昨日、東京競馬場で行われました

サラブレッド7944頭の頂点を決める競馬

の祭典、第93回東京優駿(日本ダービー)

は道中、皐月賞とは違って逃げずに

中団からレースを進めた1番人気の

ロブチェンが最後の直線で先に抜け出した

パントルナイーフやバステールとの激しい

叩き合いを制して優勝を飾り、皐月賞に

続くクラシック2冠に輝きました。

そして勝った松山弘平騎手はデビュー

18年目で悲願のダービージョッキーと

なりました。

2着にはアタマ差で4番人気のパントル

ナイーフが入り、3着には11番人気の

バステールが入りました。

今週は東京競馬場で春のマイル王決定戦、

伝統の第76回安田記念が行われます。

安田記念は明治・大正・昭和にわたって

競馬に携わり、競馬法の制定や東京優駿

(日本ダービー)の創設などに尽力し、

日本中央競馬会の初代理事長も務めた

安田伊左衛門氏の功績を称えるため、

1951年に安田賞の名称で創設され、

1958年に安田伊左衛門氏が亡くなった

ため、現在の名称に改称されました。

昭和期において、短距離系競走のレース

体系がまだ整備されていなかったため、

春に行われる安田記念が唯一、日本一の

マイル王決定戦として行われていました。

その後、1984年のグレード制導入に伴い

安田記念はGⅠに格付けされ、現在

中央競馬の上半期におけるマイル王

決定戦として位置づけられています。

 

思い出の馬は、初のGⅠ格付けとなった

安田記念に優勝し、春の短距離三冠にも

輝いた名ランナー ハッピープログレスです。

ハッピープログレスの父は短距離系

種牡馬フリートウィングで代表産駒には

日経新春杯に勝ったフリートホープ

障害重賞に勝ったフリートマウント、

トキノツヨシがいて、地方競馬での重賞

勝ち馬も輩出しています。

ハッピープログレスは昭和56年の

クラシック組で同期には二冠馬カツトップ

エース、菊花賞馬ミナガワマンナ、

天皇賞馬メジロティターン、安田記念馬

キヨヒダカやサンエイソロン、アジシバオー

ホーワセキト、トドロキヒホウなどの

重賞勝ち馬がいます。

 

ハッピープログレスは旧馬齢3歳秋の

京都でデビューし、初戦の新馬戦は5着に

敗れましたが、2戦目の新馬戦に勝つと

続く中京での条件戦にも勝って連勝し、

この勢いで格上挑戦となるオープン馬

相手の中京3歳ステークスに8頭中の

8番人気で出走すると、低評価を覆して

優勝を飾り、3連勝を果たしました。

 

年が明けて4歳になったハッピープロ

グレスは、クラシックを目指して東上する

ことはなく、春のオープンの短距離戦に

出走しましたが、3連敗に終わりました。

秋に入ってうって変わって今度は菊花賞を

目指し、菊花賞トライアルの神戸新聞杯や

京都新聞杯に参戦するも、いずれも勝つ

ことは出来ず、菊花賞に駒を進めることは

出来ませんでした。

結局、4歳時は1勝も出来ずに終わりました。

 

