ板にネジ止めして作ったものを

使っています。

 若い頃、鉄道模型雑誌の記事を見て便利に思い作ったものです。

 折れた糸鋸の再利用として作ったのですが、小さくてプラモデル

加工には使い勝手がよく、エッチングソーを使う前は専ら頼り

切っていました。

 糸鋸の刃によりますが、折れにくさとの兼ね合いで幅0.5mm

のものを使っています。

 したがって、境界層流板も0.5mm厚プラ板を差込んでいます。

 境界層流板は、大きな後退翼でよく起こる翼前縁に沿った気流に

よる揚力低下や抵抗増大を防ぐ方法の1つで、この気流を境界層流板で

妨げるものです。

 MIG-19などはかなり大きなものを使っており、それ以前の

MIGでもちょくちょく見ることが出来ます。

 他の対策としては、コニカルキャンバとドッグトゥースや翼前縁の

切れ込み、後退角を途中から下げるなどがあり、F-16XLも

主翼外翼の後退角をここで下げていますが、効果が不十分だったため

これを追加したと思われます。

 最初のコニカルキャンバは、翼前縁に沿って進行方向に向けた低く

短い板を何枚も並べるもので、翼前縁に沿って流れる気流をこれで

起きにくくします。

 確か、A-4あたりでも採用しているはず。

 プラモデルでは短い凸モールドが並んでいると思いますが、高さが

足りません。

 薄い金属板を沢山きちんと並べて埋め込むのはかなりしんどそう

なので、私もまだ挑戦したことはありません。

 また、コニカルキャンバは並行だけでなく、ハの字に並んでいる

ものもあるようで、こうなったらお手上げです。

 1/48のエデュアルドあたりならば、エッチングパーツでうまく

再現しているかもしれません。

 翼前縁の切れ込みやドッグトゥース、後退角変更は、その箇所で

ボルテックスを発生させて、翼前縁に沿って流れる気流を遮る方法

ですが、前縁切れ込みはミラージュ以外で採用した例は見ていません。

 なお、翼端パイロンや翼端増槽も若干の効果があり、武装をしない

場合でも付けているのは、その効果を狙っている場合があります。

 

 閑話休題

 この後、翼にフェアリング取付けのための切欠きと、境界層流板を

差込むための溝を切る予定でしたが、タイムアップとなってしまい

ました。

 次回はもっと捗らせたいと思いますので、宜しくお付き合いください。