昨日、中山競馬場で行われました皐月賞

トライアル、第74回スプリングステークスは

2番人気のピコチャンブラックが、早めに

仕掛けて先頭に立ち、直線でも先頭を

譲らず、そのまま押し切って勝ち、重賞

初勝利を飾りました。

2着には7番人気のフクノブルーレイクが

入り、新馬戦以来8ヶ月ぶりのレースと

なった1番人気のキングスコールは3着に

終わりました。

今週は阪神競馬場で伝統の第72回

阪神大賞典が行われます。

阪神大賞典は1953年に4歳(現3歳)

以上の馬による重賞競走として

創設されました。

創設当初は阪神競馬場の芝2000mで

行われ、その後距離は幾度かの変遷を

経て、1974年より芝3000mで定着

しました。

創設以来、暮れの阪神開催を飾る

名物レースとして親しまれましたが、

1987年から春の阪神開催に移されて

5歳(現4歳)以上の馬による競走となり

天皇賞(春)の前哨戦として位置づけられ

ました。

 

思い出の馬は、西の若武者と言われた

ディクタボーイです。

ディクタボーイは、ハイセイコー世代の

昭和48年のクラシック組で同期には

ハイセイコーをはじめ、ダービー馬

タケホープ、天皇賞馬イチフジイサミや

カミノテシオ、ホウシュウエイト、ユウシオ

シルバーランド、クリオンワード等の重賞

勝ち馬がいます。

ディクタボーイは旧馬齢3歳秋の京都の

新馬戦でデビューし、初戦は2着に敗れた

ものの、2戦目の新馬戦で初勝利を

挙げました。

続く条件特別を2着とした後、格上となる

当時の関西3歳チャンピオン決定戦となる

阪神3歳ステークスに挑みましたが、

快速馬キシュウローレルの前に3着に

終わりました。

年が明けて4歳になったディクタボーイは

シンザン記念に参戦。

このレースには、新馬戦を快勝した

ホウシュウエイトやハクサンホマレ、

アマツカゼ等が出走しました。

レースはキネヤタイヨウが逃げる中

ハクサンホマレとアマツカゼが先行し

その後ろから1番人気のホウシュウエイトが

続き、そのホウシュウエイトをマークする

ようにディクタボーイが進みました。

第4コーナーでホウシュウエイトと

ディクタボーイが先頭との差を詰めて

直線の勝負へ。

直線に入って各馬横一線となる中、内から

アマツカゼ、真ん中からハクサンホマレ、

外からホウシュウエイトとディクタボーイが

追い込み、最後はディクタボーイと

ホウシュウエイトが激しい競り合いと7

なりましたが、ディクタボーイがホウシュウ

エイトを振り切って勝ち、初重賞制覇を

飾りました。

しかし、続くきさらぎ賞ではクリオンワードに

僅か及ばず2着に惜敗しました。

その後、ディクタボーイはホウシュウエイト

と共に関西のクラシック候補として怪物

ハイセイコーに挑むべく、東上しました。

しかし、この年は怪物ハイセイコーの

出現で日本中が大いに盛り上がり、

競馬史上に残る競馬ブームが沸き起こって

いました。

そんな中で、関西の期待の星として

クラシック戦線に挑んだディクタボーイ

でしたが、ハイセイコーの前にスプリング

ステークス7着、皐月賞14着、NHK杯3着

と敗れ、日本ダービーでもタケホープの

8着に終わりました。

夏を無事に過ごしたディクタボーイでしたが

秋初戦の朝日チャレンジカップは9着に

敗れ、続く当時の菊花賞トライアル京都

新聞杯でも12着に大敗し、本番の

クラシック最終戦の菊花賞ではタケホープ

の6着に善戦したものの、結局クラシックは

無冠に終わりました。

その後、ディクタボーイはオープン競走を

2着とした後、当時は暮れの阪神開催を

飾る大一番だった阪神大賞典に挑みました。

このレースには同期のホウシュウエイト

トーヨーチカラ、イーストリバーや秋の

天皇賞で2着に入ったミリオンパラ等が

出走し、1番人気はホウシュウエイトで

ディクタボーイは5番人気に支持され

ました。

レースはメトロオーカンが逃げ、ホウシュウ

エイトは5番手を進み、ディクタボーイは

中団、ミリオンパラは後方からという展開に

なりました。

第3コーナーから第4コーナーでホウシュウ

エイトが仕掛けて3番手から2番手に上がり

それを見るようにディクタボーイも仕掛けて

直線の勝負へ。

直線に入ってメトロオーカンを捉えた

ホウシュウエイトが先頭に立つと、大外から

ディクタボーイが鋭く追い込んで、まさに

シンザン記念を再現するかのように

ホウシュウエイトとディクタボーイの一騎

打ちになり、ゴール前でディクタボーイが

ホウシュウエイトを交わし、レコードタイムで

優勝を飾り、クラシックでの無念を晴らす

と共に2つ目の重賞を獲得しました。

この勝利により、古馬になってからの

活躍が期待されたディクタボーイでしたが

無理なローテーションでの激戦の影響か

脚部不安を発症し、長期休養を余儀なく

されてしまいました。

9ヶ月の休養を経て秋に復活したディクタ

ボーイは初戦のオープン競走は8着に

敗れたものの、次のオープン競走に

快勝して復活を果たしました。

しかし、この勝利がディクタボーイに

とっての最後の勝利となりました。

その後、天皇賞を目指して東上した

ディクタボーイはハイセイコー、タケホープ

ストロングエイトやヤマブキオー等、豪華

メンバーが揃ったオープン競走で

ヤマブキオーの3着に入り、当時、東京の

3200mで行われていた天皇賞秋に挑み

ました。

このレースにはオープン競走後に鼻出血を

発症してしまったハイセイコーは出走を

断念しましたが、ホウシュエイト、イチフジ

イサミ、タケクマヒカル、カミノテシオ、

ストロングエイトやオンワードガイ、ナオキ

ナスノチグサ、トーヨーアサヒ等、超豪華

メンバーが出走し、ディクタボーイは4番

人気に支持されました。

いつものようにトーヨーアサヒの逃げで

始ったレースは、直線で内をついた

カミノテシオが鋭く抜け出して優勝。

ディクタボーイも外から豪脚を繰り出して

追い込み、惜しくも3着に敗れたものの

これからの活躍を期待できるレース内容

でした。

しかし、その後ディクタボーイは、

また休養に入り、年が明けて6歳になって

当時のサンケイ大阪杯で復帰したものの

11着に大敗し、このレースがディクタ

ボーイにとっての最後のレースとなりました。

その後、ディクタボーイがどのような運命を

辿ったかの記録はなく、消息不明となって

いるのが本当に残念です。

 

今週は、阪神競馬場で伝統の第72回

阪神大賞典が行われます。

ショウナンラプンタ、ゴールデンスナップ

ワープスピード、マコトヴェリーキーに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。