昨日、中山競馬場で行われました

クラシックの登竜門、伝統の第63回

弥生賞ディープインパクト記念は、道中

後方を進んだ3番人気のバステールが

直線で鋭く伸びてゴール前で差し切り、

重賞初制覇を飾りました。

2着には2番人気のライヒスアドラーが入り

1番人気に推されたアドマイヤクワッズは

直線で先頭争いを演じるも3着に

敗れました。

今週は、中山競馬場で皐月賞トライアル

第75回スプリンターズステークスが

行われます。

スプリングステークスは3着までの馬に

皐月賞への優先出走権が与えられる

トライアル競走で1952年4歳牡馬・牝馬

(現3歳)限定の芝1800mで施行される

重賞競走として創設されました。

その後、施行場や距離は幾度かの変遷を

経て、1960年以降は中山競馬場の

芝1800mで定着し、皐月賞トライアルの

副称がつけられました。

1964年には名称がフジテレビ賞

スプリングステークスに変更され皐月賞、

日本ダービーと続く春のクラシック路線

およびNHKマイルカップへの重要な

前哨戦として位置付けられています。

 

なお、昨年はフジテレビが不祥事を受けて

寄贈賞およびレース名への冠名の付与を

辞退したため、フジテレビ賞が外され

ましたが、今年はフジテレビ賞の冠名が

復活して付与されます。

 

思い出の馬は、後に三冠馬となる皇帝

シンボリルドルフを最も苦しめた馬 

ビゼンニシキです。

 

ビゼンニシキの父は日本人が馬主の

マイラー系種牡馬ダンディルートで

代表産駒には女傑エイティトウショウや

トウショウゴッド、トウショウペガサス、

アップセッター、ポリートウショウ等の

重賞勝ち馬がいます。

 

ビゼンニシキは昭和59年のクラシック組で

同期には皇帝シンボリルドルフ、宝塚記念

を制したスズパレードやスズマッハ、ニシノ

ライデン、ロングハヤブサ、ゴールドウェイ

ホッカイペガサス等の重賞勝ち馬がいます。

 

ビゼンニシキは旧馬齢3歳秋の東京で

デビューし、新馬戦で6馬身差をつけて

圧勝、続く条件特別も後の重賞勝ち馬

ニッポースワローやハツノアモイを相手に

快勝してエリート路線に乗り、暮れの

特別レースにも勝って、無敗の3連勝を

飾り、クラシックに名乗りを挙げました。

 

