昨日、京都競馬場で行われました伝統の
ハンデ重賞第73回日経新春杯は道中
2番手を追走した1番人気のゲルチュ
タールが逃げ粘るファミリータイムとの
直線での激しい叩き合いを制して
重賞初V勝利を飾りました。
2着には逃げ粘った11番人気のファミリー
タイム、3着には9番人気のリビアングラスが
入りました。
そして今年もレース直前に実況アナからの
「あれからまもなく半世紀、今年も全馬
無事の願いを込めて」との言葉に、そして
レース後のフジテレビの佐野アナからの
「今年も全馬が無事に完走した日経
新春杯です」との言葉に、テンポイントを
思い出しながら、今年も涙が溢れました。
今週は、中山競馬場で今年の古馬戦線を
占う上でも重要なレース第67回アメリカ
ジョッキーカップ(AJCC)が行われます。
アメリカジョッキークラブカップは1960年
に日米友好の一環としてニューヨーク
ジョッキークラブから優勝杯の贈呈を受け
創設されました。
最近ではレース名をAJCCやアメリカJCC
と表記していますが、昭和期ではAJC杯の
略称が一般的でした。
そして西の日経新春杯と並んで現在の
大阪杯や天皇賞(春)に向けて実力ある
古馬の精鋭達が参戦するレースでも
あります。
思い出の馬は、これからという時に短い
生涯を終えてしまったブルスイショーです。
ブルスイショーの父は五冠を制し、日本の
競馬史上最強馬、神馬とも言われている
日本を代表する名馬シンザンで、代表
産駒には二冠馬ミホシンザン、菊花賞馬
ミナガワマンナや超音速スガノホマレ、
快速馬シルバーランド、シングン
ハシコトブキ、シンザンミサキ、キャプテン
ナムラ等、挙げれば切りがない程、内国産
種牡馬不遇の時代にあって、数多くの重賞
勝ち馬をこの世に送り出した不世出の
名馬です。
ブルスイショーは、クラシックへの出走は
叶いませんでしたが同期には競馬ブームの
立役者で昭和48年の顔にも選ばれた
怪物ハイセイコーやダービー馬タケホープ
天皇賞馬カミノテシオやイチフジイサミ
ホウシュウエイト、ディクタボーイ、ユウシオ
ヤマブキオー、ホワイトフォンテン、
ヌアージターフ、サンポウ、クリオンワード
スピードリッチなどの重賞勝ち馬がいます。
ブルスイショーは旧馬齢3歳秋の東京で
デビューし、初戦の新馬戦は4着に敗れた
ものの、2戦目の新馬戦で初勝利を
挙げると、続く条件戦を快勝し2勝目を
挙げ、次の条件特別戦でも2着に入るなど
素質の高さを示しました。
年が明けて4歳になったブルスイショーは
条件特別戦で3勝目を目指しましたが
カネイコマの10着に敗れ、その後も
脚部不安のため、出走取り消し等が
あったため、クラシックへの出走は
叶いませんでした。
しかし、その後、条件特別戦を連勝した
ブルスイショーは当時、残念ダービーとも
言われた日本短波賞に挑みましたが
ダービー2着だったイチフジイサミの前に
8着に終わりました。
夏は函館に遠征し、函館記念で4着に
敗れた後、東京に戻りハンデ戦の格上の
レースとなるオールカマーに挑みました。
このレースには秋の天皇賞を目指す
ハクホオショウやオンワードガイ、
ストロングエイト、ラファールなどの
一線級の有力馬が出走。
1番人気はハンデ61キロのハクホオショウ
2番人気はハンデ59キロのオンワードガイで
実績の無いブルスイショーは50キロの
軽量ハンデとなり、9頭中の7番人気での
出走となりました。
レースはラファールが逃げ、ストロング
エイトが先行し、ハクホオショウ、オンワード
ガイは中団、ブルスイショーは後方からの
競馬となりました。
第3コーナーで一気にブルスイショーが
先頭集団に取り付き、ハクホオショウ
オンワードガイも差を詰めて直線の勝負へ。
直線に入って軽ハンデのブルスイショーが
先頭に立ち、外から重量ハンデを背負った
ハクホオショウとオンワードガイが猛然と
追い込み、ゴール前で粘るブルスイショー
をハクホオショウがクビ差交わして優勝を
飾りました。
2着に敗れたものの直線で一度は先頭に
立ち、2着に健闘したブルスイショーは
一線級を相手でも通用することを
証明しました。
オールカマーでの成績を裏付けるように
続いてブルスイショーは、当時は残念
菊花賞とも言われ行われていた、今は
無きカブトヤマ記念に参戦しました。
このレースには東京4歳Sの勝ち馬
スピードリッチ、後の重賞勝ち馬サンポウや
ヤマブキオーの他、ストロングエイトの弟
ストロングナイン、タケデンパワー
ロイヤルスプリンタなどが出走。
セントライト記念で3着に好走した
キクカギョクリュウが1番人気に支持され
ブルスイショーは2番人気での出走と
なりました。
レースはオンワードバリーがハナを奪って
逃げ、その後ろからストロングナイン、ベル
ロイヤルが続き、スピードリッチ、サンポウ
ヤマブキオーは中団、ブルスイショーは
後方から、最後方はキクカギョクリュウ
という展開になりました。
第4コーナーでは14頭が一団となる中
逃げたオンワードバリーが先頭で
直線の勝負へ。
オンワードバリーが逃げ粘る中、外から
ブルスイショーとサンポウが鋭く伸びて
追い込み、直線半ばでブルスイショーが
