昨日、東京競馬場で行われました伝統の
第172回天皇賞秋は道中、中団を進んだ
1番人気のマスカレードボールが、最後の
直線残り100メートルで鋭く抜け出して
優勝を飾り、G1初制覇を果たしました。
2着には3番人気の皐月賞馬ミュージアム
マイル、3着には古馬の意地か8番人気の
ジャスティンパレスが入りました。
また、アメリカカリフォルニア州のデルマー
競馬場で開催された米国競馬の祭典、
第42回ブリーダーズカップクラシックで
日本馬フォーエバーヤングが第3コーナー
で先頭に立つと、最後の直線でも後続馬を
突き放し、追い込んで来た昨年の覇者
シエラレオーネを振り切って優勝。
日本競馬界にとって長年の悲願だった
日本調教馬として初制覇を果たし、ついに
ダート世界一の座を獲得するという歴史的
快挙を成し遂げました。
私も長年競馬を見て来て、多くの名馬達が
渡米して何度も敗れる姿を見てきました。
ついに夢にまで見たこの日が来てくれて
本当に嬉しい限りです。
フォーエバーヤングの関係者の皆様
本当におめでとうございます!
どうか人馬共無事に帰国されることを
祈っています。
本当にお疲れさまでした。
今週は、東京競馬場で伝統の第63回
アルゼンチン共和国杯が行われます。
アルゼンチン共和国杯は日本とアルゼン
チンの友好と親善の一環として1963年に
アルゼンチンジョッキークラブカップ
(ARJC)の名称で創設されました。
1974年にアルゼンチンの競馬が
ジョッキークラブから国の管轄へ移管
されたことに伴い、1975年から現在の
名称になりました。
そして1984年のグレード制導入と重賞
格付けの全面見直しに伴い、それまで
年2回施行されていた伝統の秋の目黒
記念競走が廃止される代替として施行
時期を今までの5月から秋の目黒記念が
行われていた11月に移行し4歳(現3歳)
以上の馬によるハンデキャップ競走として
東京競馬場で施行されるようになりました。
思い出の馬は、年度代表馬でありながら
行方不明になってしまったカネミノブです。
カネミノブの父は昭和を代表する
マイラー系種牡馬バーバーで
代表産駒にはスルガスンプジョウ、
カネミカサ、カネオオエ、ヨネミノル、
ハザマファースト等の重賞勝ち馬や
ハイセイコーと死闘を演じたカネイコマ等
中央競馬、地方競馬ともに多くの活躍馬を
輩出しました。
また、母は昭和46年のオークスを勝った
名牝カネヒムロで、カネミノブは青森で
誕生しました。
カネミノブは昭和52年のクラシック組で
同期には外車マルゼンスキー、巨漢の
ダービー馬ラッキールーラ、皐月賞馬
ハードバージ、菊花賞馬プレストウコウ
天皇賞馬テンメイやリュウキコウ、
ヒシスピード、ヨシノリュウジン等の重賞
勝ち馬がいます。
カネミノブは、旧馬齢3歳秋の東京で
デビューし、初戦の新馬戦は5着に敗れ
ましたが、2戦目の新馬戦で勝ち上がり
4戦目の特別戦に勝って2勝目を挙げ
クラシックに名乗りをあげました。
年が明けて4歳になったカネミノブは
クラシック登竜門弥生賞で2着に入り
有力候補に躍り出て、皐月賞では6着に
敗れたものの、ダービーでは3着に入る等
実力があるところを見せました。
夏は札幌に遠征し、条件特別を勝って
3勝目を挙げると、秋に入ってセントライト
記念に1番人気で出走しましたが2着に
敗れ、その後西下して参戦した京都
新聞杯でも5着に敗退し、クラシック
最終戦菊花賞でも5着に終わるなど、
善戦はするものの、勝ち味に遅く、結局
クラシック制覇はなりませんでした。
年が明けて古馬になったカネミノブは
金杯(東)から始動して2着に入り、続く
中京記念での4着後に転厩し、移籍後
最初のレースとなった京王杯スプリング
ハンデでは1番人気に推されましたが、
シービークインの4着に敗れるなど、
決め手に欠けるところがあって勝ち星には
なかなか恵まれませんでした。
