昨日、中京競馬場で行われました春の

GⅠ競走の開幕となるスプリント王決定戦

第55回高松宮記念は道中、中団で

レースを進めた2番人気のサトノレーヴが

最後の直線で鋭く抜け出して優勝を飾り

G1初制覇を果たしました。

1番人気のナムラクレアはまたしても2着に

敗れ、3着には6番人気のママコチャが

入りました。

今週は、阪神競馬場でGⅠ競走

第69回大阪杯が行われます。

大阪杯は1957年に5歳(現4歳)以上の

馬による重賞競走大阪盃競走として創設

されました。

その後、競走名は1964年にサンケイ

大阪杯と改称され、1989年からは

産経大阪杯となり、2017年にGⅠ競走に

昇格したことにより、名称を大阪杯と

改称しました。

 

思い出の馬は、事件に巻き込まれ、波瀾

万丈の馬生を送ったステートジャガーです。

ステートジャガーの父は私が大好きだった

アローエクスプレスを兄に、名牝ミオソチス

を姉に持つテスコボーイの仔サンシャイン

ボーイで、代表産駒には毎日杯を勝った

スターサンシャイン、東京障害特別を

勝ったハッピーウォーリアや多くの

地方での重賞勝ち馬がいます。

ステートジャガーは地方競馬の出身で

地方での同期には東京ダービーを制した

ハイセイコーの仔キングハイセイコーや

ジャパンカップでシンボリルドルフの2着に

入った地方の星ロッキータイガーがおり、

中央での昭和59年組には三冠馬シンボリ

ルドルフ、ビゼンニシキ、スズパレード、

スズマッハ等がいます。

ステートジャガーは旧馬齢3歳秋の

大井競馬でデビューし、新馬戦に勝つと

鮮やかに5連勝を飾り、5歳で中央に

移籍するまでの間に13戦8勝、2着3回、

3着1回の好成績を残して中央入りしました。

移籍後、中央競馬での初戦はマイラーズ

カップに参戦。

このレースにはマイル王ニホンピロ

ウイナーや桜花賞馬のダイアナソロンと

シャダイソフィアをはじめ、ロングハヤブサ

ハシローディー等、蒼々たるメンバーが

出走しました。

レースはドミナスローズとシャダイソフィアが

先行争いを演じ、その後ろから中央

初見参のステートジャガーが続き、

ニホンピロウイナーは中団からレースを

進めました。

第3コーナーでシャダイソフィアが先頭に

立つとロングハヤブサも一気に仕掛けて

直線の勝負へ。

内をついたステートジャガーが鋭く伸びて

先頭に立つと、60キロの斤量を背負った

ニホンピロウイナーが外から襲いかかり

ステートジャガーとニホンピロウイナーの

激しい競り合いになりましたが、最後は

ニホンピロウイナーがステートジャガーを

貫禄でねじ伏せて勝ち、初の芝や

初コースでの競馬となったステート

ジャガーは、中央のオープン馬相手に

2着と大健闘しました。

続いてステートジャガーは当時のサンケイ

大阪杯に参戦しました。

このレースには三冠馬ミスターシービーや

前走で敗れたニホンピロウイナーをはじめ

スズカコバン、ハシローディー、ニシノ

ライデン等の重賞勝ち馬が出走しました。

1番人気には三冠馬ミスターシービーが

支持され、ステートジャガーは3番人気での

出走となりました。

レースは、マイラーズカップで休み明けを

叩かれたハシローディーが逃げ、

その後ろからニホンピロウイナーが続き

ステートジャガーは中団から、ミスター

シービーは例によって最後方からの

競馬となりました。

第3コーナーで一気に外からステート

ジャガーが仕掛け、ミスターシービーも

先頭との差を詰め、10頭が一団となって

直線の攻防へ。

直線に入ってステートジャガーが外から

先頭に立つと、内からはニシノライデン

そして馬場の中央からミスターシービーが

猛然と追い込み、最後はステートジャガー

とミスターシービーとの壮絶な叩き合いと

なりましたが、ステートジャガーが、ハナ差

ミスターシービーをおさえて優勝を飾り、

大金星を挙げると共に中央での重賞

初制覇を果たしました。

その後、ステートジャガーは天皇賞春を

回避して中央でのキャリア2戦で、夏の

グランプリ競走、宝塚記念に挑みました。

このレースには天皇賞春でミスター

シービーとの三冠馬対決を制して優勝した

シンボリルドルフが出走予定でしたが、

直前になってアクシデントが発生したため

出走を断念してしまいました。

それでも天皇賞春でシンボリルドルフの

2着に入ったサクラガイセンや5連勝中の

ウインザーノット、京都記念の覇者メジロ

トーマス、ニシノライデン、グローバル

ダイナ、古豪ヤマノシラギク等、重賞の

常連組が出走しこの精鋭達が出走する中

ステートジャガーはサンケイ大阪杯での

レースが高く評価されたのか、1番人気に

推されました。

レースはウインザーノットが逃げ、ステート

ジャガーとスズカコバン、サクラガイセンは

後方からの競馬となりました

第3コーナーでステートジャガーが一気に

仕掛けて先頭との差を詰めて直線の

攻防へ。

最後の直線に入ってウインザーノット

ステートジャガー、グローバルダイナ

スズカコバン、サクラガイセンの叩き合いと

なりましたが、外から伸びたスズカコバンが

差し切って優勝。

ステートジャガーは健闘するも及ばず

4着に惜敗しました。

しかし、レース後に行われたドーピング

検査でステートジャガーの尿から禁止薬物

であるカフェインが検出されたため、一転

失格となって賞金は没収となってしまい

ました。

競走前に何者かからステートジャガーの

薬物使用についての告発があったとの

報道もあり、調教師が管理責任を問われ

6ヶ月間の調教停止処分が科せられました。

この一件はステートジャガー事件と言われ

結局、真相は分からないままとなりました。

 

いちばん被害を被ったのは何の罪もない

ステートジャガーで、出走を予定していた

高松宮杯を断念せざるを得ませんでした。

その後、美浦の鈴木厩舎に転厩しましたが

脚部不安を発症して約2年に及ぶ休養に

入ったものの、結局復帰することは叶わず

引退に追い込まれてしまいました。

引退後、種牡馬となりましたが、内国産

種牡馬不遇の中で薬物疑惑もあって

種付け頭数は伸びず、目立った活躍馬を

出せないまま廃用となり、乗馬クラブに

預けられました。

しかし、その後、残されたわずかな産駒から

北関東菊花賞馬やメルシーステージが

中央で重賞を2勝するという活躍を見せた

ことで、再び種牡馬に復帰することに

なりました。

しかし、種付け数は伸び悩み、新たな

活躍馬を輩出することは出来ませんでした。

記録によりますと

1997年に再び廃用となり、その後の

行先は不明となっています。

また情報として千葉県の乗馬クラブで

乗馬になったとの話がありますが、

真偽のほどはわかりません。

人間の勝手で翻弄され続けたステート

ジャガー、天寿を全うして最期を迎えた

ことを願うばかりです。

 

今週は、阪神競馬場で中距離戦線の

精鋭たちが激突する第69回大阪杯が

行われます。

シックスペンス、ベラジオオペラ

ロードデルレイ、ヨーホーレイクに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。