年が明けて4歳になったビゼンニシキは

共同通信杯4歳ステークスに参戦。

このレースには関東の3歳チャンピオンの

ハーディービジョンは出走しなかったものの

ビゼンニシキと同様に3歳時に無敗の

3連勝を飾り、後に宝塚記念を制する

スズパレードやリキサンパワーが出走。

ビゼンニシキは1番人気に支持されました。

レースはオンワードビュリーが逃げ、2番手

にリキサンパワーが続き、ビゼンニシキは

5番手を追走、その後ろからスズパレード

という展開になりました。

第3コーナーで早くもビゼンニシキが

仕掛けて3番手に上がり、スズパレードも

差を詰めて、直線の勝負へ。

直線に入ってリキサンパワーが先頭に

立つと、内からスズパレードが脚を伸ばし

大外からはビゼンニシキが手綱を持った

ままで追い込み、人気馬3頭による追い

比べとなりましたが、最後は直線でも

余裕があったビゼンニシキがゴール前で

一気に差し切って勝ち、重賞初制覇と共に

4連勝を飾りました。

そして次にビゼンニシキはクラシックへの

登竜門弥生賞に駒を進めましたが、この時

3戦3勝のシンボリルドルフも弥生賞に

出走することで、両馬の主戦騎手だった

岡部騎手はどちらの馬を選ぶかに注目が

集まりました。

岡部騎手は強い方の馬を選ぶと発言して

重賞を勝ったビゼンニシキではなく、

シンボリルドルフを選んだことで成宮

調教師やビゼンニシキ関係者が激怒

するなど、当時物議を呼びました。

そして弥生賞で、ついに無敗どうしの

両雄が激突することになりました。

1番人気は4連勝中のビゼンニシキが

推され、シンボリルドルフは日本馬同士の

競馬では唯一、1番人気を奪われた

レースとなりました。

レースは、ゲート内でビゼンニシキが立ち

上がった時にスタートが切られ、ビゼン

ニシキは不利な発走となって大きく立ち

遅れ、後方からの競馬となりました。

スタートして好ダッシュを見せたニッポー

スワローが逃げ、その後ろから

スズパレード、リキサンパワーが続き

シンボリルドルフは5番手を進み、立ち

遅れたビゼンニシキも外を回って、終始

シンボリルドルフをマークするように

進みました。

第4コーナー手前でシンボリルドルフが

仕掛けて上がって行くと、それを見た

ビゼンニシキも仕掛けて先頭との

差をつめ直線の勝負へ。

直線に入って内をついて逃げ込みを図る

ニッポースワローを大外からシンボリ

ルドルフとビゼンニシキが追い込み、

2頭による一騎打ちになりましたが、

シンボリルドルフが鋭く伸びてビゼン

ニシキを突き放し1馬身3/4の差を

つけて優勝。

因縁の全勝馬対決はシンボリルドルフに

軍配があがりました。

2着に敗れたビゼンニシキにとっては

本当に悔しい初の敗戦となってしまい

ました。

シンボリルドルフが次に皐月賞に向かう中

ビゼンニシキは休む間もなく、スプリング

ステークスに参戦しました。

このレースには、新たに函館3歳の

チャンピオンのサクラトウコウや後に

最強の2勝馬と言われたスズマッハ、

きさらぎ賞を制して東上して来た

ゴールドウェイが出走。

ビゼンニシキは圧倒的な1番人気での

出走となりました。

レースは、スタートして今までとはうって

変わってコーナーワークを利用して

ビゼンニシキが逃げる展開となり、

その後ろからサクラトウコウ、スズマッハ

が続きました。

軽快に逃げるビゼンニシキを3コーナーの

手前でサクラトウコウとオンワードカメルン

が並びかけましたが、再びビゼンニシキが

突き放し、先頭のままで直線の勝負へ。

内をついたビゼンニシキを馬場の真ん中

からサクラトウコウ、外からスズマッハが

必死で追い込みましたが、ビゼンニシキが

2頭を振り切って優勝を飾り、2つ目の

重賞を獲得しました。

そして迎えたクラシック第一冠目の皐月賞

ビゼンニシキとシンボリルドルフの両雄が

再び激突することになりました。

1番人気はシンボリルドルフが支持され

ビゼンニシキは2番人気での出走と

なりました。

レースはアサカジャンボが逃げ、シンボリ

ルドルフは4,5番手から進み、ビゼン

ニシキは中団からの競馬となりました。

第3コーナーで早くもシンボリルドルフが

仕掛けて先頭を奪うとビゼンニシキも

シンボリルドルフの直後に付いて、両雄

一歩も譲らず直線の勝負へ

直線に入って先頭に立つシンボリルドルフ

を外からビゼンニシキが追い込み、激しい

叩き合いになりましたが、ゴール前で

シンボリルドルフがビゼンニシキを振り

切って優勝を飾り、ビゼンニシキは再び

2着に敗れてしまいました。

シンボリルドルフがダービーに直行する中

ビゼンニシキはハイセイコーと同じように

過酷なローテーションを組まれ、当時の

ダービートライアルNHK杯に出走しました。

このレースにはスズマッハ、ニシノライデン

ハツノアモイなどが参戦。

レースは、道中3番手を進んだ圧倒的1番

人気に推されたビゼンニシキが4コーナー

で先頭に立つと、直線に入って後続馬を

突き放し、格の違いを見せて快勝しました。

しかし、この勝利がビゼンニシキにとっての

最後の勝利となってしまいました。

続いてビゼンニシキは日本ダービーに

出走してシンボリルドルフとの3度目の

対決に挑みました。

2番人気に推されたビゼンニシキは道中

中団を進み、第4コーナーで一気に

上がって見せ場を作ったものの、過酷な

ローテーションによる歴戦の疲れや

距離への疑問からか、直線で全く伸びず

14着に大敗してしまいました。

 

この大敗によって距離の壁を感じた

ビゼンニシキ陣営は新設されたマイル

チャンピオンシップを目標にするなど

菊花賞を断念して中距離路線に舵を

切りました。

そして、秋に入ってマイルチャンピオン

シップの前哨戦としてスワンステークスに

3番人気で出走しましたが、レース中に

骨折を発症したため、競走生命を絶たれ

引退を余儀なくされてしてしまいました。

幸い命にかかわるような故障では

無かったため、1985年から北海道の

牧場で種牡馬となり、産駒からは

マイルチャンピオンシップとマイラーズ

カップを2連覇し、高松宮杯、毎日王冠に

優勝したダイタクヘリオスの他、ハシノ

ケンシロウやリターンエースなどの

重賞勝ち馬、地方での重賞勝ち馬を

輩出するなど、種牡馬としても大いに

活躍しました。

 

記録によりますと

ビゼンニシキは1997年からは3年越しで

望まれていた鹿児島の牧場に移動しました。

そして1997年7月23日、種付けに備えて

試情が行われた際、牝馬に乗りかかった

状態から後方に転倒して頭を強打して

しまい、関係者による必死の治療が施され

ましたが、ビゼンニシキはパニック状態に

陥ってしまい、治療中に18年の生涯に

突如幕を下ろしてしまいました。

 

今週は中山競馬場で先週の弥生賞

ディープインパクト記念に続いてクラシック

に向けた皐月賞トライアル伝統の第75回

スプリングステークスが行われます。

ラストスマイル、テルヒコウ、

クレパスキュラー、アウダーシアに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。