昨日、中山競馬場で行われました
クラシックの登竜門、伝統の第62回
弥生賞ディープインパクト記念は7番
人気のファウストラーゼンが向こう正面で
一気にまくりに出て先頭に立ち、最後の
直線では交わされそうになるも、最後まで
粘り切って勝ち、重賞初勝利を飾りました。
2着には2番人気のヴィンセンシオ、
3着には5番人気のアロヒアリイが入り
1番人気のミュージアムマイルは直線で
伸び脚を欠いて4着に終わりました。
今週は、中山競馬場で皐月賞トライアル
第74回スプリンターズステークスが
行われます。
スプリングステークスは3着までの馬に
皐月賞への優先出走権が与えられる
トライアル競走で1952年4歳牡馬・牝馬
(現3歳)限定の芝1800mで施行される
重賞競走として創設されました。
その後、施行場や距離は幾度かの変遷を
経て、1960年以降は中山競馬場の
芝1800mで定着し、「皐月賞トライアル」
の副称がつけられました。
1964年には名称がフジテレビ賞
スプリングステークスに変更され皐月賞、
日本ダービーと続く春のクラシック路線
およびNHKマイルカップへの重要な
前哨戦として位置付けられています。
なお、今年はフジテレビが不祥事を受けて
寄贈賞およびレース名への冠名の付与を
辞退したため、フジテレビ賞が外され、
スプリングステークスとして行われます。
思い出のレースは、クラシックを目指した
ヨシノリュウジンが勝った昭和52年
第26回スプリングステークスです。
ヨシノリュウジンの父は昭和を代表する
万能型種牡馬ネヴァービートで天皇賞馬
リキエイカン、皐月賞馬マーチスをはじめ
オークス馬ルピナス、牝馬二冠を制した
インターグロリア、障害の王者グランド
マーチスや走る労働者トウフクセダン、
ダイイチオー、メジロスイセイ、
ハシクランツ等、挙げれば切りがない程、
多くの代表産駒を輩出しています。
また、姉には関西の快速馬としてならした
ケイリュウシンゲキがいます。
ヨシノリュウジンは昭和52年のクラシック組
で同期にはスーパーカーの異名をとった
外車マルゼンスキーをはじめダービー馬
ラッキールーラ、皐月賞馬ハードバージ、
菊花賞馬プレストウコウ、有馬記念馬
カネミノブ、天皇賞馬テンメイや
ヒシスピード、リュウキコウ等がいます。
ヨシノリュウジンは後のダービー馬
ラッキールーラと同じ名門尾形藤吉厩舎に
入厩し、旧馬齢3歳秋の東京の新馬戦で
デビューし、初戦は2着に敗れたものの
2戦目の新馬戦を勝って初勝利を挙げ、
続く条件特別レースにも勝って2勝目を
挙げました。
その後、府中3歳ステークスに出走するも
外車マルゼンスキーの前に大きく離された
最下位の5着に敗れました。
年が明けて4歳になったヨシノリュウジンは
条件戦に勝利して3勝目を挙げ、続く条件
特別戦でハナ差の2着とすると、続いて
クラシックに繋がる東京4歳ステークスに
参戦しました。
このレースには後のダービー馬ラッキー
ルーラやプレストウコウ、ヒシスピードが
出走し、ヨシノリュウジンも果敢に先行
しましたが、ヒシスピードの前に6着に
敗れてしまいました。
続いてヨシノリュウジンはクラシックへの
出走をかけて、スプリングステークスに
に挑みました。
このレースには東京4歳ステークスで
敗れたヒシスピードや西から新たに東上
して来たきさらぎ賞の勝ち馬リュウキコウ
やシンザン記念の勝ち馬テンザンサクラ等
が出走しました。
レースは不良馬場という悪コンディションの
中で行われました。
スタートでヒシスピードが出遅れるという
波乱を思わせる中、ヨシノリュウジンが
逃げ、その後ろからテンザンサクラが続き
出遅れたヒシスピードは5番手から進み、
リュウキコウは後方からの競馬となりました。
第3コーナーで各馬が仕掛けペースが上り
第4コーナーで外からテンザンサクラが
ヨシノリュウジンに並びかけて直線の
勝負へ。
一旦は並びかけられるも、ヨシノリュウ
ジンは根性を発揮して逃げ粘り、外から
ヒシスピード、内からはスタイリストが
追い込んで来たものの、ヨシノリュウジンは
更に脚を伸ばして突き放して優勝を飾り、
重賞初制覇を果たしました。
この勝利で春のクラシックの有力候補の
1頭となったヨシノリュウジンでしたが、
クラシックでは持ち前の逃げは発揮できず
皐月賞9着、ダービーでは22着に終わって
しまいました。
その後、ヨシノリュウジンはスプリング
ステークス以降、勝ち星から遠ざかって
しまい、4歳から5歳にかけて、13連敗を
喫してしまいました。
そして、ヨシノリュウジンは5歳の秋に
ローカル戦に活路を見出そうと福島に
遠征し、福島民報杯で約1年半ぶりの
勝利を挙げることが出来ました。
しかし、この勝利がヨシノリュウジンに
とっての中央での最後の勝利となり
ました。
その後も福島や札幌に遠征するも勝てず
6歳秋の中山での条件特別戦8着を
最後に地方競馬の上山競馬に移籍
しました。
記録によりますと地方競馬での成績は
9歳まで走って23戦6勝とありますが
引退後、ヨシノリュウジンはどうなったかの
記録は無く、人知れず消息不明となって
しまったのであれば、とても残念です。
今週は中山競馬場で先週の弥生賞
ディープインパクト記念に続いてクラシック
に向けた皐月賞トライアル伝統の第74回
スプリングステークスが行われます。
ダノンセンチュリー、マテンロウバローズ
ピコチャンブラック、キングスコールに
注目しています。
今週も全人馬の無事を祈りながら
レースを観ます。

