先週、京都競馬場で行われました伝統の
第117回京都記念は3番人気の
プラダリアが直線に入って馬場の真ん中
から力強く伸びて、追い込んで来る
ベラジオオペラを抑えて優勝を飾り
重賞3勝目を手にしました。
2着には1番人気のベラジオオペラが入り
3着には2番手追走から逃げ粘った
9番人気バビットが入りました。
今週は東京競馬場で今年初のGⅠ競走
第41回フェブラリーステークスが行われ
ます。
フェブラリーステークスはJRAが施行する
ダート重賞競走では、最も古い歴史を持つ
競走で、1984年に前身となるフェブラリー
ハンデキャップ競走として創設されました。
1994年にはGⅡ昇格し、それと共に
名称もフェブラリーステークスに改称され
ました。
その後、中央競馬と地方競馬の交流競走
が拡大される中で1997年には中央競馬
のダート重賞競走として初めてGⅠ競走に
格付けされ、国内の上半期のダート最強馬
決定戦として位置付けられました。
思い出の馬は、2年連続最優秀ダート
ホースに選出されたアンドレアモンです。
アンドレアモンの父は昭和の大種牡馬
ヒンドスタンの代表産駒の1頭である
リュウファーロスでクラシックには縁が
無かったものの、阪神大賞典やサンケイ
大阪杯、日経新春杯等に優勝し、当時の
内国産種牡馬不遇の時代にあって種牡馬
としてもアンドレアモンの他、リュウキコウや
ラケットボール等の重賞勝ち馬を送り出し
ました。
青森で生まれたアンドレアモンは旧馬齢
3歳の秋に中山でデビューし、2番人気に
推されましたが、15着に大敗しました。
年が明けて4歳になって4戦目のダートの
未勝利戦で初勝利を挙げました。
その後、下級条件で芝のレースでは
勝てなかったものの、ダート戦では
安定した走りを見せて3勝目を挙げました。
年が明けて5歳になったアンドレアモンは
陣営がダート路線に特化して出走させた
ことが功を奏し、夏競馬の条件特別から
4連勝を飾り、この年6戦4勝でオープン
入りを果たしました。
年が明けて6歳になったアンドレアモンは
休養を挟んで夏の北海道シリーズで復帰し
勝つことは出来ませんでしたが、秋の
福島での当時行われていたカブトヤマ記念
では芝のレースではあったためか
7番人気と低評価だったものの、2着に入り
芝でも走れるほど、力をつけたところを
見せました。
その後、根岸ステークスで後の天皇賞馬
ギャロップダイナに先着して2着に入ると
自己条件の霜月賞では1番人気となって
再びギャロップダイナをやぶって8勝目を
挙げ、そして続く新たに創設され当時は
年末に行われていた旧名称の第1回
ウインターステークスでは1番人気に
応えてレコードタイムで快勝し、初の重賞
制覇を果たしました。
この年のダート戦線での活躍により、
アンドレアモンは最優秀ダートホースに
選出されました。
年が明けて7歳になったアンドレアモンの
勢いは止まらず、オープン特別を4番
人気で快勝して年を跨いで3連勝を飾り
続いて当時の名称フェブラリーハンデ
キャップにトップハンデ58.5キロを背負って
出走しました。
レースはスタートしてセントセイマーが逃げ
2番手にキヨヒダカ、その後ろから
ギャロップダイナが続き、アンドレアモンは
中団からのレース展開となりました。
第3コーナーから第4コーナーにかけて
ギャロップダイナも上がっていくとアンドレ
アモンも一気に仕掛けて直線へ。
直線に入るとアンドレアモンが内から鋭く
伸びて先頭に立ち、一気に後続馬を
引き離し、2着のギャロップダイナに
5馬身差をつけて圧勝。
2つ目の重賞を獲得しました。
続くオープン特別競走でも60.5キロを
背負いながらも快勝して5連勝を飾り、
最優秀ダート王としての力の違いを
見せつけ、正にこの時、アンドレアモンは
絶頂期を迎えていました。
その後、当時はダートだった札幌記念で
61.5キロを背負いながらも3着に
健闘すると、続くタイムス杯では61.5キロ
という酷とも言える斤量を背負いながらも
1番人気に応えて快勝し13勝目を挙げ
ました。
しかし、この勝利がアンドレアモンに
とっての最後の勝利となってしまいました。
この後もレースに出走する度に60キロ
以上の重い斤量を背負うこととなり、
さすがに芝の重賞レースでは着外に敗れ
ましたが、年末のウインターステークスでは
連覇を賭けてトップハンデ60キロで出走し
1番人気に推されて、頑張りましたが、
何とか4着に入るのが精一杯でした。
それでも、この年のアンドレアモンの活躍が
高く評価され2年連続で最優秀ダート
ホースに選出されました。
年が明けて8歳になったアンドレアモンは
2月のフェブラリーハンデキャップに連覇を
かけて出走。
ハンデは、これまでで一番重い62キロの
トップハンデでの出走となり、それでも
若馬相手に最後の直線で必死に追い込み
ましたが、僅差の6着に終わりました。
そして、このレースがアンドレアモンに
とっての、最後のレースとなりました。
引退後は種牡馬入りし、産駒からは
勝ち馬を送り出すと共に代表産駒となる
ローリエアンドレがウインターステークスを
制し、産駒の重賞初制覇共にウインター
ステークスの親子制覇を達成しました。
記録によりますと
2002年種牡馬引退後は2003年には
功労馬繋養展示事業における助成金の
交付を受けて生まれ故郷の牧場で余生を
過ごしていましたが、2004年からは
助成対象から外れていて、その後の
詳細については不明となっているのが
とても残念です。
今週は東京競馬場で今年初のGⅠ競走
第41回フェブラリーステークスが行われ
ます。
ダート戦線は多彩な馬が出走するので
とても難しいですが、ウイルソンテソーロ
キングズソード、ペプチドナイル、芝から
挑戦のガイアフォースに注目しています。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。



