先週、東京競馬場で行われました第74回

東京新聞杯は、直線で内をついた

7番人気の7歳馬サクラトゥジュールが

逃げ粘るウインカーネリアンを差し切って

優勝、7歳にして重賞初勝利を飾りました。

2着には連覇を目指した4番人気のウイン

カーネリアン、3着には8番人気のホウオウ

ビスケッツが入り、スタートで出遅れた

1番人気マスクトディーヴァは必死に追い

込んで来たものの、6着に敗れました。

 

今週は、京都競馬場で伝統の第117回

京都記念が行われます。

京都記念は1942年に5歳(現4歳)以上

の古馬による春と秋の年2回施行する

ハンデキャップ競走として創設されました。

第二次世界大戦の影響による中止や

施行距離や競走条件等の変更を経ながら

春・秋年2回行っていましたが、1984年に

秋の競走が廃止され、以来年1回の施行

となりました。

伝統のレースだけあって歴代優勝馬には

名立たる名馬達の名前が連なっています。

 

思い出のレースは、転厩で覚醒した

メジロスイセイが勝った昭和48年第56回

京都記念です。

メジロスイセイの父は昭和を代表する

万能型種牡馬ネヴァービートで代表産駒

には皐月賞馬マーチス、オークス馬

ルピナス、天皇賞馬リキエイカン、

桜花賞馬インターグロリア、中山大障害馬

グランドマーチスやダイイチオー、トウフク

セダン、ハシクランツ等、多くの名馬達が

います。

メジロスイセイは旧馬齢3歳の夏の福島で

デビューしましたが、なかなか勝つことは

出来ず、6戦目の未勝利戦でようやく

勝つことが出来ました。

その後、4歳になって8戦するも、下級

条件戦で1勝を挙げたのみで、この年の

10月には売却され、所属厩舎も関西の

梅内厩舎へ転厩しました。

 

年が明けて5歳になったメジロスイセイは

徐々に成績が安定し、復帰した6月の

条件戦でいきなり勝って3勝目を挙げ

秋には条件特別を2つ勝って5勝目を

挙げると、その勢いのまま格上の京都記念

に挑戦し、後の天皇賞馬ヤマニンウェーヴ

の2着に入る大健闘を見せました。

その後京阪杯ではロングワンの7着に

敗れたものの、暮れの条件特別を快勝

すると、徐々に能力が開花し始めました。

 

年が明けて6歳になったメジロスイセイは

金杯や日経新春杯に出走し、勝つまでは

至らなかったものの、入着するなど、重賞

競走でも安定した成績を残せるように

なってきました。

その後、小倉日経賞を圧勝して待望の

オープン入りを果たすと、北九州記念では

初めて重賞競走で1番人気に推され

ましたが、惜しくも2着に敗れました。

そして続く朝日チャレンジカップでも、後の

天皇賞馬タニノチカラや桜花賞馬アチーブ

スター、シンザンミサキ、ディクタボーイ等

の実力馬をおさえ1番人気に推された

ものの、タニノチカラの5着に敗れました。

そして迎えた第56回京都記念。

このレースには天皇賞馬ヤマニンウェーヴ

桜花賞馬アチーブスター、重賞勝ち馬

ロングワン、サカエカホー、マツカオリ等の

精鋭達が出走してきました。

そんな中でメジロスイセイは天皇賞馬

ヤマニンウェーヴを押さえ1番人気に

推されました。

レースはシバタケが逃げ、サカエカホーと

ランドホマレが先行し、メジロスイセイは

中団より後ろから、天才福永洋一騎乗の

ヤマニンウェーヴは後方からの競馬と

なりました。

第3コーナーから第4コーナーにかけて

福永騎手騎乗のヤマニンウェーヴが

一気に仕掛けて先行集団に追いつくと

トップハンデ60キロも何のその、直線で

ヤマニンウェーヴが抜け出して先頭に立ち

このまま押し切るかと思いましたが、

直線で内から外に出したメジロスイセイが

鋭い追い込みで一気にヤマニンウェーヴを

差し切り、昨年2着の雪辱を果たして優勝。

屈辱の売却を乗り越えて、重賞初制覇を

飾りました。

今週は、京都競馬場で天皇賞春に向けて

第117回伝統の京都記念が行われます。

巻き返しを図るプラダリア、マテンロウレオ

ルージュエヴァイユ、ブレイヴロッカーに

注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。