先週、東京競馬場で行われました第61回
アルゼンチン共和国杯は1番人気の
ゼッフィーロが直線に入って前が空く瞬間を
待って鋭く脚を延ばし、差し切って優勝。
重賞初制覇を果たしました。
2着に5番人気のマイネルウィルトスが
入り、3着には同着で2番人気のチャック
ネイトと4番人気でトップハンデの59キロ
を背負ったヒートオンビートが入りました。
今週は、4年ぶりに京都競馬場で伝統の
第48回エリザベス女王杯が行われます。
1975年にエリザベス女王が来日したこと
を記念して1976年にエリザベス女王杯が
創設され、1995年まで牝馬クラシック
3冠目という位置づけで4歳牝馬限定競走
として行われていました。
その後、1996年に牝馬競走体系の
見直しに伴い、競走条件が4歳牝馬から
4歳以上牝馬に変更され、施行距離も
芝2200mに短縮され、更にエリザベス
女王杯に代わる4歳牝馬三冠の最終戦
として新たに秋華賞が新設されたことに
伴い、エリザベス女王杯は牝馬クラシック
を歩んできた旧4歳牝馬と古馬牝馬による
日本一の女王を争うレースという位置づけ
になりました。
思い出のレースは、ディアマンテが勝った
記念すべき第1回エリザベス女王杯です。
ディアマンテは天馬トウショウボーイと
貴公子テンポイントで沸いた昭和51年の
牝馬クラシック組で、同期には同厩舎で
牝馬クラシック二冠馬テイタニヤをはじめ、
後にミスターシービーの母となるシービー
クインやスカッシュソロン、ニッショウダイヤ
ベロナスポート、クインリマンド等がいます。
ディアマンテは牝馬を扱わせたら右に出る
者がいないと言われた稲葉幸夫厩舎に
入厩しました。
この年の同厩舎には後に桜花賞、
オークスを制するテイタニヤがいて、
当初ディアマンテはその影に隠れる
存在でした。
ディアマンテは、旧馬齢3歳の福島で
デビューし、初戦は2着に敗れましたが、
4戦目の未勝利戦で初勝利を挙げました。
しかし、その後は同厩舎のテイタニヤが
勝ち進んでクラシック路線で主役となって
いる中、ディアマンテはなかなか勝ち星を
挙げることが出来ず、それでも何とか
春シーズンに条件特別を2勝することが
出来ました。
同厩舎のテイタニヤが桜花賞、オークスに
優勝して二冠馬となり、三冠を目指して
無事に夏を越す中、ディアマンテも順調に
夏を越して秋競馬に挑みました。
ディアマンテは、秋初戦のクイーン
ステークスはニッショウダイヤの3着に
敗れたものの、続く条件特別戦に勝って
4勝目を挙げると、三冠を目指す
テイタニヤと共に西下し、前年までの
ビクトリアカップから改名して第1回として
施行されるエリザベス女王杯に挑みました。
このレースには二冠馬テイタニヤをはじめ
スカッシュソロン、シービークイン、クイン
リマンド、ニッショウダイヤ等が参戦
しました。
1番人気はオークス後、勝ち星が無い
テイタニヤで2番人気はクイーンステークス
に勝つなど本格化し、最後の1冠を狙う
ニッショウダオイヤ、条件戦を勝ちあがった
ディアマンテは8番人気と低評価でした。
レースはスタートしてシービークインが逃げ
テイタニヤ、スカッシュソロンは中団から、
ディアマンテはその後から進み、ニッショウ
ダイヤは後方からという展開となりました。
第3コーナーでシービークインを交わして
ミナガワイチが先頭に立つと人気の
テイタニヤとスカッシュソロンが仕掛け
それを見るようにディアマンテも仕掛けて
進出し、いつのまにかテイタニヤと
スカッシュソロンの前に位置しました。
直線に入ってフジエクスプレスが一旦
先頭に立ち、各馬横一線に広がる中、
真ん中からディアマンテが鋭く伸びて
一気に先頭に躍り出て引き離し、何とか
追い込んでくるテイタニヤとニッショウ
ダイヤを振り切って優勝。
重賞初制覇を果たすと共に記念すべき
第1回エリザベス女王杯の初代女王に
輝きました。
三冠に挑んだテイタニヤは4着に敗れ
ましたが、稲葉厩舎の牝馬2頭で、
この年の牝馬クラシック3冠全てを独占
する形となりました。
今週は4年ぶりに京都競馬場で第48回
エリザベス女王杯が行われます。
堅実なディヴィーナ、ハーパー、ルージュ
エヴァイユ、新勢力ブレイディヴェーグに
注目しています。
今週も全馬の無事を祈りながらレースを
観ます。