年が明けて古馬になったハッピー

プログレスは、再び短距離戦線に戻り

条件特別とオープン競走の短距離

ステークスに勝って連勝を飾り、

この勢いで中京記念やマイラーズカップに

挑みましたが、まだ力が足りなかったのか

いずれも15着、10着の大敗に

終わりました。

その後、ハッピープログレスは脚部不安を

発症したため、長期休養に入り、9ヶ月の

休養後、中京でのCBC賞で復帰しました。

このレースには桜花賞馬ブロケード

阪神3歳ステークスを制したサニー

シプレー、前年の覇者アグネスベンチャー

スプリンターズステークスを制した

シンウルフや日経新春杯優勝馬

アジシバオーやツキマリーなど、個性

溢れるメンバーが参戦。

ハッピープログレスは16頭中7番人気での

出走となりました。

レースは快速馬ゲイルスポートがハナを

奪って果敢に逃げ、その後ろから

シンウルフが続き、ブロケードとサニー

シプレーは中団からハッピープログレスは

後方からという展開で進みました。

第3コーナーでシンウルフ、アグネス

ベンチャーが仕掛けて上がって行き、

ハッピープログレスも先行集団に取り

つくと、ゲイルスポートが更にギアを上げ

後続集団に4馬身差をつけて

直線の勝負へ。

内を通って逃げ込みを図るゲイルスポート

をアグネスベンチャーが鋭く伸びて

交わしにかかると、今度は大外から

ハッピープログレスが豪快に追い込み

ゲイルスポート、アグネスベンチャー、

ハッピープログレスの3頭による

叩き合いになりましたが、ゴール前で

ハッピープログレスが抜け出して優勝を

飾り、初重賞制覇を果たしました。

年が明けて6歳になったハッピープロ

グレスはダートの条件特別で復帰するも

ダートが合わなかったのか殿負けを喫し

続くスワンステークスでも黄金の馬

ハギノカムイオーの前に3着に敗れました。

しかし、次の阪急杯では後のマイル王と

なる新鋭のニホンピロウイナーや

ダニッシュガールを相手に最後の直線で

追い込みを決めて勝ち、2つ目の重賞を

獲得しました。

その後、また休養に入ったハッピー

プログレスは、昨年、優勝したCBC賞に

連覇をかけて復帰し、出走しましたが、

短距離路線で才能を開花させたニホン

ピロウイナーの前に2着に敗れ、連覇は

なりませんでした。

 