先頭に立つと、最後は追い込んで来た
サンポウを振り切って優勝を飾り、念願の
重賞初制覇を果たしました。
ついに本格化したブルスイショーは重賞
初制覇の勢いのまま、当時は中距離系
重賞の暮れの大一番と言われ、行われて
いた今は無きクモハタ記念に参戦しました。
このレースには、このレースを最後に
引退する天皇賞馬の古豪メジロムサシや
オープン大将と言われたコーヨー、
セントライト記念を制したヌアージターフ
後の重賞勝ち馬で白い逃亡者と言われた
ホワイトフォンテンなどが出走。
今までの功績を称えるファンからの最後の
支持を受けたメジロムサシが1番人気に
推され、ブルスイショーは3番人気での
出走となりました。
レースは、やはりオンワードバリーが
ハナを奪って逃げ、2番手にストロング
ナインが続き、メジロムサシ、ホワイト
フォンテン、ヌアージターフは中団から
その後ろからブルスイショーとコーヨーが
続くという展開になりました。
第3コーナーでホワイトフォンテンと
ブルスイショーが仕掛けて差を詰め
第4コーナーでは外からコーヨーが勝負に
出て上がってくる中、ホワイトフォンテンが
オンワードバリーを交わして先頭に立って
直線の勝負へ。
直線に入ってホワイトフォンテンが
失速すると、今度はブルスイショーが
鋭く伸びて一気に先頭に立ち、馬場の
真ん中からコーヨーも伸びて来ましたが
ブルスイショーがコーヨーに4馬身差を
つけて圧勝。
重賞2連勝を飾りました。
因みにこのレースを最後に引退する
古豪メジロムサシは6着に敗れたものの
彼の今までの功績を称えるように
引き上げて来たメジロムサシに対し
場内からは温かい拍手が送られました。
年が明けて古馬になったブルスイショーは
古馬初戦として金杯(東)に1番人気に
推されて出走しましたが、連戦の疲れが
出たのか7着に敗退してしまいました。
その後ブルスイショーは、この年の古馬
戦線を占う上で重要なレースとなる
AJC杯に参戦しました。
このレースには有馬記念でタニノチカラと
お互いに牽制し合って仕掛けが遅れ、
3着に敗れた怪物ハイセイコーをはじめ
ダービーと菊花賞を制したタケホープ、
牝馬クラシック二冠を制し、有馬記念では
華麗な逃げを展開し、2着に粘った
ニットウチドリ、天皇賞馬ベルワイド、
逃げる精密機械トーヨーアサヒやイチフジ
イサミ、ヌアージターフ、雨女ラファール等
蒼々たるメンバーが顔を揃えました。
1番人気は有馬記念の雪辱を晴らすことを
期待されたハイセイコーでブルスイショーは
4番人気での出走となりました。
レースは大方の予想どおり、トーヨーアサヒ
の逃げで始まり、2番手にニットウチドリ
ハイセイコーは3番手を進み、その後から
ヌアージターフ、ベルワイド、イチフジイサミ
が続き、ブルスイショー、タケホープは
後方からの競馬となりました。
第3コーナーで早くもハイセイコーが仕掛け
トーヨーアサヒを交わしにかかろうとすると
ニットウチドリも負けじとトーヨーアサヒを
交わして先頭に立ち、一気にペースが
上がり、ハイセイコーとニットウチドリが
競り合う形で直線の勝負へ。
直線に入ってハイセイコーが先頭に立ち
このまま押し切ろうとしましたが、
このハイセイコーの早い仕掛けが、まさに
ニューサントを追って早めに先頭に立ち、
直線で伸びを欠いてタケホープに差され
敗れたダービーを再現するかのように、
ダービーと同じように直線で一旦先頭に
立ったハイセイコーでしたが、すぐに失速し
代わりに今度は馬場の真ん中から鋭く
伸びてきたヌアージターフが先頭に立つと
今度は外からタケホープとブルスイショー
の2頭が猛然と追い込みタケホープが
一気に交わして先頭に立ち、大外から
猛然と追い込んで来たブルスイショーを
おさえて優勝を飾りました。
ハイセイコーは9着に大敗し、初めて
掲示板を外してしまいました。
タケホープを追い詰めて2着に入った
ブルスイショーは高く評価され、今後の
活躍が大いに期待されました。
その後、春の天皇賞を目指し、目黒記念に
出走するために調整を行っていた
ブルスイショーに起こってはいけない
まさかの悲劇が襲いかかりました。
目黒記念を3日後に控えた最終追い切りの
1974年2月14日、向こう正面を疾駆して
いたブルスイショーの左脚に突然異常が
発生し、鞍上の蛯名騎手があわてて馬を
止め、診療所に運びましたが、診断の
結果は左下腿骨哆開骨折で予後不良との
診断が下され、安楽死の処置が施され
ブルスイショーは、あっという間に天国に
走って行ってしまいました。
ブルスイショーの安楽死の情報は、当時
私は競走馬が大好きで競馬を見ていると
知っていた塾の先生から聞き、大変
ショックを受けたのを今でも覚えています。
春の天皇賞での活躍を大いに期待され
これからという時にブルスイショーは
わずか4年間の短い生涯を閉じてしまった
ことは、本当に残念でなりません。
今週は中山競馬場で第67回アメリカ
ジョッキークラブカップが行われます。
ジョバンニ、ショウヘイ、ディマイザキッド
マテンロウレオに注目しています。
今週も全人馬の無事を祈りながら
レースを観ます。




