今にも雪が降りそうな空にまん丸のお月さまがオレンジ色して東の低いトコロに浮かんでた頃
お嬢を図書館まで迎えに行ってる途中で見かけた老夫婦
腰が曲がってちっさくなったおばあちゃんが車椅子に乗ってるおじいちゃんを一生懸命押して横断歩道を渡ってた
じーっと見てて思わず泣けてきた
めっちゃ寒い風が吹いて、まわりは真っ暗な藍色の闇に染まる頃、よく見るとふたりとも笑ってるように見えた
車椅子は決して立派なモノではなくて、マフラーも手袋も膝掛けもしていない
自分の背丈とたいしてかわらないくらいの車椅子を押してるおばあちゃん
満足げにすわって穏やかな表情のおじいちゃん
この二人にとってはごく普通にある日常のひとときなんだろうな
ごくごくあたりまえにある日常の・・
“ごくあたりまえに”夜は明け、朝を迎えようとしていた
あたり一面に光を照らして一日の始まりを告げているかのように
なんでもない街並みがいつもとは違ってみえて
まぶしかった
あのおじいちゃんとおばあちゃん
何年くらい一緒に寄り添って過ごしてきたんだろうね
何回、何万回?朝を迎えて1日を過ごし、夜の帳を迎えたのかな
はじめは寒さ厳しいなか、もの淋しげな情景として目に飛び込んで切なかったんだけど
二人の様子をしばらく見ていて、イマを懸命に生きてる姿を美しいとさえ感じて涙がこぼれた
うん
あんな風に年老いていくトキをこれからも一緒に過ごしていくと信じて疑わなかったあの頃のわたし
考え始めるときりがないけど
イマはそれぞれの道をしっかり歩いて行くしかないんよね
いっぽいっぽ
思い描いた未来予想図とは方向が違ってしまったけど
このトキを大切にして“人生を明りで灯そう”
それぞれの道、ほんのりわずかな明かりでも絶やすことなく灯していこう
そして最後はありがとうって心から言えるような人生になることを夢見て