年が明けて7歳になったハッピープロ

グレスは現役を続行し、始動戦となった

オープン特別で再びニホンピロウイナーの

前に2着に敗れると、続くマイラーズカップ

でも4着に敗れてしまいました。

それでもハッピープログレスは脚の状態と

相談しながら、関東での短距離戦線に

参戦すべく、東上しました。

関東での初戦、当時は3月に行われ

ていた電撃6ハロン、1200mの重賞競走

スプリンターズステークスに挑みました。

このレースには、重賞勝ち馬ワールド

キングや良血プロメイドなどが出走。

ハッピープログレスは1番人気に

支持されての出走となりました。

レースは、スタートしてイクエヒカル、エース

パシフィック、サンデーベストの3頭による

激しい先行争いが行われる中、プロメイド

は中団から進み、ハッピープログレスは

後方からの競馬となりました。

第4コーナー手前でハッピープログレスも

するすると上がって行って先行集団との

差を詰め、各馬、内と外に大きく分かれて

直線の勝負へ。

直線に入って内をついたノーザンキーラー

が一旦先頭に立つと、今度は更に内を

ついたワールドキングがノーザンキーラー

を交わして先頭に立ちましたが、大外から

ハッピープログレスが豪脚を繰り出して

追い込み、ゴール前で一気に差し切って

優勝を飾り、3つ目の重賞を獲得しました。

続いてハッピープログレスは、今度は

1400mの重賞競走、当時の京王杯

スプリングカップに参戦しました。

このレースには桜花賞馬シャダイソフィアや

ドウカンヤシマ、アップセッター、キヨヒダカ

トウショウゴッド、ニシノスキー、ダスゲニー

スイートカーソンなどの重賞勝ち馬が出走。

この実績あるメンバーでもハッピー

プログレスが1番人気に支持されました。

レースはスタートして快速馬ゲイルスポート

がハナを奪って逃げ、その後ろから

シャダイソフィア、キヨヒダカ、ドウカン

ヤシマが続き、トウショウゴッドは中団から

ハッピープログレスは例によって後方から

という展開で進みました。

第4コーナーでリードアイリス、ドウカン

ヤシマ、内からシャダイソフィアが先頭との

差を詰め、ハッピープログレスも中団まで

上がって、直線の勝負へ。

直線に入って各馬が内と外に分かれる中

リードアイリスが先頭に立つと、真ん中から

シャダイソフィア、内からドウカンヤシマが

先頭に立つ勢いで脚を伸ばして来ましたが

その直後、大外からハッピープログレスが

豪快に追い込んで来て、先に抜け出した

ドウカンヤシマ、ワールドキング、

ダスゲニーらを一気に交わして差し切って

優勝を飾り、4つ目の重賞を獲得しました。

重賞2連勝の勢いのまま、ハッピープロ

グレスは、グレード制導入によるGⅠに

格付けされたマイル王決定戦安田記念に

駒を進めました。

このレースには前年の覇者キヨヒダカや

桜花賞馬シャダイソフィア、大井競馬から

鳴り物入りで移籍して来たサンオーイや

タカラテンリュウ、ドウカンヤシマ、

ダスゲニー、ミスラディカル、シュウザン

キングなどの重賞勝ち馬の他、連勝して

波に乗って絶好調のアサカシルバーなどが

出走しました。

1番人気にはアサカシルバーが支持され

ハッピープログレスは2番人気での出走と

なりました。

レースは、激しい先頭争いの中から

キヨヒダカが先手を取って逃げ、続いて

スピードトライ、シャダイソフィアが続き

タカラテンリュウ、アサカシルバー、

サンオーイは中団から、ハッピープロ

グレスは例によって後方から、

ダスゲニーは最後方からという展開で

進みました。

第4コーナーで各馬が内と外に大きく

分かれて差を詰める中、キヨヒダカと

スピードトライが互いに譲らず、2頭が

並んで直線の勝負へ。

一番内をついたキヨヒダカが逃げ込みを

図る中、馬場の真ん中からサンオーイが

キヨヒダカを交わす勢いで脚を伸ばして

来ましたが、大外からハッピープログレスが

豪脚を繰り出して追い込み、一気に先頭に

立つと、更に大外から追い込んで来た

ダスゲニーに1馬身3/4差をつけて優勝を

飾り、この勝利でハッピープログレスは、

1200m、1400m、1600mの短距離重賞

競走3連勝で春の短距離三冠に輝きました。

関西に戻り、夏を休養したハッピープロ

グレスは秋初戦としてスワンステークス

から始動しましたがニホンピロウイナーの

前に3着に敗れ、続くこの年に創設された

第1回マイルチャンピオンシップでは

最後方からレースを進めたハッピープロ

グレスが第4コーナーで大外から一気に

捲くって、最後の直線に入り、内をついて

先に抜け出したニホンピロウイナーを

大外から豪快に追い上げ、あと一歩で

ニホンピロウイナーを捉えられるところで

半馬身差およばず、2着に惜敗となって

しまいました。

あと10mあったならばハッピープログレス

が差し切ったと今でも思っています。

レース後、ハッピープログレスの年内限り

での引退が発表され、引退レースとして

初重賞制覇を果たした12月に行われる

CBC賞に出走することになりました。

このレースにはニホンピロウイナーの

参戦はありませんでしたが、桜花賞馬

シャダイソフィアやキヨヒダカ、シンウルフ

ロングハヤブサ、キタヤマザクラ、トーア

ファルコンなどの重賞勝ち馬が出走。

ハッピープログレスは斤量61キロを

背負っての出走となりましたが、それでも

2番人気に支持されました。

レースは、スタートしてロングハヤブサ

ハルマゲドン、リードアイリス、シンウルフ

の4頭による激しい先頭争いが行われ、

その後ろからシャダイソフィア、キヨヒダカが

続き、ハッピープログレスは例によって

後方からという展開で進みました。

第4コーナーの手前でロングハヤブサ、

シャダイソフィア、キヨヒダカが仕掛け

ハッピープログレスも外から中団まで

上がっていき、ハルマゲドンが先頭で

直線の勝負へ。

内をついたシャダイソフィアが先頭に立つと

馬場の真ん中からロングハヤブサが

伸びて来ましたが、大外からハッピー

プログレスが最後の豪脚を繰り出して

先に抜け出したシャダイソフィアと

ロングハヤブサを一気に差し切って勝ち

ラストランを優勝で飾り、6つ目の重賞を

獲得しました。

そして1985年1月27日 思い出の

中京競馬場において、有終の美を飾った

CBC賞でのゼッケン「13」を身に着けた

ハッピープログレスの引退式が

行われました。

 

引退後、日本中央競馬会がハッピー

プログレスを種牡馬として購入し、

1985年から九州種馬場で繋養されました。

しかし、場所的にも優秀な牝馬には

恵まれず、代表産駒を送り出すことは

出来ませんでしたが、それでも勝ち馬を

輩出するなど、頑張ったと思います。

1995年2月2日付で用途変更となり、

種牡馬引退後は、静かに余生を送るため

那須種馬場にて繋養されていました。

 

そして、ハッピープログレスとのお別れは

突然やって来ました。

2000年4月8日、ハッピープログレスは

22歳の老齢をおしてJRA主催の桜花賞

開催記念イベントで観客に展示されるため

長距離輸送の末、カツラノハイセイコと共に

阪神競馬場に連れてこられ、久しぶりに

ファンの前に姿を現しました。

しかし、この日はさすがにお疲れ気味で、

ハッピープログレスは元気がなかったと

言われています。

そして、展示を終えて馬房へと連れて

帰られる途中、ハッピープログレスは突然

倒れ、係員があわてて駆けつけたものの

急性心不全を起こしたハッピープログレス

は、突然22歳の生涯に幕を下ろして

しまいました。

あれだけ7歳まで頑張って活躍してくれた

馬だけに、あのような形で命を落として

しまったのは、本当に残念です。

 

やはり、22歳という老齢の馬にとっては

長距離遠征は厳しかったのだと思います。

以前、ハイセイコーやオグリキャップ、

トウカイテイオーなどが引退後、ファンへの

お披露目のため、札幌や東京競馬場に

来ましたが、その都度、何事も起きずに

無事に北海道に帰ってくれることを

祈っていました。

因みにハイセイコーはパドックに入ると

走ると思ったのか、自ら気合を入れて

いました。

名馬達に会えることは嬉しいのですが

老齢の馬達にとっては長距離輸送の

負担も大きいですし、かなりのストレスも

かかってしまいます。

今年はエイシンフラッシュが東京競馬場に

来ましたが、何事もなく無事に帰れて、

本当に良かったです。

 

今週は東京競馬場で春のマイル王決定戦

第76回安田記念が行われます。

トロヴァトーレ、アドマイヤズーム

ガイアフォース、ワールズエンドに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。