続いてカネミノブはアルゼンチン共和国杯
に参戦。
このレースにはハクバタロー、タイホウ
ヒーロー、アマミプリンス、ホッカイノーブル
などの重賞優勝馬が出走したものの、
実績馬が少ないこともあってカネミノブは
1番人気に推されました。
レースはワールドサバンナが逃げ、アマミ
プリンスが続き、カネミノブが3番手の
好位置を進み、その後ろからハクバタロー
ホッカイノーブルが続き、パワーシンボリは
最後方からという展開で進みました。
第4コーナーでカネミノブも仕掛けて
先頭との差を詰めて直線の勝負へ。
ワールドサバンナが逃げ込みを図る中
ハクバタローが内をつき、大外をついた
カネミノブは鋭く伸びて、直線半ばで
先頭に立つと、外から猛然と追い込んで
来たパワーシンボリをおさえて優勝を飾り
念願の重賞初制覇を果たしました。
この勢いのまま、次に出走した日本経済賞
でも好位から抜け出し、2着に3馬身差を
つけて圧勝。
重賞2連勝となり、カネミノブはついに
本格化しました。
春の勢いのまま、秋競馬での活躍が期待
されたカネミノブでしたが、毎日王冠、目黒
記念では強豪相手とはいえ、共に僅差の
2着敗れるなど、なかなか勝ちきれません
でした。
そして続く天皇賞秋では前代未聞の
カンパイが発生するなど、ペースを
乱されたのか、5着に敗退してしまい
ました。
その後、カネミノブは年末の大一番
有馬記念に挑みました。
このレースには、ダービー馬サクラショウリ
TTGの一角菊花賞・天皇賞馬グリーン
グラス、菊花賞馬プレストウコウ、天皇賞馬
ホクトボーイとエリモジョージ、二冠牝馬
インターグロリア、古豪ヤマブキオーや
カシュウチカラ、メジロイーグル、カネミカサ
メジロファントム、リュウキコウの重賞
勝ち馬が出走するなど、豪華メンバーが
顔を揃えました。
1番人気は菊花賞をレコード勝ちした
プレストウコウで前走の天皇賞での5着が
影響したのか、カネミノブは9番人気という
低評価での出走となりました。
レースはスタートしてメジロイーグルと
エリモジョージの先行争いで始まりましたが
結局メジロイーグルが逃げ、続いてエリモ
ジョージ、その後ろからインターグロリア、
カネミカサが続き、カネミノブは5,6番手
グリーングラス、サクラショウリ、ホクト
ボーイは中団から、プレストウコウ、リュウ
キコウは後方からという展開となりました。
軽快な逃げを展開するメジロイーグルは
第3コーナーでペースを上げ、後続馬も
一斉に仕掛ける中、メジロイーグルが
先頭で直線の勝負へ。
直線に入ってメジロイーグルが突き放しに
かかるとエリモジョージは失速、粘り込みを
図るメジロイーグルを道中 内々を通って
いたカネミノブが鋭く伸びて馬群から抜け
出し、逃げ粘るメジロイーグルを交わして
先頭に立ち、外から追い込んで来た
インターグロリアを退け、レコードタイムで
優勝を飾り、悲願の八大競走制覇を
ついに果たしました。
そして、この有馬記念での勝利が高く
評価され、カネミノブは昭和53年の
年度代表馬に選出されました。
年が明けて6歳になったカネミノブは
アメリカジョッキークラブカップから
始動しましたが、昨年の有馬記念で
やぶったサクラショウリとグリーングラスに
ワンツーフィニッシュを決められ4着に
敗れました。
続く中山記念でも同期のカネミカサの前に
4着に敗れ、オープン競走でも3着に
敗れると、秋まで休養に入りました。
秋緒戦は毎日王冠で復帰しましたが
シービークロスの豪脚の前に2着に敗れ
続いて天皇賞秋に参戦しましたが、不良
馬場が影響したのか10着に大敗して
しまいました。
そしてカネミノブは年内最終戦として
スピードシンボリ以来の連覇がかかる
年末の大一番有馬記念に出走しました。
昨年同様、このレースには春の天皇賞馬
カシュウチカラ、ダービー馬サクラショウリ
有馬記念に執念を燃やすグリーングラス
