昨日、小倉競馬場で行われました伝統の

第60回北九州記念は1番人気のヤマニン

アルリフラが道中、中団でレースを進め、

最後の直線で混戦の中、鋭く伸びて

抜け出し、3連勝で重賞初制覇を

飾りました。

5番人気のヨシノイースターは2年連続で

2着となり、3着には7番人気のアブキール

ベイが入りました。

今週は福島競馬場で今年も夏の到来を

告げる第61回七夕賞が行われます。

七夕賞は1965年に旧馬齢4歳(現3歳)

以上の馬による重賞競走として

創設されました。

1960年と1970年代の一時期において

10月にレースが行われていたことが

ありましたが、時期と名称が合わないとの

理由で一時期、レース名を東北記念と

改称しました。

その後、1980年からは施行時期を

再び夏開催に戻したことから七夕賞の

名称が復活し、2006年からは夏競馬を

盛り上げるために設けられたサマー

シリーズ第1戦に、2025年はサマー

シリーズ第2戦に指定されています。

 

私は毎年、夏の新潟や福島等のローカル

競馬というとノボルトウコウ、サンヨウコウ

スイジン、アマノガワといった馬が今でも

真っ先に思い浮かんできます。

 

思い出のレースは、ムツミバロンがレコード

勝ちした昭和49年第10回七夕賞です。

ムツミバロンの父は、昭和を代表する

万能系種牡馬チャイナロックで代表産駒

には怪物ハイセイコーをはじめ、初代怪物

タケシバオー、菊花賞馬アカネテンリュウ

天皇賞馬メジロタイヨウやホウシュウエイト

ツキサムホマレ、トウショウロック等の重賞

勝ち馬など、中央・地方を問わず、

挙げれば切りがない程、数多くの活躍馬を

世に送り出しました。

 

ムツミバロンは昭和46年のクラシック組で

同期には疾風の差し足と呼ばれた

ダービー馬ヒカルイマイ、菊花賞馬ニホン

ピロムーテー、天皇賞馬ベルワイドや

オンワードガイ、メジロゲッコウ、ゼンマツ

フィドール、ヤシマライデン、ハスラー等の

個性派の重賞勝ち馬がいます。

ムツミバロンは旧馬齢3歳夏の福島で

デビューし、新馬戦は7着に終わり、

その後も3戦、短い距離でのレースに

苦戦して勝てなかったものの、秋の

新潟の未勝利戦で初勝利挙げました。

その後、新潟でも条件特別戦に勝って

2勝目を挙げ、クラシックへの出走に

望みを繋げました。

年が明けて4歳になったムツミバロンは

クラシック戦線に参戦。

しかし、スプリングステークス6着

皐月賞は9着に終わり、次の条件特別に

勝って3勝目を挙げ、何とかダービーに

挑んだものの、ヒカルイマイの前に7着に

敗れました。

その後、長期休養を余儀なくされたムツミ

バロンは1年後に復帰し、復帰後4戦は

勝てなかったものの、その後条件特別を

3勝してオープン入りを果たし、その勢いで

福島大賞典やステイヤーズステークスに

挑みましたが、勝つことは出来ません

でした。

 

年が明けて6歳になったムツミバロンは

この年の後半は、ローカル路線を中心に

15戦するも条件戦で2勝するに止まり

ました。

7ヶ月の休養後、年が明けて7歳になった

ムツミバロンは現役を続行し、東京での

条件戦を勝って9勝目を挙げると、夏の

新潟に遠征し、BSN杯7着後、七夕賞に

挑戦しました。

このレースにはオークス馬ナスノチグサを

はじめ、ハイセイコー時代の名脇役

サンポウや後にシルバーコレクターと

言われ、ファンも多かったロイヤル

スプリンタが出走。

1番人気にはナスノチグサが支持され

ムツミバロンは5番人気での出走と

なりました。

レースはロイヤルスプリンタが逃げ

その後ろからインモータル、サンポウが

続き、ムツミバロンとナスノチグサは

中団からの競馬となりました。

第3コーナーでサンポウが一気に仕掛けて

ロイヤルスプリンタを交わしにかかると

ムツミバロンも一緒に上がっていって

直線の攻防へ。

最後の直線でサンポウとムツミバロンが

激しい競り合いを演じる中、外からは

ナスノチグサも追い込んで来たものの

ゴール前でムツミバロンがサンポウを

交わして優勝を飾り、念願の初重賞制覇を

果しました。

しかし、この勝利がムツミバロンにとっての

最後の勝利となりました。

その後、8歳まで現役を続けたムツミバロン

でしたが、新潟記念や福島記念で着順

掲示板に載る成績は残したものの、

勝つまでには至りませんでした。

そして8歳のオープン競走で6着が

ムツミバロンにとっての中央競馬での

最後のレースとなりました。

記録によりますと

その後、ムツミバロンは地方競馬に

移籍したとなっていますが、地方競馬での

引退後の消息については、残念ながら

不明となっています。

 

今週は福島競馬場で夏の訪れを告げる

サマーシリーズ第2戦第61回七夕賞が

行われます。

シリウスコルト、コスモフリーゲン

シルトホルン、ドゥラドーレスに注目して

います。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。