昨日、中山競馬場で行われました第72回

オールカマーはスタートして上手く先手を

とって逃げた障害帰りの9番人気の

7歳馬メイショウゲキリンが逃げ切って

優勝を飾り、重賞初制覇を果たしました。

2着には6番人気のキャントウェイト、

3着には3番人気のヴーレヴーが入り

1番の人気に推されたレガレイラは、

最後の直線でいつもの伸びがなく

4着に敗れました。

また、9月18日米国ベルモントバーク

競馬場で行われましたジョッキークラブ

ゴールドカップは断然の1番人気に

推された昨年の日本のJRA年度代表馬

フォーエバーヤングが第4コーナー手前で

先頭に立つと、そのまま2着馬に

3馬身1/4差をつけて圧勝。

日本調教馬初の海外GⅠ4勝目を挙げ、

連覇がかかるBCクラシックへ向け、

好発進しました。

今週は、中山競馬場で秋のGⅠ競走の

初戦となり、節目となる伝統の第60回

スプリンターズステークスが行われます。

スプリンターズステークスは1967年に

4歳(現3歳)以上の馬によるハンデ

キャップの重賞競走として創設され、

昭和期においては中央競馬で行われる

唯一の短距離の重賞レースでした。

その後、1年を締めくくるスプリント系の

大レースを開催しようとする機運が高まり

1990年レース体系の見直しに伴い、

スプリンターズステークスはGⅠ競走に

格上げされ、更に短距離系の競走体系の

整備により、秋競馬で最初に行われる

GⅠ競走として現在は定着しています。

 

思い出の馬は、桜の女王にも輝いた

金襴緞子の可愛い娘ブロケードです。

 

ブロケードの父はマイラー系種牡馬

イエローゴッドで代表産駒には海外では

イギリス2000ギニーを勝ったネビオロや

アイリッシュ2000ギニーに勝った

パンパポールなどを輩出し、日本では

ダービー、皐月賞の二冠を制した

カツトップエース、皐月賞馬ファンタスト、

スプリンターズステークスを制したサクラ

ゴットやハーディゴッド、カツダイナミック

などの重賞勝ち馬がいます。

ブロケードは昭和56年の牝馬クラシック組

で、同期には牝馬優駿オークスに勝った

テンモン、エリザベス女王杯を制した

アグネステスコやエイティトウショウ、

カバリエリエース、オオシマスズランなどの

重賞勝ち馬がいます。

 

ブロケードは旧馬齢3歳夏の函館の

新馬戦でデビューし、1番人気に応え

2着馬に7馬身差をつけて圧勝。

華々しいデビューを飾りました。

しかし、その後に骨折が判明し、休養を

余儀なくされてしまいました。

 