菊花賞馬インターグシケン、天皇賞馬
テンメイとホクトボーイ等、豪華メンバーが
揃いました。
レースは最初ボールドエイカンの逃げで
始りましたが、第4コーナーでは早くも
グリーングラスが先頭に立って直線の
勝負へ。
内埒沿いを走るグリーングラスの脚色は
衰えず、カネミノブは昨年と同様に直線で
スパートをかけようとした瞬間、不運にも
メジロファントムが斜行しながら目の前を
横切ったことで進路を塞がれてしまうなど
大きな不利を受け、それでも何とか立て
直して追い込んだものの、3着に入るのが
精一杯でした。
レース後、加賀騎手は猛抗議を行い
ましたが、着順が変わることはありません
でした。
結局、カネミノブは6歳時、6戦し善戦するも
勝つことは出来ませんでした。
年が明けて7歳になったカネミノブは現役を
続行し、初戦はアメリカジョッキークラブ
カップに1番人気に推されて出走し2着に
敗れましたが、続く目黒記念(春)では
斤量60キロを背負いながらも、サクラ
ショウリやカシュウチカラをやぶって
1年2ヶ月振りに優勝し、重賞4勝目を
挙げました。
その後、日経賞3着、続く宝塚記念では
不良馬場に泣かされ7着、中2週で
出走した当時の高松宮杯でも3着に
終わりました。
その後、夏を休養したカネミノブは秋緒戦
2年連続で2着に敗れていた毎日王冠に
参戦。
斤量59キロのトップハンデを背負った
カネミノブは2番人気で出走しました。
レースは、プリティキャストが大逃げを
打つ中、カネミノブは後方からレースを
進めました。
第4コーナーでメジロファントム、カネミノブ
が仕掛け、プリティキャストに並びかけて
直線の勝負へ。
内を通って逃げ込みを図るプリティキャスト
を大外からカネミノブ、内からキャプテン
ナムラの2頭が鋭く追い込んで競り合い
最後はカネミノブがキャプテンナムラを
振り切って勝ち、3度目の正直で勝利を
掴み、5つ目の重賞を獲得しました。
そして、この勝利がカネミノブにとっての
最後の勝利になりました。
続く目黒記念では4着、天皇賞秋でも
プリテイキャストの大逃げの前に4着に
敗れ、その後カネミノブは3度目となる
暮れの大一番有馬記念へ出走しました。
最後の直線でホウヨウボーイ、カツラノ
ハイセイコ、カネミノブの3頭が抜け出して
叩き合いとなりましたが、最後はホウヨウ
ボーイがカツラノハイセイコをハナ差
振り切って優勝を飾り、この歴史的
名勝負の中、7歳馬カネミノブも僅差の
3着に入り、最後の意地を見せました。
その後、8歳になったカネミノブは
引退レースとしてアメリカジョッキークラブ
カップに出走し、同じく出走していた
ホウヨウボーイの4着に入り、このレースを
最後に引退しました。
引退したカネミノブは種牡馬となり、内国産
種牡馬不遇の時代の中で中央での重賞
勝ち馬を3頭や地方でも重賞勝ち馬を
輩出するなど、活躍したと思います。
記録によりますと
種付け件数は次第に少なくなったため、
1991年を最後にシンジケートが解散となり、
シンジケート解散後も1993年までは
功労馬として牧場で繋養されていましたが
1994年8月16日に用途変更になって
以降は行方不明になってしまいました。
有馬記念に勝って年度代表馬となった
競走馬が行方不明になった事は当時も
大きな話題となり、しかも繁殖牝馬を
引退していた母カネヒムロが当時JRAの
関連施設で功労馬として暮らしていたことも
あって物議を醸しました。
屠殺場に送られた、当て馬になっている等
の噂がありましたが、その後の消息も
未だに不明となっていることが本当に
残念です。
今週は東京競馬場で第63回アルゼンチン
共和国杯が行われます。
レーベンスティール、ホーエリート
ディマイザキッド、スティンガーグラスに
に注目しています。
今週も全人馬の無事を祈りながら
レースを観ます。






