2024年の初戦、中山競馬場で行われ

ました第73回中山金杯は5番人気の

リカンカブールが直線で抜け出し、追い

込んで来たククナを振り切って優勝。

重賞初制覇を果たしました。

2着には8番人気のククナ、3着には

6番人気のマイネルクリソーラが入り、

1番人気に推されたエピファニーは道中

折り合いがつかず、11着に敗れました。

 

今週は4年ぶりに京都競馬場で第71回

日経新春杯が行われます。

日経新春杯は日本経済新春杯の名称で

1954年に創設され、1979年より日経

新春杯に改称されました。

東のアメリカジョッキークラブカップと

並んで春の天皇賞に向けて、今年緒戦

として西の古馬達が参戦するレースでも

あります。

 

思い出のレースは名脇役だったイースト

リバーが優勝した昭和50年第22回

日経新春杯です。

日経新春杯というと、あれから46年が

経った今でもテンポイントの悲劇を

思い出してしまいます。

私にとってこのレースは忘れられない、

そして決して忘れてはいけないレースだと

思っています。

あのテンポイントの悲劇以来、45年以上

たった今でも日経新春杯のレースに限って

発送直前に必ず実況アナが例え開催

場所が違っていた場合でも「今年も全馬の

無事を祈って」と言っているように、改めて

レース中に事故が起きることなく、全馬の

無事を祈る象徴的なレースとなっています。

毎年、実況アナがレースの直前に

「全馬の無事を祈って」と言うたびに

私は涙が溢れてしまいます。

 

イーストリバーの父インディアナは昭和を

代表する長距離系種牡馬で、代表産駒

にはタケホープやベルワイド等がいます。

イーストリバーは昭和48年クラシック組で

同期には怪物ハイセイコーをはじめ

タケホープ、イチフジイサミ、ホウシュウ

エイト、ディクタボーイ等がいます。

イーストリバーは旧馬齢4歳1月の京都で

デビュー、新馬、特別を連勝しクラシックに

名乗りを挙げました。

しかし、春のクラシック最終切符をかけて

毎日杯に出走しましたが、ホウシュウエイト

の8着に敗れ、春のクラシックに参戦する

ことは出来ませんでした。

その後、オープン競走を連勝し、秋に入り

クラシック最終戦菊花賞を目指し、当時

菊花賞トライアルレースだった京都

新聞杯に出走するも6着に敗れ、本番の

菊花賞でもハイセイコーとタケホープ

による史上に残る名勝負の中、見せ場も

なく、7着に敗退しました。

それでもその後、オープン競走でディクタ

ボーイやトーヨーチカラをやぶって優勝し、

当時は暮れに行われていた阪神大賞典に

駒を進めましたが、ディクタボーイの5着に

敗れてしまいました。

 

年が明けて古馬になったイーストリバーは

天皇賞、宝塚記念、高松宮杯に参戦するも

高松宮杯でハイセイコーの4着に入るのが

やっとでした。

その後、夏の小倉に参戦すると、小倉

日経賞を快勝。

続く北九州記念では4着に敗れましたが

京阪杯では9番人気という人気薄でしたが

ホウシュウリッチやエリモマーチス、古豪

ロングワンを相手に直線で豪脚を披露して

優勝を飾り、初重賞を獲得しました。

しかし、続く阪神大賞典では6着に敗退して

しまいました。

 

年が明けて6歳になったイーストリバーは

現役を続行し、日経新春杯に参戦しました。

このレースには小さな馬体ながら鋭い追い

込みでタニノチカラをやぶる等、前年の

春秋の京都記念を連覇し優勝したスカイ

リーダや公営から鳴り物入りで移籍して

きたサンチャイナ等が出走。

1番人気はスカイリーダでイーストリバーは

2番人気に推されました。

レースは天才福永洋一騎手騎乗のランド

グレースが絶妙なペースで逃げる中、

サンチャイナは中団から、スカイリーダは

後方から進み、イーストリバーは最後方

からの競馬となりました。

直線に入って、ハシストームが最内を

ついて一気に先頭に立ち、大外を回った

スカイリーダが外から懸命に追い込む中

やはり内をついたイーストリバーが鋭く

伸びて、ハシストームをゴール手前で

捕らえ、差し切って優勝。

2つ目の重賞を獲得し、春の天皇賞に

向けて名乗りをあげました。

しかし、続く京都記念では63キロの斤量を

背負ったタニノチカラの競馬史上に残る

圧勝劇の前に全く歯が立たず、大差の

3着に敗れました。

そして、イーストリバーは、この京都記念が

生涯最後のレースとなり、二度と競馬場に

姿を現すことはありませんでした。

 

今週は4年ぶりに京都競馬場で

第71回日経新春杯が行われます。

サトノグランツ、サヴォーナ、リビアングラス

ブローザホーンに注目しています。

 

テンポイントの悲劇から今年で46年の

歳月が流れました。

今年もテンポイントに想いを馳せながら

そして、全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。