先週、4年ぶりに京都競馬場で行われ

ました第40回マイルチャンピオンシップは

後方からレースを進めた5番人気の

紅一点ナミュールが直線に入って豪快に

差し切って優勝。

GⅠ初制覇を果たしました。

2着には3番人気のソウルラッシュ、

3着には7番人気ジャスティンカフェが入り

1番人気のシュネルマイスターは7着、

2番人気セリフォスは8着に敗れました。

 

今週は、東京競馬場で国際招待競走

第43回ジャパンカップが行われます。

ジャパンカップは日本において1970年代

から世界に通用する馬づくりが提唱され

日本の競馬を世界の競馬にという機運が

高まり、1981年国際招待競走で日本

初の国際GⅠ競走として創設されました。

第1回は北アメリカとアジア地区から招待

馬を選出しましたが、翌年からは招待範囲

がヨーロッパ、オセアニアにも広げられ

参加国の多さからも当時は日本で競馬の

オリンピックがついに開催されると言われ

ました。

 

思い出のレースはキョウイエイプロミスが

競走生命かけて死闘を演じた昭和58年

第3回ジャパンカップです。

第1回と第2回で惨敗した日本勢。

第3回からは地方競馬から1頭の

出走枠が与えられました。

当時のジャパンカップは創設当初で

日本中央競馬会が頑張ったのか、年々

各国から有力馬が参加してくれるように

なりました。

フランスからはミラノ大賞典を勝った

エスプリデュノール、初参加となるイギリス

からはローマ賞を勝ったハイホーク、

イタリアからはイタリア大賞等の勝ち馬

チェリオルーフォ、西ドイツからはドイツ

2000ギニーの勝ち馬のトンボス、アイル

ランドからは前年のジャパンカップの

4着馬でジョーマクグラスメモリアル

ステークスの勝ち馬スタネーラ、アメリカ

からはGⅠを3連勝したエリンズアイルと

前年の勝ち馬ハーフアイスト、カナダ

からはGⅡ勝ち馬カナディアンファクター、

オセアニアからはオセアニア中距離GⅠ

勝ち馬マクギンティが出走を表明する等、

近年のジャパンカップと違い、各国からの

参加によって、これぞまさに国際競走として

行われていました。

迎え撃つ日本勢は、前2回の外国馬の

強さに圧倒され各陣営の腰が引けている中

日本中央競馬会からの強い要請もあってか

有馬記念を制し、この年の春の天皇賞も

制したアンバーシャダイを筆頭に秋の

天皇賞の勝ち馬キョウエイプロミス、前年

秋の天皇賞馬メジロティターンの3頭の

天皇賞馬参戦による夢の共演の他、

華麗なる一族から黄金の快速馬ハギノ

カムイオー、秋の天皇賞で1番人気に

推されたタカラテンリュウ等、日本が誇る

精鋭達の参戦で、当時は日本勢初優勝の

期待が集まりました。

但し当日、1番人気はイギリス代表の

ハイホーク、2番人気はフランスのエスプリ

デュノール、3番人気はアイルランドの

スタネーラで、日本勢で一番人気を集めた

ハギノカムイオーは6番人気、天皇賞馬

3頭ではメジロティターンが8番人気、

アンバーシャダイが9番人気で脚の状態が

良くなかったキョウエイプロミスは

10番人気という低評価でした。

レースは1番人気のハイホークが立ち

遅れ、大方の予想どおり、日本のハギノ

カムイオーが単騎で逃げる展開となり

向こう正面では2番手以下を大きく引き

離しての大逃げとなりました。

2番手集団にはトンボス、エスプリ

デュノール、その後ろからアンバー

シャダイ、キョウエイプロミスが続き、

スタネーラは中団、ハイホークは後方

からの競馬となりました。

第3コーナーに入って後続が一気に差を

詰め始めるとハギノカムイオーが失速し、

代わりにエスプリデュノールが先頭に

立つと、内からマクギンティ、外からは

アンバーシャダイが一気に先頭に立つ

勢いで並びかけて直線の勝負へ。

直線でエスプリデュノールが粘って

アンバーシャダイとマクギンティを必死に

おさえこむ中、外からスタネーラと

キョウエイプロミスが鋭く追い込み、

2頭がエスプリデュノールを交わすと、

今度はスタネーラとキョウエイプロミスの

2頭による壮絶な叩きあいとなり、

キョウエイプロミスが天皇賞馬の意地を

見せ食い下がりましたが、ゴール前で

スタネーラが僅かアタマ差先着して優勝。

あと一歩のところで日本馬によるジャパン

カップ初制覇はなりませんでしたが、

キョウエイプロミスの大健闘に

場内からは惜しみない拍手が送られ

ました。

また、このキョウエイプロミスの頑張りは

この先10年は勝てないと言われた

日本の競馬に新たなる時代の到来を

告げることとなりました。

しかしその代償は大きく、脚部不安を

かかえながら激走し外国馬との死闘を

演じたキョウエイプロミスの右脚が限界を

超え、ゴール後、馬運車で運ばれました。

診断の結果、右前脚繋靱帯不全断裂で

競走能力喪失となり、そのまま引退と

なってしまいました。

キョウエイプロミスは、まさに命がけの

走りで日本競馬の将来に希望を与えて

くれました。

今週は、東京競馬場で名ばかりの?

国際招待競走第43回ジャパンカップが

行われます。

今年も外国からの出走馬は1頭と寂しい

限りで、改めて存在意義が問われます。

イクイノックス、リバティアイランド

巻き返しを図るドウデュース、ダノン

ベルーガに注目しています。

今週も全馬の無事を祈りながらレースを

観ます。