年が明けて4歳になったブロケードは

6ヶ月ぶりに条件特別で復帰して勝ち、

2勝目を挙げると桜花賞を目指して西下。

当時の桜花賞トライアル阪神4歳牝馬特別

に参戦すると、アグネステスコに6馬身差を

つけて圧勝。

無傷の3連勝で一躍桜花賞の有力候補に

躍り出ました。

そしてブロケードは牝馬クラシックの初戦

桜花賞に堂々と駒を進めました。

このレースには後のオークス馬テンモン

後のエリザベス女王杯馬アグネステスコや

京成杯3歳ステークスを制したカバリエリ

エース、クイーンカップの勝ち馬タケノ

ダイヤなどが出走。

無敗の桜花賞馬を目指すブロケードは

1番人気に支持されました。

この年の桜花賞は、長く降り続いた雨の

影響で田んぼのような不良馬場の中で

行われました。

レースはスタートしてミスナオコが先頭に

立ち、2番手にヒロウイナーとブロケードが

続き、今度はヒロウイナーが先手を奪うと

ブロケードも負けじと2番手を追走し、

アグネステスコは中団から、テンモンと

タケノダイヤは後方の馬群の中という

展開で進みました。

第3コーナーでブロケードが先頭に立つと

外からテンモンとタケノダイヤも仕掛けて

上がっていき、各馬が内と外に大きく

広がる形で直線の勝負へ。

不良馬場の真ん中をとおったブロケード

外からテンモン、タケノダイヤも追い込み

ましたが、不良馬場をものともせず

ブロケードが後続馬をぐんぐん引き離し

「金襴緞子が泥にまみれてゴールイン」

という杉本アナの名実況も飛び出す中

2着のテンモンに3馬身半差をつけて圧勝。

4連勝で無敗の桜の女王に輝きました。

続いてブロケードは、東京に戻り優駿牝馬

オークスに出走しましたが、やはり距離に

疑問があるのか、桜花賞でやぶった

テンモンの13着に大敗してしまいました。

その後、ブロケードは夏の休養に入らず、

函館に遠征し、今や伝説となった新旧の

桜花賞馬対決となり、競馬ファンが大いに

注目し盛り上がった函館記念の前哨戦の

巴賞に出走しました。

このレースにはハギノトップレディの他

タケノハッピーやメジロホークなどの

重賞勝ち馬も参戦。

斤量トップの59キロを背負ったハギノ

トップレディが圧倒的1番人気に推され、

ブロケードは3番人気での出走と

なりました。

レースはスタートして予想どおり、ハギノ

トップレディがスピードの違いを見せて

先頭に立って逃げ、2番手にブロケードが

追走、タケノハッピーは中団から進み

向こう正面に入るとハギノトップレディが

2番手ブロケードに6馬身以上の差を

つけて引き離す展開になりました。

しかし、第3コーナー手前でブロケードが

仕掛けて一気にハギノトップレディを

交わして先頭に立つと、場内からは

大歓声が沸き起こりました。

そして、第4コーナーでは今度はハギノ

トップレディが差し返してブロケードに

並びかけて直線の勝負へ。

直線に入って逃げ込みを図るブロケードを

外からハギノトップレディが追い込み、

新旧の桜花賞馬同士の激しい競り合い

となり、最後は2頭の桜花賞馬が並んで

ゴール板を駆け抜けましたが、先輩

桜花賞馬の意地か、ハギノトップレディが

アタマ差、差し切って勝ち、ブロケードは

健闘むなしく2着に敗れました。

重賞競走ではなく、オープン競走の巴賞

でしたが、この桜花賞馬同士による

壮絶な死闘は、今でも伝説のレースとして

語り継がれています。

続いてブロケードは予定どおりに函館記念

に出走するも、同じ4歳のホーワセキトの

前に2着に終わりました。

東京に戻ったブロケードは秋の初戦

牝馬東京タイムズ杯から始動し、牝馬

同士のマイル戦では敵は無く、1番人気に

応えて優勝を飾りました。

そしてブロケードは西下し、牝馬クラシック

最終戦エリザベス女王杯に出走しましたが

やはり距離の壁か、アグネステスコの前に

13着に終わりました。

この敗戦で、今後は短距離路線に舵を

切ったブロケード陣営は、中京での

CBC賞に参戦して2着に入るなど

古馬相手でも引けを取らない距離の

適性を見せました。

 

