先週、京都競馬場で行われました歴史と

伝統の第169回天皇賞は菱田裕二騎手

騎乗の1番人気・テーオーロイヤルが

直線で抜け出して優勝。

重賞3連勝で人馬ともに悲願のG1初勝利

となりました。

ステイヤーらしいステイヤーが誕生し、

今後の活躍が楽しみです。

2着には5番人気のブローザホーン、

3着には6番人気のディープボンドが入り、

期待していました2番人気の菊花賞馬

ドゥレッツアは軽い熱中症を発症したとの

ことで残念ながら15着と大敗しました。

またハピが競走中止して心配しましたが

某外国人騎手と違い、浜中騎手の

勇気ある好判断で何とか大事には

至らなかったようで、本当に良かった

です。

これからも馬に何らかの異変を感じたら

競走前でも出走中でもすぐに競走を

止めて欲しいものです。

今週は東京競馬場で第29回NHKマイル

カップが行われます。

NHKマイルカップは、1953年から

1995年まで東京優駿(日本ダービー)の

トライアル競走として施行されていた

NHK杯を前身としていて、当時クラシック

競走に出走できなかった外国産馬や

短距離系の馬に対し目標となる大レースを

4歳(現3歳)の春季に創設しようという

ことから、1996年に春の4歳(現3歳)馬

によるマイル王決定戦として新設され

ました。

私にとっては未だにNHK杯という

イメージが強いのですが。

 

思い出のレースは、関西の秘密兵器と

言われたコーヨーチカラです。

クラシック戦線が東高西低だった時に

日本ダービーに向けて好成績を挙げて

最終便で東上してきた関西の有力馬に

対し、当時は関西の秘密兵器とかと

よく言われていて、菊花賞の時は逆に

新星のごとく現れた有力馬に対し、

東の刺客とか夏の上り馬、第二のアカネ

テンリュウ、グリーングラスなどと

言われていました。

コーヨーチカラは昭和51年のクラシック組

で同期には、後にTTG時代と言われた

テンポイント、トウショウボーイ、グリーン

グラスの他、ダービー馬クライムカイザー

天皇賞馬ホクトボーイ・カシュウチカラ、

外車スピリットスワプス等がいます。

昭和51年のクラシック戦線は3歳で

デビューしたテンポイントが、ど派手な

パフォーマンスで連勝街道を突き進み

一躍クラシックの最有力候補となりましたが

4歳の1月にデビューし、3連勝を飾った

関東のトウショウボーイの出現により、

後に宿命のライバルとなる、この2頭

によるTT決戦の様相となりました。

コーヨーチカラは旧馬齢3歳秋の京都で

デビューし、新馬戦は5着に敗れ、年が

明けて4歳になった1月の未勝利戦も

6着に敗れましたが、続く未勝利戦で

初勝利を挙げると、その後特別戦を連勝し

3連勝を飾ったことで、ダービーを目指して

東上し、NHK杯に出走しました。

このレースには、後の菊花賞馬グリーン

グラス、毎日杯優勝馬エリモファーザー、

東の新鋭メルシーシャダイ、タケシバオー

の仔トウカンタケシバ等が出走しました。

1番人気はメルシーシャダイでコーヨー

チカラは3番人気に支持されました。

レースはミヤリサンヒーローが逃げ、

その後ろからユザワジョウとメルシー

シャダイが続き、コーヨーチカラは

中団から、グリーングラスは後方からの

レース展開となりました。

第4コーナーでメルシーシャダイが仕掛け

コーヨーチカラも先頭集団に追いつき

直線の勝負へ。

東京の直線に入って逃げ粘るミヤリサン

ヒーローをメルシーシャダイが交わしに

かかった時、馬場の真ん中からコーヨー

チカラが鋭く伸びて、一気に交わして

先頭に立つと、そのまま他馬を引き離して

4馬身差をつけて圧勝。

重賞初制覇をすると共に関西の秘密

兵器として日本ダービーへの有力候補に

躍り出ました。

そして迎えた日本ダービーでは1番人気が

皐月賞を制覇したトウショウボーイで巻き

返しを図るテンポイントが2番人気となり、

この2頭を負かすとしたらNHK杯を

圧勝したコーヨーチカラしかいないという

ことでトウショウボーイ、テンポイントに続く

3番人気にコーヨーチカラが推されました。

しかし、結果は見せ場なく15着に大敗して

しまいました。

夏を休養したコーヨーチカラは秋初戦の

オープン戦は11着、続く菊花賞トライアル

神戸新聞杯、京都新聞杯でも勝った

トウショウボーイからはかなり離された

5着、6着に敗れ、春のあの勢いは全く

無くなってしまいました。

菊花賞では当時のサラブレッドマーチでの

入場行進の時、実況の杉本アナからも

「どうした、春のあの勢い、秋深まって、

偉大なる父から受け継いだ素質が色づくか、

コーヨーチカラ」と紹介されたほどでした。

春の評価とは一転してコーヨーチカラは

21頭中15番人気という低評価での出走と

なりました。

レースは直線でテンポイントが抜け出し

大歓声の中、先頭に立ち、ついに悲願

達成かと思いましたが、内をついた伏兵

グリーングラスが抜け出して優勝。

2着にはテンポイント、3着にはトウショウ

ボーイが入り、4着には春に関西の秘密

兵器と言われた馬の意地か、直線で

必死に追い込みトウショウボーイに

アタマ差まで迫ったコーヨーチカラが

入りました。

やはり実力の片鱗を見せ、今後が期待

されたコーヨーチカラでしたが、脚部不安を

発症したためか、菊花賞を最後に二度と

競馬場に姿を見せることはありません

でした。

4歳で競走生命が終わってしまった

関西の秘密兵器コーヨーチカラ、引退後

コーヨーチカラがどのような馬生を送り、

どのような最期をむかえたかの記録が

無いのがとても残念です。

 

今週は、東京競馬場で第29回NHK

マイルカップが行われます。

2歳王者アスコリピチェーノとジャンタル

マンタル、ボンドガール、アルセナールに

注目しています。

不幸な出来事が起こらぬよう、今週も

全人馬の無事を祈りながらレースを

見ます