先日、新潟競馬場で行われました第59回

関屋記念は、3番人気のトゥードジボンが

好スタートからハナを奪うと、新潟の長い

直線でも失速することなく、後続馬達の

追い上げをしのぎきって優勝。

初の重賞制覇を果たしました。

2着には8番人気のディオ、3着には

1番人気に推されたジュンブロッサムが

入り、2番人気に支持されたプレサージュ

リフトは5着に敗れました。

今週は、札幌競馬場で秋競馬を占う上でも

重要な夏の大一番、スーパーG2 伝統の

第60回札幌記念が行われます。

札幌記念は1965年に旧4歳(現3歳)以上

の馬による重賞競走として創設され、

札幌競馬場で施行する最も歴史が古い

重賞競走です。

また札幌競馬場は寒冷地のため、

昭和期は芝コースが設置されておらず、

左回りや右回りのダートで施行されて

いましたが、1990年から右回りの

芝コースでの施行に変更され現在に

至っています。

昭和期においてダートコースで行われて

いた時代の札幌記念は、中央競馬の

ダート重賞自体が少なかったため、貴重な

存在となっていました。

1997年からは夏季競馬開催では唯一

となるG2に格上げされ、格上げ後は、

開催時期の関係から夏季に開催される

数少ない定量戦であることや賞金の高さ

から、昭和期にはマーチス、トウショウ

ボーイやクライムカイザー、最近でも

シャフリヤール、ジャックドール、ソダシや

ブラストワンピース等、G1を優勝している

馬や後にG1を勝利する馬が出走するなど

毎年、豪華なメンバーが出走することと

G2としては高額に設定された賞金

から、スーパーG2とも呼ばれています。

 

思い出の馬は、札幌記念を連覇し、

ダートと重馬場の鬼と言われたオーバー

レインボーです。

オーバーレインボーは昭和55年の

クラシック組で同期には、天皇賞馬

モンテプリンス、有馬記念馬アンバー

シャダイ、ダービー馬オペックホース、

皐月賞馬ハワイアンイメージ、菊花賞馬

ノースガスト、快速馬サクラシンゲキや

サーペンプリンス等がいます。

オーバーレインボーは旧馬齢4歳1月の

阪神でデビューし、新馬2戦とも2着に

敗れましたが、3戦目の条件特別で

初勝利を挙げるという異色のスタートを

切りました。

そして4月の条件特別で2勝目を挙げると

東上してNHK杯に出走、5着に入った

ことで何とかダービーへの出走権を獲得し

ダービーに挑みましたが、オペックホース

の前に13着に終わりました。

その後オーバーレインボーは夏の函館

シリーズに参戦し、条件特別に勝って

3勝目を挙げると、秋緒戦として菊花賞

トライアル京都新聞杯に出走。

このレースでオーバーレインボーは春の

主役だったモンテプリンスやこの後

菊花賞に優勝するノースガストやタカノ

カチドキをやぶって優勝、重賞初制覇を

果たすと共に菊花賞の穴馬的有力候補に

躍り出ました。

しかし本番の菊花賞ではノースガストの

6着に終わりました。

続いて出走した阪神大賞典では3着に

入るなど、この年の1月にデビュー

したオーバーレインボーは暮れまで

15戦して4勝、うち重賞1勝という

酷使された中で結果を残しました。

年が明けて古馬となったオーバー

レインボーは、金杯では13着と大敗して

しまいましたが、不良馬場で行われた

サンケイ大阪杯で2着に入り、その後

一流古馬の王道路線だった天皇賞春、

宝塚記念、高松宮杯に出走しましたが

勝つまでには至りませんでした。

次に当時は通常の重賞競走だった

金鯱賞に出走すると1番人気で圧勝し

2つ目の重賞を獲得しました。

 