年が明けて古馬になったブロケードは

当時2月に行われていたスプリント王

決定戦スプリンターズステークスに

参戦しました。

このレースには前年の覇者で快速馬

サクラシンゲキ、皐月賞馬ハワイアン

イメージやシャダイダンサー、前年2着の

コンパニオン、同期のヘーゼルブロンド

などが出走。

快速馬サクラシンゲキと桜花賞馬

ブロケード、どちらが早いのか、両雄の

スピード対決に注目が集まりました。

1番人気はサクラシンゲキ、ブロケードは

2番人気での出走となりました。

レースはスタートして好ダッシュを見せた

サクラシンゲキがハナを奪って先頭に立ち

ヘーゼルブロンドが絡んでいきましたが、

すぐにブロケードがヘーゼルブロンドを

交わして2番手に上がり、コンパニオンと

シャダイダンサーは中団から、ハワイアン

イメージは後方からという展開になりました。

第3コーナーから第4コーナーにかけて

じりじりと差を詰めて来たブロケードが

サクラシンゲキに並びかけ、この2頭が

他馬を引き離し、競り合いながら

直線の勝負へ。

内からサクラシンゲキ、外からブロケード

予想どおり2頭の一騎打ちとなりましたが

残り100mでブロケードがサクラシンゲキ

を振り切って優勝を飾り、初のスプリント王

に輝きました。

しかし、この勝利がブロケードにとっての

最後の勝利となってしまいました。

昭和期において、当時は3歳~4歳に

かけて、過酷なローテーションをとる馬が

多くいたためか、特に牝馬においては

早々と燃え尽きたかのように急に走らなく

なってしまう馬もいました。

ブロケードが勝てなくなってしまったのは

決して燃え尽きたのではなく、当時の

短距離戦はハンデ戦が多く、ブロケードの

実績では重い斤量を背負わざるを

得なかったことや、レース体系がまだ

整備されておらず、出走できるレースが

限られていたことが影響していたと

思われます。

スプリント王に輝いたブロケードは中山

記念で4着に入った後、京王杯スプリング

ハンデに参戦。

牝馬ながらトップハンデ57キロを背負い

ながらも、1番人気に推されました。

レースは逃げるシュンシゲを2番手で

追走したブロケードはゴール前でようやく

シュンシゲを捉え、勝ったかに思えましたが

大外からエビスクラウンの強襲にあい

ハナ差の2着に惜敗しました。

続いてブロケードは目標としていた安田

記念に出走。

ここでもブロケードはトップハンデ57キロを

背負わされながらも、1番人気に

推されての出走となりました。

レースは京王杯スプリングハンデを

再現するように、シュンシゲを2番手で

追走し、最後の直線半ばで先頭に立ち

このまま押し切って勝つかと思いましたが

今度は大外からスイートネイティブの

強襲にあって、またしても2着に惜敗して

しまいました。

その後、ブロケードは昨年と同様に夏の

北海道に遠征しましたが、札幌記念7着

巴賞3着、函館記念4着と善戦するも

勝つまでには至りませんでした。

そして後半戦に入って昨年と同様に中京に

遠征し、昨年2着に敗れたCBC賞に出走

しましたが、7着に終わりました。

 

年が明けて6歳になったブロケードは

現役を続行、西下してマイラーズカップに

出走し、ロングヒエンには敗れたものの

ダービー馬オペックホースや宝塚記念を

制したカツァールに先着して2着に入る等

まだまだ衰えていないことを証明して

見せました。

 

そしてブロケードは東京に戻り、昨年と同じ

路線をとって京王杯スプリングハンデに

1番人気に推されて出走しましたが、

5着に敗れてしまいました。

 

しかし、次に参戦した昨年2着に惜敗した

安田記念では1番人気をイーストボーイに

譲ったものの、牡馬のキヨヒダカ、イースト

ボーイと同じハンデ56キロを背負い、

2番人気で出走。

最後の直線でキヨヒダカ、イーストボーイ

との激しい叩き合いになりましたが、

またしてもハナ差の2着に惜敗しました。

 

その後、3年連続で北海道に遠征し、

函館の巴賞でまたしても2着に惜敗すると

続く函館記念では桜花賞馬リーゼングロス

皐月賞馬ハワイアンイメージ、後の

天皇賞馬モンテファストやエリモローラ

トウショウゴッド、オーバーレインボーなど

重賞を勝っている牡馬の一線級をおさえて

1番人気に支持されて出走しましたが、

人気薄の伏兵ドウカンヤシマの前に

またしても2着に惜敗してしまいました。

そして、このレースがブロケーにとっての

現役最後のレースとなりました。

 

最後まで衰えを見せることなく、安定した

走りを見せていたブロケードは函館記念を

最後に引退し、北海道の門別で繁殖牝馬と

なりました。

9頭の産駒から勝ち馬は輩出したものの

代表産駒には恵まれませんでしたが

ファミリーラインからは中央・地方での

重賞勝ち馬を出すなど、その血は確実に

受け継がれていきました。

 

記録によりますと

2000年9月30日に用途変更となり

繁殖牝馬を引退したブロケードは繁殖先の

牧場で功労馬として余生を送りました。

そして2010年11月16日

ブロケードは老衰のため、32年にわたる

生涯を終え、天国に旅立って行きました。

 

今週は中山競馬場で秋のスプリント王

決定戦、伝統の第60回スプリンターズ

ステークスが行われます。

フリッカージャブ、スターアニス、ルガル

ジューンブレアに注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。