昨日、牝馬限定となった1991年以降
初めて京都競馬場で行われました
2歳女王決定戦第76回阪神ジュベナイル
フィリーズは5番人気のアルマヴェローチェ
が直線で外から豪快に伸びて差し切り、
G1初制覇を果たしました。
2着には8番人気のビップデイジー、
3着には7番人気のテリオスララが入り、
1番人気のブラウンラチェットは精彩を欠き
まさかの16着に大敗しました。
フューチュリティステークスが行われます。
1949年関東地区3歳(現2歳)馬の
チャンピオン決定戦として朝日杯3歳
ステークスが創設されました。
2001年から名称を朝日フューチュリティ
ステークスと変更し、2013年までは中山
競馬場で行われていましたが、2014年
からは舞台を阪神競馬場に移して
行われています。
昭和期に暮れの中山競馬場での朝日杯
3歳ステークスとして見て来た私としては
2週連続で牡馬牝馬の2歳馬チャンピオン
決定戦が大人の事情とはいえ、関西地区
で行われることやその代わりとして
昭和59年に関西で行われるG3競走
として新設され、平成29年よりG1競走
となって現在は中山で行われている
ホープフルステークスが存在する等、
どの勝ち馬が本当の2歳王者なのか、
未だに違和感を拭い去ることが出来ません。
思い出の馬は、旧名称の第23回朝日杯
3歳ステークス優勝馬で花の昭和47年組の
名牝トクザクラです。
トクザクラの父は昭和を代表する大種牡馬
パーソロンで代表産駒には皇帝シンボリ
ルドルフを筆頭にダービー馬サクラショウリ
天皇賞馬メジロアサマ、オークス馬カネ
ヒムロ、タケフブキ、ナスノチグサ、トウコウ
エルザ、桜花賞馬ダイアナソロンや
ヤマブキオー、ノボルトウコウ等、牡馬
牝馬を問わず数多くの名馬を輩出しました。
トクザクラは昭和47年の牝馬クラシック組
で同期には桜花賞とビクトリアカップの
牝馬クラシック二冠を制したアチーブスター
ダービー馬タケホープの姉タケフブキや
タカイホーマ、キョウエイグリーン
シンモエダケ、カミノチドリ等がいます。
トクザクラは旧馬齢3歳夏の新潟で
デビューし、新馬戦を6馬身差の圧勝で
人気に応えると、続く新潟3歳ステークス
でも後にローカルの鬼と呼ばれたノボル
トウコウ等をレコードタイムで退けて圧勝。
続いて出走した京成杯3歳ステークスには
後のオークス馬タケフブキやスガノホマレ
ノボルトウコウも参戦し、当日はあいにくの
不良馬場となりました。
レースは好スタートを切ったトクザクラが
スピードの違いを見せてハナを奪って逃げ
その後ろからタケフブキが続き、スガノ
ホマレとノボルトウコウは中団からの競馬と
なりました。
直線に入って、タケフブキが内をついて
差を縮めようとするも、トクザクラの
スピードは落ちることなく、差を広げ
外から追い込んで来たノボルトウコウに
スピードの違いを見せつけるかのように
7馬身差をつけて、このレースも圧勝。
無傷の3連勝を飾りました。
次に北海道の3歳チャンピオンで3連勝中
のトモエオーやソロナオール、ノボル
トウコウが出走した伝説の特別競走では
4着に敗れ、連勝はストップしてしまった
ものの、続く当時の関東の3歳王者決定戦
朝日杯3歳ステークスに紅一点で挑み
ました。
このレースには4戦4勝のトモエオーの他
スガノホマレ、ノボルトウコウ、インター
ブレイン、アローエクスプレスの弟
トルーエクスプレス等が出走。
トモエオーが圧倒的1番人気に推され、
トクザクラは4番人気での出走となりました。
レースはトルーエクスプレスが先手を
取って逃げ、トクザクラ、スガノホマレが
先行し、人気のトモエオーは中団から進み
ノボルトウコウは後方からの競馬と
なりました。
直線に入ってトクザクラが鋭く伸びて
抜け出し、トモエオーやスガノホマレ、
ノボルトウコウ等の後の重賞勝ち馬
となる牡馬達を蹴散らして優勝を飾り、
関東の3歳チャンピオンに輝くと共に
牝馬クラシックに向けて堂々と名乗りを
挙げました。
そしてこの活躍により、トクザクラは
この年の最優秀3歳牝馬に選出されました。
年が明けて4歳になったトクザクラは
桜花賞を目指して西下し、始動戦となった
オープン競走を圧勝して桜花賞に挑み
ました。
トクザクラは2番人気での出走となり
ましたが、直線で伸び脚を欠き、名人
武邦彦騎手騎乗のアチーブスターの前に
4着に敗れてしまいました。
その後、脚部不安によりオークスを断念、
そのまま休養に入りました。
秋に入って古馬牝馬との初対戦となった
牝馬東京タイムズ杯ではオークス馬
カネヒムロやポピーオンワード、キョウエイ
グリーンを相手に5馬身差をつけて圧勝。
続いて出走したダービー卿チャレンジ
トロフィーでは天皇賞馬ベルワイド、名牝
ラファール、アカツキテルやスイノオーザ
オークス馬タケフブキ、キョウエイグリーン
等の古馬の牡馬牝馬の精鋭達が
出走する中、トクザクラは1番人気に推され
その期待に応え、トクザクラは2着に
2馬身差を快勝。
4歳牝馬ながら実力があるところを
見せつけました。
しかし、この勝利がトクザクラにとっての
最後の勝利となりました。
この後、有馬記念に出走するも最下位の
14着に敗れてしまいました。
そしてトクザクラは、この年の牝馬
クラシックを制することは出来ません
でしたが、古馬の精鋭達と互角以上に
渡りあって、2つの重賞を制したことが高く
評価され、牝馬クラシックの2冠を制した
アチーブスターと共に異例ともいうべき
2頭での最優秀4歳牝馬に選出されました。
しかし、年が明けて古馬になってからは
3歳から4歳にかけての勢いはすっかり
影を潜めてしまい、5歳時4戦するも着順
掲示板に載るのがやっとの状態で、6歳に
なってからも現役を続けたものの、勝つ
ことは出来ず、中山牝馬ステークスでの
7着を最後に引退しました。
繫殖牝馬としては、7頭の産駒を輩出し
勝ち馬は出したものの、代表産駒には
恵まれませんでした。
そして1988年に生まれた産駒を最後に
トクザクラの消息は不明となってしまい
ました。
現在ならどこかでゆっくり余生を過ごせた
のではないかと思うと本当に残念です。
今週は京都競馬場で伝統の第76回
朝日杯フューチュリティステークスが
行われます。
アルレッキーノ、アルテヴェローチェ
タイセイカレント、トータルクラリティに
注目しています。
今週も全人馬の無事を祈りながら
レースを観ます。


