先週、東京競馬場で行われました3歳の

最強マイラーを決定する大一番第29回

NHKマイルカップは、2番人気のジャン

タルマンタルがリス)が直線で力強く抜け

出して圧勝、G12勝目を挙げました。

2着には直線でごちゃついた場面があった

ものの、立て直して追い込んだアスコリ

ピチェーノが入り、3着には10番人気の

ロジリオンが入りました。

また、日本からフォーエバーヤングが

参戦し、米国チャーチルダウンズ競馬場で

行われた第150回ケンタッキーダービーは

直線で先頭に立ったミスティックダンを

フォーエバーヤングとシエラレオーネが

猛然と追い込み、3頭による壮絶な叩き

合いになりましたが、ミスティックダンが

ハナ差で勝利し、フォーエバーヤングは

惜しくも3着にやぶれ、歴史的勝利とは

なりませんでした。

しかし、直線で見せたフォーエバーヤング

の奮闘は日本の競馬ファンに感動を

もたらしました。

本当に素晴らしいレースでした。

今週は東京競馬場で土曜日に第69回

京王杯スプリングカップ、日曜日に牝馬の

マイル王決定戦第19回ヴィクトリアマイル

が行われます。

昭和期において、牝馬は早期に引退

させて繁殖のため生産界へ戻すべきと

考えられていて、古馬牝馬にとって目標と

なるようなレースも設けられていません

でした。

その後1996年にエリザベス女王杯が

条件変更され、4歳(現3歳)以上牝馬の

GⅠ競走として行われるようになって

からは、牝馬重賞競走の増設等、体系の

整備や充実が図られるようになり、競走馬

として長く活躍する牝馬が多くなりました。

そして、長く現役として活躍した牝馬からも

優秀な産駒が誕生するようになったことで

生産界の考え方にも変化が生じ、海外に

おいても牝馬の価値を重視する傾向が

強まってきたことから、2006年に4歳以上

牝馬による春のマイル王決定戦として

ヴィクトリアマイルが新設されました。

 

また京王杯スプリングカップは1956年に

5歳(現4歳)以上の馬による重賞として

「スプリングハンデキャップ」の名称で創設

され、1960年に京王杯スプリングハンデ

キャップと改称されました。

その後1981年から距離も1400mに

短縮され、更に1984年からは現名称の

京王杯スプリングカップとなり、現在は

安田記念の重要な前哨戦として位置

づけられています。

 

