昨日、東京競馬場で行われました

フェブラリーステークスの前哨戦第39回

根岸ステークスは、スタート直後にタガノ

ビューティーが落馬するという波乱の中

2番人気のコスタノヴァが直線で豪快に

抜け出し、2着に4馬身差をつけて圧勝。

重賞初制覇を果たしました。

2着には3番人気のロードフォンス、

3着には7番人気のアルファマムが入り

1番人気のフリームファクシは直線で

いつもの伸びが見られず6着に敗れました。

今週は、東京競馬場で伝統の第75回

東京新聞杯が行われます。

東京新聞杯は古馬による重賞競走として

「東京杯」の名称で1951年に創設され

ました。

創設当初は東京競馬場の芝2400mで

天皇賞春の前後に行われていましたが、

1966年より名称を「東京新聞杯」に変更し

併せて施行時期も1月下旬から2月上旬

に行われるようになりました。

天皇賞春を意識していたレースだった

ためか、昭和30年代から昭和40年代

初期の優勝馬にはオートキツやコマツ

ヒカリ等のダービー馬をはじめ、天皇賞馬

タカマガハラやタケシバオー、菊花賞馬

アカネテンリュウ等、競馬史上に残る

名立たる名馬達が名を連ねています。

昭和40年代頃は施行距離も金杯と同じ

2000mであったため、私の中では金杯の

再戦レースというイメージが今でも強い

ですが、1984年より距離も東京競馬場の

芝1600mに短縮されたことで、今までの

天皇賞春に向けたレースではなく、安田

記念等、春のマイル路線に向けたレース

という位置づけに変わりました。

 

思い出の馬は、1980年を最後に廃止と

なってしまったクモハタ記念最後の覇者

であり、昭和56年第31回東京新聞杯

優勝馬ドロッポロードです。

ドロッポロードの父はグレイソブリン系の

マイラー系種牡馬ドンで、代表産駒には

快速馬サクラシンゲキをはじめ、ブルー

マックス、ニシノミラー、ダイシンフブキ、

マークヒリュウ等の重賞勝ち馬がいます。

ドロッポロードは昭和55年のクラシック組

で同期にはダービー馬オペックホース、

天皇賞馬モンテプリンス、有馬記念馬

アンバーシャダイ、皐月賞馬ハワイアン

イメージ、菊花賞馬ノースガスト、快速馬

サクラシンゲキ等がいます。

ドロッポロードは旧馬齢4歳1月の中山の

新馬戦でデビューし、初戦は9着だった

ものの、2戦目の新馬戦で初勝利を挙げ

ました。

その後、4戦目の条件特別競走を勝って

2勝目を挙げ、何とかぎりぎりでダービーに

出走できたものの、距離の疑問か20着に

大敗してしまいました。

その後、夏の新潟遠征で3勝目を挙げると

秋の重賞路線に参戦。

京王杯オータムハンデは5着だったものの

菊花賞トライアル、セントライト記念で

モンテプリンスの2着に入ると、ドロッポ

ロードは西下して菊花賞に挑みました。

しかし、善戦はしたものの、やはり距離の

壁なのか、5着に敗れました。

その後、東京に戻り、今は廃止となって

しまったクモハタ記念に出走しました。

 

クモハタ記念は顕彰馬クモハタを記念して

1951年に創設されました。

秋の天皇賞の翌週、中山競馬冬開催の

トップを飾る重賞競走であり、当時3200m

だった秋の天皇賞や2500mの有馬記念

に対し、距離の適性がない短・中距離系の

古馬や菊花賞を回避した当時の4歳馬

(現3歳)にとっての年末の大一番として

実施されていました。

1981年から同時期にジャパンカップが

創設され、ほぼ同条件下で行われていた

ダービー卿チャレンジトロフィーが

この時期に開催が移動したことにより

役目を終え、クモハタ記念は1980年を

もって、残念ながら廃止されることになって

しまいました。

 

最後の開催となるクモハタ記念には

春のクラシック組からリンドタイヨー

ハーバーシャレードの他、重賞勝ち馬の

サクラゴット、ミスカブラヤ、フジアドミラブル

が参戦。

ドロッポロードは1番人気に推されました。

レースはアズマデライトが先手をとって

逃げ、その後ろからカブラヤオーの妹

ミスカブラヤが続き、ドロッポロードは

中団から、サクラゴット、リンドタイヨー、

フジアドミラブルは後方からの競馬と

なりました。

第4コーナーでミスカブラヤ、リンドタイヨー

が仕掛けて直線の勝負へ。

直線に入ってアズマデライトが逃げ粘る中

内をついたドロッポロードが馬群を割って

鋭く伸びて先頭に立ち、外から追い込んで

来たフジアドミラブルをおさえて優勝。

最後のクモハタ記念優勝馬になると共に

重賞初制覇を果たしました。

年が明けて古馬となったドロッポロードは

5歳の初戦として金杯(東)に参戦。

このレースには同期で皐月賞馬の

ハワイアンイメージやキタノリキオー等の

実力馬が出走しました。

その古馬初戦となったレースで1番人気に

推されたドロッポロードは、人気に応えて

優勝。

2連勝で重賞2勝目を挙げました。

続いてドロッポロードは東京新聞杯に出走。

このレースには天皇賞馬の古豪カシュウ

チカラ、クモハタ記念組からフジアドミラブル

リンドタイヨー、ミスカブラヤやダービーでは

3着だった同期のテイオージャが参戦。

このレースでも1番人気に推されたドロッポ

ロードは直線で鋭く伸びて差し切り、フジ

アドミラブルに2馬身半差をつけ、人気に

応えて圧勝。

重賞競走3連勝を飾り、一流古馬への

仲間入りを果たすと共に、本格化しました。

しかし、この勝利がドロッポロードにとっての

最後の勝利となってしまいました。

古馬戦線の主役に躍り出て今後の活躍が

期待されたドロッポロードでしたが、

その後、骨折を発症してしまったため、

引退となり、再び競馬場に帰って来る

ことはありませんでした。

引退して骨折の治療後、1985年から

種牡馬となったドロッポロードは、昭和期の

内国産種牡馬不遇の中にあって、代表

産駒は出せなかったものの、少ない産駒の

中から中央でのオープン馬や地方での

勝ち馬を輩出する等、立派な成績を残し

ました。

 

記録によりますと1996年に種牡馬を

引退となっていますが、その後ドロッポ

ロードがどのような余生を送ったのか

最期はどのように亡くなったのかという

記録が存在しないのがとても残念です。

 

今週は東京競馬場で伝統の第75回

東京新聞杯が行われます。

ボンドガール、ウォーターリヒト、

オフトレイル、ブレイディヴェーグに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。