昨日、札幌競馬場で行われました

サマー2000シリーズ第4戦スーパー

GⅡ伝統の第61回札幌記念は10番

人気のトップナイフが直線で鋭く伸びて

抜け出し、重賞初勝利を飾りました。

2着には2番人気のココナッツブラウン、

3着には13番人気の8歳馬アラタが入り

1番人気のホウオウビスケッツは直線で

沈み、7着に敗れるという大波乱の決着と

なりました。

今週は夏競馬も終盤戦に入り新潟競馬場

で第45回新潟2歳ステークスが

行われます。

新潟2歳ステークスは、1968年に新潟

競馬場の3歳(現2歳)馬によるオープン

競走新潟3歳ステークスの名称で創設

されました。

1984年にグレード制の導入によりG3に

格付けされ、行われています。

2歳世代において最初に行われる

マイル以上の距離での重賞競走であり、

歴代の優勝馬や出走馬からはクラシックを

制したビクトリアクラウンやメジロドーベル

をはじめ、ハーブスター、イスラボニータ等

後に多くの重賞勝ち馬を輩出している

ことから、翌年のクラシック戦線を占う

意味でも重要なレースとなっています。

 

思い出のレースは、姉妹で重賞を制覇し

活躍したダイナシュートが優勝した

昭和59年第4回新潟3歳ステークスです。

ダイナシュートの父は、日本競馬に多大な

功績を残し、現在の社台ファームの礎を

築いた昭和を代表する大種牡馬ノーザン

テーストで代表産駒にはダービー馬

ダイナガリバー、有馬記念馬アンバー

シャダイ、天皇賞馬ギャロップダイナ、

オークス馬ダイナカール、シャダイアイバー

アドラーブル、桜花賞馬シャダイソフィアや

ダイナアクトレス、ダイナレター、マチカネ

タンホイザ等、挙げれば切りがない程の

重賞勝ち馬を世に送り出しました。

また、ダイナシュートの姉には新潟記念や

牝馬東京タイムズ杯に優勝したダイナ

マインがいます。

ダイナシュートは昭和60年の牝馬

クラシック組で同期には桜花賞馬エルプス

オークス馬ノアノハコブネ、エリザベス

女王杯を制したリワードウイングや

トチノニシキ、牝馬最強の1勝馬と

言われたナカミアンゼリカ等がいます。

ダイナシュートは旧馬齢3歳夏の新潟の

新馬戦でデビューし、1馬人気の応えて

圧勝すると、続いて格上となる当時の

新潟3歳ステークスに挑みました。

このレースには新馬戦を10馬身差で

圧勝したイカリハイグレイドや5馬身差で

新馬戦を圧勝したサクライチモンジ等が

出走し、ダイナシュートは6番人気という

低評価での出走となりました。

レースは好スタートを切ったイカリハイ

グレイド、ビートドール、ダイナシュートの

3頭による先行争いとなり、初めにビート

ドールがハナを奪うも、すぐにダイナ

シュートが交わして先頭に立って逃げる

展開となりました。

第4コーナーで出遅れたサクライチモンジ

やシュウザンチャンプが仕掛けて直線の

勝負へ。

逃げるダイナシュートは直線に入っても

スピードは衰えず、内から伸びて来た

シュウザンチャンプと競り合う中、外から

サクライチモンジが猛然と追い込んで

来ましたが、最後はダイナシュートが

シュウザンチャンプを振り切って優勝を飾り

重賞初制覇を果たしました。

続いてダイナシュートは東京に戻って

京成杯3歳ステークスに参戦しました。

レースは大外枠から出たダイナシュートが

スピードを活かしてすぐに3番手に上がり

最後の直線に入ると、馬場の真ん中から

鋭く伸びて先頭に立ち、追い込んで来た

シンボリカノープをおさえて勝ち、重賞

2連勝すると共にデビュー以来3連勝を

飾りました。

続く3歳牝馬ステークスでは後の桜花賞馬

エルプスやタカラスチールに続く3着に敗れ

ましたが、牝馬クラシックの有力馬の1頭

として堂々と名乗りを挙げました。

年が明けて4歳になったダイナシュートは

牝馬クラシックへの参戦を前に体調を崩し

更に前脚の骨折で長期休養を余儀なく

されたため、牝馬クラシックに参戦する

ことは叶いませんでした。

その後、ダイナシュートは秋に復帰するも

精彩を欠きましたが、年が明けて古馬に

なったダイナシュートは中山牝馬ステークス

で3着に入って復調の兆しを見せました。

そして、この年、古馬の牡馬との混合戦

となる重賞競走に出走し、北九州記念や

京王杯AHで2着、金鯱賞で3着に入る等

善戦はしたものの、勝つまでには

至りませんでした。

 

年が明けて6歳になったダイナシュートは

現役を続行し、京王杯スプリングカップ4着

新潟大賞典3着など、善戦はしたものの

相変わらず勝ち星には恵まれません

でした。

もう限界かと思われていたダイナシュート

でしたが、夏の福島に遠征して七夕賞に

参戦。

3番人気に推されたダイナシュートは道中

中団からレースを進め、第4コーナーで

仕掛けて、先頭集団との差を詰め

直線の勝負となりました。

馬場の真ん中からダイナフェアリーが

先頭に立ちましたが、外からダイナ

シュートが猛然と追い込み、ゴール前で

ダイナフェアリーを差し切って勝ち、京成杯

3歳ステークス以来、約2年9ヶ月ぶりの

勝利を挙げ、3つ目の重賞を獲得しました。

しかし、この久しぶりの勝利がダイナ

シュートにとっての最後の勝利となりました。

その後、ダイナシュートは重賞競走で善戦

しながら秋まで走りましたが、牝馬東京

タイムズ杯での11着を最後に、現役を

引退しました。

引退後は北海道で繁殖牝馬となり、

12頭の産駒を世に送り出し、その中から

代表産駒として高松宮記念等に優勝した

アドマイヤマックスを世に送り出しました。

 

繁殖牝馬としても活躍したダイナシュートは

22歳の時、2004年7月23日付で用途

変更となっており、その後ダイナシュートが

どのような運命を辿ったのかの記録が

残っていないのが残念です。

 

今週は新潟競馬場で新潟2歳チャンピオン

決定戦第45回新潟2歳ステークスが

行われます。

フェスティバルヒル、タイセイボーグ

ヒルデグリム、サノノグレーターに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。