先週、中山競馬場で行われました第98回

伝統の中山記念は7番人気のマテンロウ

スカイが好位追走から直線で抜け出し、

ドーブネを交わして優勝、重賞初制覇を

飾りました。

2着には10番人気のドーブネ、3着には

4番人気のジオグリフが入り、1番人気の

ソールオリエンスは直線で外から追い

込んで来たものの、4着に敗れました。

 

今週は中山競馬場でクラシックの登竜門

であり、節目となる第61回弥生賞ディープ

インパクト記念が行われます。

弥生賞ディープインパクト記念は

1964年に弥生賞という名称で4歳

(現3歳)馬限定の重賞競走として

創設されました。

施行距離やコースは幾度かの変遷を経て

1984年より皐月賞と同じ中山競馬場

芝2000mとして行われ、これにより

クラシック戦線に直結する重要な前哨戦

として位置づけられています。

2020年からは、2019年に亡くなった

名馬ディープインパクトの功績を称え

同馬の重賞初勝利となった弥生賞の

競走名を改称し、弥生賞ディープインパクト

記念として開催されることになりました。

そして長年に渡り、このレースの優勝馬

からはダービーをはじめとする数多くの

クラシック優勝馬が誕生しています。

 

思い出のレースは、黒い重戦車と言われた

ラッキールーラが優勝した昭和52年

第14回弥生賞です。

ラッキールーラの父は14戦14勝の歴史的

名馬ネアルコの血を引く中距離系種牡馬

ステューペンダス、母は菊花賞、天皇賞

目黒記念、毎日王冠等に優勝した

ハクリョウの仔トーストでトースト自身も

金杯、中山記念、アルゼンチンジョッキー

クラブカップや毎日王冠等に優勝し、

桜花賞、天皇賞秋、有馬記念で2着等、

39戦17勝の好成績を残した名牝でした。

 

ラッキールーラは北海道伊達市の牧場で

誕生し昭和を代表する名伯楽尾形藤吉が

率いる名門尾形厩舎に入厩しました。

 

ラッキールーラは昭和52年クラシック組で

同期には伝説の外車マルゼンスキー、

皐月賞馬ハードバージ、菊花賞馬プレス

トウコウ、有馬記念馬カネミノブや

ヒシスピード、リュウキコウ等がいます。

ラッキールーラは旧馬齢3歳の函館で

デビューし、新馬戦2戦とも3着と2着に

敗れましたが、3戦目の未勝利戦で

初勝利を挙げました。

ラッキールーラは530キロを超す

大型馬だったためか、当時ラッキールーラ

のレースを観た私の友人は、まるで牛が

走っているかと思ったと当時感想を述べて

いました。

続く条件特別では後のライバル馬

カネミノブに敗れましたが、5戦目の条件

特別を勝って2勝目を挙げました。

 

年が明けて4歳になったラッキールーラは

格上の京成杯に参戦しましたが、外車

マルゼンスキーと戦ったヒシスピードの

前に惜しくも2着に敗れました。

続く東京4歳ステークスではまたしても

ヒシスピードの前に4着に敗れてしまい

ました。

そしてラッキールーラはクラシック出走に

向けて、クラシックの登竜門弥生賞に

出走しました。

このレースには、これからクラシック戦線で

戦うこととなるカネミノブやノボルトウコウ

の弟プレストウコウ、後の重賞勝ち馬

アローエクスプレスの仔アローバンガードや

アマミプリンス等が出走しました。

レースはスタートしてアローエクスプレスの

スピードを受け継ぐアローバンガードが

先行して逃げると、ラッキールーラが

アローバンガードに絡んでいき、2頭が

競り合って3番手以下を引き離す展開に

なる中、その後ろからアマミプリンスと

カネミノブ、プレストウコウが続き、パワー

シンボリは後方からの競馬となりました。

第3コーナーで各馬スピードが上がる中で

ラッキールーラが下がっていく場面もあり

ましたが、第4コーナーで再び上がっていき

アローバンガードとの差を詰めて直線へ。

内をついたアローバンガードをラッキー

ルーラが交わして先頭に立ち、必死に追い

込んで来たカネミノブ、プレストウコウを

力でねじ伏せて優勝。

念願の重賞を初制覇すると共に、関東の

クラシック候補として名乗りを挙げました。

この後、ラッキールーラは、カネミノブ

プレストウコウ、ヒシスピード、そして

関西のハードバージと共にクラシック戦線

で死闘を繰り広げることになりました。

 

今週は中山競馬場でクラシックの登竜門

第61回弥生賞ディープインパクト記念が

行われます。

ダノンエアズロック、トロヴァトーレ、

シンエンペラー、ファビュラススターに

注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。