思い出の馬は、昭和53年第23回

京王杯スプリングハンデキャップ優勝馬

シービークインです。

シービークインは同期のトウショウボーイ

との間に史上3頭目のクラシック三冠馬

ミスターシービーを産んだ母として有名

ですが、競走馬としても類まれな先行力で

重賞を3勝する等、活躍した名牝でも

ありました。

シービークインの父は凱旋門賞馬として

初めて日本で繋養されたトピオでシービー

クインの他、エリザベス女王杯を勝った

ディアマンテ等を輩出しました。

シービークインはテンポイント、トウショウ

ボーイ、グリーングラスで沸いた昭和51年

の牝馬クラシック組で、同期には牝馬

二冠馬テイタニヤの他、ディアマンテ、

ベロナスポート、スカッシュソロン、

ニッショウダイヤ等がいます。

シービークインは旧馬齢4歳1月の東京の

新馬戦でデビューし、トウショウボーイの

5着になりました。

またこの新馬戦で4着になったのは後に

トウショウボーイ、テンポイントと共に

TTGと称されたグリーングラスでした。

そしてこの新馬戦で戦ったトウショウボーイ

とシービークインは後に三冠馬ミスター

シービーの両親となったという経緯から、

この新馬戦は後に「伝説の新馬戦」と

称されました。

シービークインは3戦目の未勝利戦で勝ち

上がると、いきなり格上の重賞競走、

当時のオークストライアル4歳牝馬特別に

出走しました。

このレースにはオークスで巻き返しを狙う

桜花賞2着馬クインリマンドが出走し、

当然1番人気に推される中、実績の無い

シービークインは14番人気での出走と

なりました。

レースはシービークインが軽快に逃げ

直線に入ってもスピードは衰えず、追い

込みを図るクインリマンドやタイシオリを

おさえて優勝、いきなり初重賞制覇を

果たしました。

そしてトライアル優勝馬として堂々と

優駿牝馬(オークス)に参戦しました。

このレースには二冠目を狙う桜花賞馬

テイタニヤが参戦。

テイタニヤが1番人気、クインリマンドが

2番人気に推され、シービークインは

4番人気となりました。

不良馬場で行われたレースはスタートして

ベロナスポートの逃げで始まり、ベロナ

スポートが失速し始めた第3コーナーでは

今度はシービークインが先頭に立って

逃げる展開となりました。

第4コーナーで人気馬のテイタニヤとクイン

リマンドが一気に仕掛けて差を詰め、

直線の勝負へ。

不良馬場の中で内をついたシービークイン

そして馬場の良い外をついたテイタニヤと

クインリマンドが必死に追い込み、逃げ粘る

シービークインをテイタニヤがゴール手前

で交わして優勝。

シービークインは善戦むなしく3着に敗れ

ました。

その後、夏を休養したシービークインは

秋緒戦、当時の牝馬東京タイムズ杯から

スタートしましたが、腰に不安が出たこと

から13頭立ての12着に大敗し、その後も

調子が戻らず、年を跨いで条件特別戦を

含めて8連敗を喫してしまいました。

年が明けて古馬となったシービークインは

秋の条件特別戦でようやく1年3ヶ月ぶりに

勝利を挙げるとオープン牡馬を含めた

戦いとなる毎日王冠に挑みました。

このレースには後の天皇賞馬カシュウ

チカラやカーネルシンボリ、トウフクセダン

トウショウロック等、牡馬の一線級が参戦。

カシュウチカラが1番人気となりシービー

クインは6番人気となりました。

スタートしてシービークインが先手を取って

軽快に逃げ、第4コーナーでカシュウチカラ

やカーネルシンボリが差を詰めて直線の

勝負へ。

直線に入ってカシュウチカラ、カーネル

シンボリ、トウフクセダンがシービークインに

襲い掛かり、トウフクセダンがシービー

クインを一旦交わして先頭に立ちましたが

シービークインが再度差し返して、トウフク

セダンをハナ差押さえ、何とレコードタイム

で優勝、2つ目の重賞を獲得しました。

しかし、このレコードタイムでの優勝の

反動か、続く重賞2走はいずれも着外に

終わりました。

年が明けて6歳になったシービークインは

現役を続け、重賞2走をいずれも2着に

入り、続いて京王杯スプリングハンデ

キャップに参戦しました。

このレースには、この年の有馬記念に

優勝し、年度代表馬にも選出された

カネミノブをはじめ、中距離の王者

カネミカサ、ブルーハンサム、タイホウ

ヒーロー、メルシーシャダイ等、古馬の

精鋭達が出走しました。

1番人気はカネミノブでシービークインは

2番人気に推されました。

スタートしてシービークインが先手を取って

逃げ、その後ろからカネミカサ、カネミノブが

続き、メルシーシャダイとブルーハンサムは

後方からというレース展開となりました。

シービークインは軽快な逃げを展開して、

先頭のまま直線へ。

例によって内をついたシービークイン、

馬場の真ん中からカネミカサとカネミノブ

外からブルーハンサムが必死に追い

込んで来るものの、シービークインの

スピードは衰えず、ブルーハンサムに

2馬身差をつけて快勝、重賞3勝目を

挙げました。

その後、シービークインは休養に入り

ましたが、7月に引退が決まり、北海道

浦河町にある牧場で繁殖入りしました。

 

繁殖初年度の相手にはテスコボーイが

予定されていましたが、種付け権を確保

できず、テスコボーイ産駒のトウショウ

ボーイが代用で選ばれました。

これも運命だったのか、この偶然による

交配により、三冠馬ミスターシービーが

誕生することとなりました。

そして、2年目にハードツービートと交配

されましたが、産駒は出産時における

アクシデントにより死産となってしまい、

以後シービークインは繁殖能力を失って

しまいました。

まさに三冠馬ミスターシービーを生むため

だけに繁殖入りしたかのようでした。

1989年に繁殖生活からも引退し、以後は

故郷千明牧場で功労馬として余生を送り

ました。

記録によりますと

1999年からは種牡馬を引退したミスター

シービーも千明牧場に移動し、シービー

クインの隣に放牧地が設けられ、母子が

互いを見える場所で過ごすという、

離乳後の競走馬としては珍しい状況と

なりました。

2000年に息子ミスターシービーが

蹄葉炎で先に死亡すると、その4年後の

2004年1月10日、シービークインも

老衰のため、31年の生涯に幕を下ろし

ました。

 

今週は東京競馬場で土曜日は京王杯SC

日曜日は4歳以上牝馬のマイル王決定戦

ヴィクトリアマイルが行われます。

京王杯スプリングカップはトウシンマカオ

ウインマーベル、リュミエールノワル、

ソーヴァリアントに注目しています。

 

ヴィクトリアマイルは実力馬マスクト

ディーヴァ、ナミュール、ウンブライル、

モリアーナに注目しています。

今週も全人馬の無事を祈りながら

レースを観ます。