(日刊スポーツ - 07月28日 10:10)

5回裏1死三塁、小笠原は適時二塁打を放つ。投手は大家(撮影・浅見桂子)
<巨人2-0横浜>◇27日◇東京ドーム
巨人の逆襲のキーマンが復調の兆しを見せた! 1-0の5回1死三塁、小笠原道大内野手(37)が右翼線に適時二塁打を放ち、8日広島戦以来の打点を挙げた。
打撃不振が続き、7番に入って迎えた後半戦2試合目。2回の阿部慎之助捕手(32)の先制ソロ本塁打に続く、貴重な追加点をたたき出した。
小笠原らしい、迷いのないフルスイングだった。
5回1死三塁。「かえすしかない」。
大家の初球134キロを強振すると、打球は一直線で右翼線へ。
追加点に沸く大歓声を背に、二塁へと駆けた。
阿部の二塁への激走とフィールズの進塁打でつくられた、この得点機。
前日、7回無死二塁で遊ゴロに倒れ
「最低でも(走者を)進めないといけない」と自らを責めた男は、
つなぎの意味を痛いほど理解していた。
「昨日のことは返ってこない。でも、2人がああいう形でつくってくれたので走者をかえせて良かった」。
託された思いに応えた19日ぶりの11打点目は、格別だった。
もがき、苦しんでいる。
5月に2000安打を達成したが、死球による負傷などもあり不振に陥った。
7月上旬には、オフに作製し使用した通常より約10センチ長い、重さ約1キロの長バットで緩い球を丁寧に打った。
「下が使えないと振れない」(吉村打撃コーチ)という長バットで打撃を見つめ直した。
早出特打もした。
それでも前半戦は打率2割2分、1本塁打、10打点。
前半戦後、原監督も「一番の悩みの種はガッツ。もう200打席くらい立ったよね。打点10…。つらいよね」と本来は3番を打つ主力の不振に頭を抱えていた。
自らの歯がゆさは表に出さず、日々の練習から妥協せずに取り組み続けた。
結果が出なくても「1日1日、しっかり頑張ります」と前だけを向いた。後半戦前には「今の段階では振り返っても仕方ない。目の前の試合を全力でやって勝つ。そのことだけ考えてやっていきたい」。
強い気持ちが、不振の殻を少し破った。
阿部も3安打1本塁打。
原監督は「この2人はうちの中心選手ですから。どんどん登っていってほしいですね」と喜んだ。
小笠原はこの二塁打のみだが、たかが1本、されど1本。
「1回だけですが、これからどんどんかえせるようにしていきたい」。
反攻のキーマンに復活の光は、確実に差し込んだ。【浜本卓也】