しかし、秋競馬では成績が振るわず、

暮れの阪神大賞典で2着に入ったのが

目立つぐらいでした

年が明けて6歳になったオーバー

レインボーは2戦目のサンケイ大阪杯で

前年同様に2着に入り、天皇賞春に再び

挑戦しましたが、無冠の帝王モンテ

プリンスの前に12着に終わりました。

その後、夏の休養なく北海道シリーズに

参戦、札幌日経賞でキタノリキオーの2着

とした後、札幌記念に出走しました。

このレースには前年の覇者キタノリキオー

の他、後の天皇賞馬キョウエイプロミスや

エリモローラ、キヨヒダカ等が出走し、

1番人気は斤量60.5キロのキタノリキオー

オーバーレインボーは2番人気に支持され

ました。

レースはミホバルカンの逃げで始まり、

向こう正面で一気にキタノリキオーが

先頭に立つと、その後ろからブロケードや

キヨヒダカが続き、中団を進んでいた

オーバーレインボーも第4コーナーで

一気に差を詰めて直線の勝負へ。

直線に入ってオーバーレインボーが一気に

キタノリキオーを交わして先頭に立つと

追い込んで来たシルクリキオーやロング

ミラーに2馬身差をつけて圧勝。

3つ目の重賞を獲得しました。

しかし、その後芝の函館記念で10着に

敗れ、秋競馬に入ってからも京都大賞典

11着と安定しませんでしたが、その後の

京都記念、京阪杯、阪神大賞典では

2着に入るなど、本格化を示しました。

 

年が明けて7歳になったオーバー

レインボーは現役を続行し、7歳緒戦

日経新春杯に出走しました。

このレースにはテンポイントの甥にあたる

ワカテンザン、メジロアサマの仔メジロ

カーラやダービー馬オペックホース等が

出走し、オーバーレインボーは4番人気に

推されました。

レースはホースメンワイルドが逃げる中

好位を進んだオーバーレインボーが

第4コーナーで差を詰めると、直線に

入って内をついて鋭く伸びて先頭に立ち

追い込むメジロカーラをぎりぎりおさえて

優勝、4つ目の重賞制覇を果たしました。

その後、3年連続で出走したサンケイ

大阪杯を3着とした後、やはり3年連続で

天皇賞春に挑みましたが、またしても

9着に敗れ、天皇賞制覇という悲願達成は

なりませんでした。

天皇賞後、今年も北海道シリーズに参戦

したオーバーレインボーは札幌日経賞を

1番人気で快勝し、連覇を狙って再び

札幌記念に出走しました。

このレースには皐月賞馬ハワイアン

イメージやエリモカップ、ドウカンヤシマ

後のダート王者ロバリアアモン、

大井から移籍してきたアズマキング等が

出走し、斤量60.5キロを背負った

オーバーレインボーが1番人気に推され

ました。

レースはカツマサタイコウとエリモローラが

先行し、オーバーレインボーとハワイアン

イメージは中団からの展開となりました。

第3コーナーから第4コーナーで仕掛けた

オーバーレインボーが直線に入って

外から鋭く伸びて、逃げ粘るカツマサ

タイコウとエリモローラを直線半ばで捉え

綺麗に差し切って優勝。

札幌記念連覇を果たすと共に5つ目の

重賞を手にしました。

しかし、この勝利がオーバーレインボー

にとっての中央での最後の勝利となり

ました。

続く函館記念では斤量61キロと不良

馬場が影響したのか9着に敗れました。

その後オーバーレインボーは暮れの

オープン競走で4着後に休養に入り

年が明けて8歳になったオーバー

レインボーでしたが、現役を続行し、

6ヶ月の休養後、宝塚記念で復帰した

ものの、見せ場なく11着に敗れ、

このレースがオーバーレインボーに

とっての中央での最後のレースとなり

ました。

 

記録によりますとオーバーレインボーは

その後岩手競馬に移籍し、10歳まで

現役を続け、29戦5勝の成績を残し

引退後オーバーレインボーは種牡馬と

なり、1988年から繋養されましたが

内国産種牡馬不遇の時代であったため

勝ち馬は出したものの、代表産駒を

残すことは出来ませんでした。

1994年に種牡馬を引退とありますが

その後オーバーレインボーがどのような

余生を過ごしたかの情報が無いのが

とても残念です。

 

今週は札幌競馬場で夏の大一番

第60回札幌記念が行われます。

プログノーシス、シャフリヤール

ステラヴェローチェ、ボッケリーニに

注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。