先週、東京競馬場で行われました第38回

根岸ステークスは、1番人気のエンペラー

ワケアが、直線で堂々と抜け出し3連勝で

重賞初制覇を飾りました。

2着は6番人気のアームズレイン、

3着には2番人気のサンライズフレイムが

入りました。

 

今週は、東京競馬場で伝統の第74回

東京新聞杯が行われます。

東京新聞杯は古馬による重賞競走として

「東京杯」の名称で1951年に創設され

ました。

創設当初は東京競馬場の芝2400mで

天皇賞春の前後に行われていましたが、

1966年より名称を「東京新聞杯」に変更し

併せて施行時期も1月下旬から2月上旬

に行われるようになりました。

天皇賞春を意識していたレースだった

ためか、昭和30年代から昭和40年代

初期の優勝馬にはオートキツやコマツ

ヒカリ等のダービー馬をはじめ、天皇賞馬

タカマガハマやタケシバオー、菊花賞馬

アカネテンリュウ等、競馬史上に残る

名立たる名馬達が連なっています。

昭和40年代頃は施工距離も金杯と同じ

2000mであったため、私の中では金杯の

再戦競走というイメージが今でもあります。

1984年より距離も東京競馬場の

芝1600mに短縮され、この変更により

天皇賞春に向けてというより、安田記念等

春の古馬マイル路線に向けたレースという

位置づけに変わりました。

 

思い出のレースは超音速の異名をとった

快速馬スガノホマレが勝った昭和48年

第23回東京新聞杯です。

スガノホマレは花の昭和47年の

クラシック組で、同期にはダービー馬

ロングエース、皐月賞馬ランドプリンス、

菊花賞馬イシノヒカル、天皇賞馬タイテエム

有馬記念馬タニノチカラ、ストロングエイト、

ハクホオショウ、ヒデハヤテ、トーヨーアサヒ

タケクマヒカル等、蒼々たるメンバーが

います。

スガノホマレの父は私が日本の競馬史上

最強馬と思っている五冠馬シンザンで

シンザン自身は一度もレコードタイムでの

勝ちはありませんでしたが、スガノホマレは

生涯成績45戦8勝の内5回をレコード勝ち

する等、超音速の快速馬としてファンを

魅了した名馬でした。

スガノホマレが成し遂げたレコードタイム

5回の記録はタケシバオーと並んで

JRAでのタイ記録となっています。

スガノホマレは旧馬齢3歳夏の新潟で

デビューし、当時は可能だった2戦目の

新馬戦で初勝利すると続くオープン競走で

レコード勝ちをし、その後の福島3歳

ステークスでも2度目のレコードタイムで

優勝し、快速馬としての片鱗を早くも

のぞかせました。

しかし、続く関東3歳チャンピオン決定戦

朝日杯3歳ステークスではトクザクラの

5着に敗れ、3歳戦を終えました。

 

昭和47年のクラシック戦線は馬インフル

エンザの影響で日程が大幅に変更される

という前代未聞の事態となりました。

年が明けて4歳となったスガノホマレは

6月に復帰すると、いきなりオープン競走で

皐月賞馬ランドプリンスを3度目のレコード

タイムでやぶって4勝目をあげ、何とか

この年7月に延期され行われた七夕

ダービーへの出走に漕ぎつけましたものの

多くの有力馬達が出走する中、23着に

大敗してしまいました。

しかし、その後出走した日本短波賞では

出遅れながらも1番人気のイシノヒカルを

はじめ、ハクホオショウ、タカイホーマを

相手に直線で見事な追い込みで差し

切って優勝を飾り、秋に期待を繋げました。

菊花賞を目指し秋初戦のセントライト記念

2着後に西下し、クラシック最終戦、菊花賞

に出走しました。

第3コーナーで先頭に立つ等、見せ場を

作りましたが、結局7着に敗退しました。

その後、当時は内国産種牡馬の奨励と

保護策の一環として父内国産馬限定競走

として行われていた愛知杯に出走。

1番人気に推されましたが、同じシンザンの

仔のシンザンミサキの2着に敗れてしまい

ましたが、続くCBC賞では4度目のレコード

タイムで快勝する等、改めて非凡な

スピードを見せつけました。

年が明けて5歳となったスガノホマレは

春の天皇賞を目指してAJC杯に出走、

直線で差し返すなど健闘したものの

オンワードガイの2着に敗れました。

 

そして今では考えられないような過酷な

ローテーションで東京新聞杯に

参戦しました。

このレースには前走の金杯でハクホオ

ショウやタケフブキ、タケデンバード、

ゼンマツ等をやぶって優勝したクリイワイや

古豪アカツキテル、スイノオーザ、ヤシマ

ライデン、トーヨーアサヒ、ラファール等が

出走しました。

レースはトーヨーアサヒの逃げで始まり

2番手を追走していたスガノホマレは

第3コーナーで一気に勝負に出て、

トーヨーアサヒを交わして先頭に立ち

内からワンサバンナや外から猛然と追い

込んで来るクリイワイを頭差押さえて

優勝を飾り、レコードタイムにはなりません

でしたが、13年間2000mで行われた

歴代の東京新聞杯の中で1番早い

タイムで優勝を飾り、3個目の重賞を

獲得しました。

今週は東京競馬場で伝統の第74回

東京

新聞杯が行われます。

初のマイル戦のマスクドディーヴァ、

ジャスティンカフェ、ウンブライル、

アヴェラーレに注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。